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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E1
管理番号 1281367 
審判番号 不服2013-12262
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-27 
確定日 2013-10-08 
意匠に係る物品 自動車おもちゃ 
事件の表示 意願2012- 9391「自動車おもちゃ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,平成23年(2011年)10月24日に世界知的所有権機関に出願され,その出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴って,平成24年(2012年)4月23日に出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「自動車おもちゃ」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前の平成20年(2008年)2月29日に世界知的所有権機関が発行し,平成20年(2008年)3月14日に特許庁普及支援課が受け入れた,国際事務局意匠公報に記載された,国際意匠登録第DM/069181号(意匠に係る物品,自動車おもちゃ)の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH20500027号)であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 当審の判断

1.本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の対比

(1)意匠に係る物品
両意匠に係る物品は,「自動車おもちゃ」であって,一致する。

(2)意匠の形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
なお,両意匠の対比を容易にするため,両意匠の向きを,フロントグリルに正対する向きを正面として合わせることとし,本願意匠については右側面を正面とする向きで扱い,引用意匠については国際事務局意匠公報における「1.3」の図に表された面を正面とする向きで扱う。

(i)共通点
(A)全体について,フロントウィンドウとリヤウィンドウの角度が浅く,キャビンが車体後方寄りの位置で滑らかに上方に突出している点
(B)車体前端部分について,フロントフェンダーの前端から前方に向かって左右幅が急激にすぼまり,フロントグリルが突出している点
(C)フロントグリルについて,正面視において,略長円形である点
(D)車体後端部分について,リヤフェンダーの後端から後方に向かって左右幅がすぼまり,背面が,平面視において,ゆるやかな弧状に形成されている点

(ii)相違点
(ア)車体前方部分の上面(ボンネット及びフロントフェンダーの上部)について,本願意匠は,左右のフロントピラーからフロントグリルの左右端にかけて段が形成され,中央が左右よりも高くなるように形成されているのに対し,引用意匠は,中央よりも左右が高く形成されている点
(イ)ドアの構成について,本願意匠は4ドアであるのに対し,引用意匠は2ドアである点
(ウ)ヘッドランプについて,本願意匠は,ヘッドランプの中央付近から前面中央方向及び側面後ろ方向に向かってそれぞれ曲線を描いてすぼまっているのに対し,引用意匠は,ヘッドランプの後方寄り部分から前面中央方向及び側面後ろ方向に向かってそれぞれ直線的にすぼまっている点
(エ)テールランプについて,本願意匠は,車体の後方角部から,後面の中央に向かってゆるやかにすぼまり端部で下辺が上方に屈曲して急激にすぼまっているのに対し,引用意匠は,トランクリッドと車体の境界位置から,後面中央方向及び側面前方向に向かってすぼまっている点

2.両意匠の類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響を評価し,意匠全体としての両意匠の類否について検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が一致するが,形態については,以下のとおりである。

(1)共通点の評価
共通点(A)については,概括的であり,また,よく見られる態様であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
共通点(B)については,需要者の注意を引く部位に係り,急激にすぼまっている点では特徴的であるが,本願意匠は平面視において曲線的にすぼまっているのに対し,引用意匠は平面視において直線的にすぼまっているという相違がある中での共通点であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまる。
共通点(C)については,全体の中では小さな部分であるが,見えやすい部位に係り,形態も特徴的であるから,両意匠の類否判断に一定程度の影響を及ぼす。
共通点(D)については,概括的であり,また,よく見られる態様であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。

そして,これらの影響を総合すると,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまるといえる。

(2)相違点の評価
相違点(ア)については,需要者に見えやすく注意を強く引く部位に係り,形態としても,中央が段状に高くなっているか,左右が高くなっているかの相違が大きいから,需要者に異なる印象を強く与え,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。
相違点(イ)については,自動車おもちゃのモチーフとなる自動車においては,4ドアであるか2ドアであるかは乗り降りのしやすさに影響するため需要者の注意を引く要素であり,その外形をミニチュアとして再現した自動車おもちゃにおいても一定程度の注意を引く要素であると考えられるが,一方で,自動車においても自動車おもちゃにおいても4ドアのものも2ドアのものもありふれており,形態については,屋根の長さ,ドア,ピラーの形態の相違として現れるが,この物品において通常行われる改変に伴う程度の相違といえるものであって,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度にとどまる。
相違点(ウ)については,全体の中では小さな部分であるが,需要者の注意を強く引く部位に係り,形態にも一定程度の相違があるから,両意匠の類否判断に一定程度の影響を及ぼす。
相違点(エ)については,全体の中では小さな部分であるが,需要者の注意を引く部位に係り,形態にも一定程度の相違があるから,両意匠の類否判断に一定程度の影響を及ぼす。
そして,これらの影響を総合すると,相違点が両意匠の類否判断に与える影響は大きいといえる。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品については,一致するが,形態については,相違点が両意匠の類否判断に与える影響が共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,両意匠の相違点が与える印象は,共通点が与える印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。


第4 むすび

以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2013-09-25 
出願番号 意願2012-9391(D2012-9391) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (E1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 富永 亘 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
中田 博康
登録日 2013-11-08 
登録番号 意匠登録第1486023号(D1486023) 
代理人 大塚 雅晴 
代理人 西下 正石 
代理人 山崎 宏 
代理人 鮫島 睦 
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