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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J6
管理番号 1281363 
審判番号 不服2013-2440
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-02-08 
確定日 2013-09-11 
意匠に係る物品 消火器ケース 
事件の表示 意願2012-2576「消火器ケース」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成24年(2012年)2月8日付けの意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という)は,意匠に係る物品を「消火器ケース」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,本願の出願前に特許庁から発行された意匠公報に記載の意匠登録第1035211号(意匠に係る物品,消火器収納ボックス)の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)両意匠の共通点
本願意匠と引用意匠を対比すると,本願意匠は,消火器ケースであり,引用意匠は,消火器収納ボックスであって,表記は異なるが,共に壁埋め込み式の,消火器を収納しておく容器であるから,意匠に係る物品は共通し,その形態は,収納本体と,その前面に位置する開閉扉から成るものであって,全体が,前後がへんぺいな略縦長直方体であり,収納本体が,前方が開口した,奥行きがへんぺいな略縦長直方体で,その開口部周囲にフランジ状部が設けてあり,当該本体の底板は,前方が円弧状に突出したものであって,前記の扉は,全面が円弧面であって,弓形の上板を設けたものである点,で共通する。

(2)両意匠の相違点
それに対して,具体的構成態様において,(A)扉の構成につき,(A-1)本願意匠は,上下端に弓形の上板及び下板を設け,扉の縦長さを本体より長くすることによって,扉下板は本体底板の下側に位置し,扉を閉じたときに,底板を隠すようにした構成であるのに対して,引用意匠は,扉下板を設けず,上端のみに扉上板を設け,扉の縦長さを本体とほぼ同じにして,扉下辺が,本体底板上面に接するようにした点,(A-2)本願意匠は,不透明な一枚板であって,平滑な円弧面であるのに対し,引用意匠は,周囲を囲む額縁状枠体と,その枠体に狭持された透明部材からなり,その透明部材と枠体には段差が存在する点,(B)扉の幅に対する前方突出長さにつき,本願意匠は,約10:2であるのに対して,引用意匠は,約10:3である点,(C)本体の底板につき,本願意匠は,薄板のみであって,扉を閉じた状態では,扉に隠れて見えないように構成しているのに対して,引用意匠は,手前縁に垂直面の細幅な化粧板を設けており,その化粧板は扉を閉じた状態でも目視できるようにしている点,(D)手掛け部につき,本願意匠は,手掛け部を設けていないのに対して,引用意匠は,扉前方側の枠体左上に略縦長楕円形状の手掛け部を設けている点,において主な相違点が認められる。

(3)類否判断
本願意匠と引用意匠を比較すると,共通点は,壁に埋め込むタイプの消火器ケースにおいて,壁外側に突出する扉の全面を円弧面にするという,本願出願前より普通に見られる態様における共通点であって,大きな特徴とはいえず,両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であり,この共通性のみをもって両意匠の類否判断を決定するものとすることはできない。
これに対して,本体が壁に埋め込まれた使用状態においては,具体的態様に係る相違点(A-1)及び(C)について,消火器を使わない平常時,常態時において,最も目に付き易い扉正面における態様の差であるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きいといえ,相違点(A-2)を含めて,部品点数が多くて煩雑に見える引用意匠に対して,本願意匠は一枚板の扉のみが観察可能でシンプルに見え,この差も,目に付き易い扉正面における態様の差であるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きいといえる。相違点(B)については,使用状態においての,壁からの突出度合いといえ,正面視においては目立たない程度であったとしても,側面視では目立つ相違であり,印象を異とするものであって,両意匠の類否判断に与える影響は大きいといえる。
以上の相違点と相違点(D)を加えることによって,あいまって生じる印象は,前記共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品は共通しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-08-30 
出願番号 意願2012-2576(D2012-2576) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 吉山 保祐 
特許庁審判長 原田 雅美
特許庁審判官 橘 崇生
江塚 尚弘
登録日 2013-11-08 
登録番号 意匠登録第1485835号(D1485835) 
代理人 金澤 美奈子 
代理人 辻本 希世士 
代理人 辻本 一義 
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