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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G1
管理番号 1278869 
審判番号 不服2013-2782
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-02-13 
確定日 2013-08-20 
意匠に係る物品 接着絶縁レール 
事件の表示 意願2012- 15267「接着絶縁レール」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本件審判の請求に係る意匠登録出願の意匠(以下,「本願意匠」という。)は,平成24年(2012年)6月27日に出願されたものであって,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「接着絶縁レール」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであり,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,日本国特許庁発行の公開特許公報(公開日:平成18年(2006年)6月1日)特開2006-138126号(発明の名称,レールの絶縁継目)に記載の「【図6】及び関連する記述から導き出される,「接着絶縁レール」の従来例とされた意匠」であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断

1.本願意匠と引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品について
本願意匠及び引用意匠(以下,「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,いずれも接着絶縁レールであると認められる。

(2)形態について
次に,両意匠の形態を対比(なお,対比のため,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを引用意匠にもあてはめ,引用意匠の【図6】を,正面,平面及び右側面を表す斜視図とする。)すると,主として,以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。

まず,共通点については,(A)全体は,2本のレールを,絶縁部材を挟んで接合し,そのレール接合部のレールの腹部(以下,「レール腹部」という。)両側部分にレール連結用継ぎ目板(以下,「ペーシ」という。)を当着し,レール及びペーシに6個の貫通孔を等間隔に一列となるように穿設し,この貫通孔に継ぎ目板用のボルト及びナット(以下,「モール」という。)をボルト頭部とナット部が交互となるように締着した態様とし,(B)レール部は,断面視略三角形状のレールの底部(以下,「レール底部」という。)中央部分から断面視略矩形板状のレール腹部を立設させ,その上部に,レール底部の約1/2の幅の,断面視略長方形状のレールの頭部(以下,「レール頭部」という。)を形成したもので,レール頭部上面角部分に断面視円弧状の面取りを施し,レール頭部側面部及びレール腹部をほぼ垂直な面とし,レール頭部下面部をレール腹部側が低い傾斜面とし,レール底部上面をレール腹部側が高い傾斜面としている点,(C)モール部は,ボルト頭部を略正四角錐台形状とし,ナット部を六角ナットとしている点,(D)ペーシ部は,正面側は,略正四角錐台形状のボルト頭部の一辺が接するように上辺部分に1条の凸条部を残して,正面視略横長長方形状の垂直な切り欠き部(以下,「切り欠き部」という。)を形成し,レールに当接する背面側は,レール頭部下面,レール腹部及びレール底部上面部の形状に合わせて,断面視略コの字状に形成している点,が認められる。

他方,相違点として,(ア)レール腹部の態様について,本願意匠は,レール両端部のやや接合部寄りの位置からペーシ当着部分のやや端部寄りの位置にかけて,レール腹部を漸次厚くし,ペーシ当着部分のレール腹部の厚みをレール両端部のレール腹部の約3倍としているのに対し,引用意匠は,レール腹部の厚みを均一としている点,(イ)接着絶縁レール両端部分の態様について,本願意匠は,レール腹部の厚みが変化するレールのみの部分が,ペーシの両端部から突出しているのに対し,引用意匠は,接合した2本のレールとペーシとをほぼ同じ長さとし,レールのみの部分が突出していない点,(ウ)ペーシ部の態様について,本願意匠は,ペーシ部両端部に絶縁性接着剤がはみ出して表れ,ペーシ部の上辺部分にのみ凸条部を1条残して,切り欠き部を形成し,下辺部分は切り欠き部からレール底部上面に向かって傾斜面を形成しているのに対し,引用意匠は,レール部とペーシ部の間にはみ出すことなく接着層を設け,ペーシ部の上辺及び下辺部分に,略正四角錐台形状のボルト頭部の上辺及び下辺が接するように,凸条部を1条ずつ残し,この凸条部の間に正面視横長長方形状の切り欠き部を形成している点,(エ)レール接合部の切断部分の態様について,本願意匠は,平面視右下がりの斜線により切断されたレール同士を接合しているのに対し,引用意匠は,平面視略S字状の曲線により切断されたレール同士を接合している点,が認められる。

2.本願意匠と引用意匠の類否判断

以上の一致点,共通点及び相違点が,両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠が類似するか否かについて,意匠全体として検討し,判断する。

(1)両意匠の意匠に係る物品について
両意匠は,いずれも接着絶縁レールに係るものであるから,両意匠の意匠に係る物品は,一致する。

(2)両意匠の形態について
まず,共通点(A)における,2本のレールを,絶縁部材を挟んで接合し,レール腹部両側部分にペーシを当着し,ボルト頭部とナット部が交互となるように6本のモールで締着した態様は,両意匠の接着絶縁レールの態様を概括したにすぎないものであり,モールを6本使用することも,60kgレールを使用した接着絶縁レールにおいては標準的な仕様であって,接着絶縁レールの構成態様としてありふれたものであるから,本願意匠と引用意匠のみがもつ共通点とは言えず,両意匠の類否判断に与える影響は軽微なものにとどまるものである。
次に,共通点(B)及び共通点(C)のレール部及びモール部の態様については,いずれの態様もレール部及びモール部の構成態様としてありふれたものであって,本願意匠と引用意匠のみがもつ共通点とは言えず,両意匠の類否判断に与える影響も微弱なものであると言える。
また,共通点(D)のペーシ部正面側上辺部分の態様及び背面側の態様も,ペーシ部の構成態様としてありふれたものであって,本願意匠と引用意匠のみがもつ共通点とは言えず,両意匠の類否判断に与える影響も微弱なものにとどまるものである。
したがって,上記の共通点は,全体としてみても,両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものである。

これに対し,相違点(ア)及び相違点(イ)については,本願意匠は,レール腹部をレール接合部付近で厚く形成したとの視覚的印象を与える点が,ペーシ部の両端部で接着絶縁レールを切断し,レール腹部の厚みが均一であるとの視覚的印象を与える引用意匠とは大きく異なり,需要者に両意匠の形態全体の美感が異なるとの印象を与えるものであるので,この相違点は,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものである。
次に,相違点(ウ)についても,本願意匠に係るペーシ部下辺部分の態様は,レール腹部を厚く形成したことに対応して,本願意匠のみに特徴的に表れている態様であり,需要者に両意匠が別異であるとの印象を与えるものであるので,この相違点も,両意匠の類否判断に与える影響は大きいものと言える。
また,相違点(エ)については,小さな部分の違いであるが,目に付きやすいレール上面部の形態であるから,上記の各相違点とともに,両意匠の類否判断に一定の影響を及ぼすものと言える。
そして,これらの各相違点に係る態様が相まって生じる視覚的効果は,意匠全体として見た場合,上記共通点を凌ぎ,需要者に別異の美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと言うことができる。

3.小括

したがって,両意匠は,意匠に係る物品については一致するものであるが,形態については,両意匠の間には,その基本的な形状を含めて複数の共通点が存在するものの,相違点の印象が共通点の印象を凌駕しており,意匠全体としては視覚的印象を異にするものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

第4 結び

以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-08-02 
出願番号 意願2012-15267(D2012-15267) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 上島 靖範中村 純典 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
中田 博康
登録日 2013-09-27 
登録番号 意匠登録第1482618号(D1482618) 
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所 
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