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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K3
管理番号 1277777 
審判番号 不服2013-7898
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-30 
確定日 2013-08-20 
意匠に係る物品 ビニールハウス用シート止め材 
事件の表示 意願2012- 3450「ビニールハウス用シート止め材」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成24年(2012年)2月21日に出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「ビニールハウス用シート止め材」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,日本国特許庁が,本願出願前,平成19年(2007年)4月23日に発行した意匠公報に記載された,意匠登録第1299102号(意匠に係る物品,ビニールハウス用シート止め材)の意匠であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の対比

(1)意匠に係る物品
両意匠に係る物品は,「ビニールハウス用シート止め材」であって,一致する。

(2)意匠の形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(i)共通点
(A)全体は,側面視において,上辺がない略台形状で,その二つの上端部が内側に屈曲して小さな略環形状となっている形状であって,この形状が左右方向に連続した形状である点
(B)下隅部は,側面視において円弧状に現れる曲面である点
(C)正面及び背面の中央付近の部分は,側面視において鈍角に屈曲した面である点
(D)底部は,略水平な面であって,上面中央部分に長手方向に1条の溝が形成されている点

(ii)相違点
(ア)本願意匠は,正面及び背面の略上半分の部分が,外側にゆるやかにふくらんだ曲面であるのに対し,引用意匠は,正面の略上半分の部分が,右側面視において略倒「へ」字形状に現れる屈曲した面であり,背面の同部分は,その対称形状である点
(イ)本願意匠は,上端部が,正面側及び背面側に突出することなく,内側斜め下方に屈曲して,側面視において略三角形に現れる略筒形状の面であるのに対し,引用意匠は,同部分が,正面側及び背面側に突出し,側面視において略楕円形に現れる略筒形状の面である点
(ウ)本願意匠は,底部が水平で,その上面中央部分に長手方向に,断面が半円形の小さな1条の溝が形成されているのに対し,引用意匠は,底部が幅方向の端から中央に向かってわずかに高くなるように傾斜し,中央で小さく凹んで1条の溝が形成されている点

2.両意匠の類似性の判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類似性の判断に与える影響を評価し,意匠全体としての両意匠の類似性について検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が一致するが,形態については,以下のとおりである。

(1)共通点の評価
共通点(A)ないし(D)は,ビニールハウス用シート止め材においては,いずれも本願の出願前から見られるありふれた態様であるから,各共通点が両意匠の類似性の判断に与える影響は小さい。
そして,これらの影響を総合したとしても,共通点が両意匠の類似性の判断に与える影響は小さいといえる。

(2)相違点の評価
相違点(ア)については,使用時にも見えやすい部位に係り,形状の相違も大きく,需要者の注意を引くから,両意匠の類似性の判断に与える影響は大きい。
相違点(イ)については,体積的に小さい部分ではあるが,水平部の有無の相違が,上端部が尖った印象を与えるか否かという相違につながるから,両意匠の類似性の判断に一定程度の影響を与える。
相違点(ウ)については,ビニールハウス用シート止め材においては,いずれの態様も本願の出願前から見られるありふれたものであり,また,引用意匠の底部の傾斜の程度はわずかで本願意匠の水平な底部との相違もわずかであり,溝はいずれも体積的に小さいから,両意匠の類似性の判断に与える影響は小さい。
そして,これらの影響を総合すると,相違点が両意匠の類似性の判断に与える影響は大きいといえる。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品については,一致するが,形態については,相違点が両意匠の類似性の判断に与える影響が共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-08-06 
出願番号 意願2012-3450(D2012-3450) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (K3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 吉山 保祐 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
中田 博康
登録日 2013-08-30 
登録番号 意匠登録第1480529号(D1480529) 
代理人 天野 泉 
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