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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D3
管理番号 1281375 
審判番号 不服2013-6822
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-15 
確定日 2013-11-12 
意匠に係る物品 発光ダイオード照明器具 
事件の表示 意願2012- 1326「発光ダイオード照明器具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする平成24年(2012年)1月25日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,本願の願書の記載によれば,意匠に係る物品を「発光ダイオード照明器具」とし,形態を,願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,同法同条同項柱書の規定により意匠登録を受けることができない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠,すなわち,特許庁意匠課が2010年7月23日に受け入れ,2010年7月19日を掲載確認日(公知日)としたところの,コイズミ照明株式会社が同社のインターネット・ウェブ・サイトに掲載した,表題を『お知らせ|LEDランプの薄型モダンシャンデリアシリーズ|コイズミ照明株式会社』としたページ(掲載ページのアドレス http://www.koizumi-lt.co.jp/info/info.php?ren=96)に掲載された「天井つり下げ灯」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ22026534号)(以下「引用意匠」という。)であり,引用意匠の形態は,同サイト掲載ページの写真版に現されたとおりのものである(別紙第2参照)。

第3 本願意匠と引用意匠の対比
1.意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「発光ダイオード照明器具」であり,本願の願書の記載によれば,発光ダイオードを光源として有し,天井などに取り付けられる照明器具である。一方,引用意匠の意匠に係る物品は「天井つり下げ灯」であって,上記サイト掲載ページの記載によれば,薄型構造のLEDユニットランプが採用されている。したがって,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

2.形態
本願意匠と引用意匠の形態を対比すると,両意匠の形態には,主として,以下の共通点と差異点が認められる。(以下,対比のため,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを,引用意匠にもあてはめることとする。)
(1)共通点
基本的構成態様として,以下の共通点が認められる。
(A)基本的構成態様について
全体が,正面から見て,中央に二つの短円柱状部を前後に重ねたものであって,前方の短円柱状部の径は,後方の短円柱状部の径よりも小さく,前方短円柱状部の周囲から放射状に枝部が複数本配されて,該枝部の先には,正面視円形状の発光部が設けられている。
また,具体的態様として,以下の共通点が認められる。
(B)発光部の形態について
発光部は,枝部と接続する後方の小径円柱状部と,内部の発光ダイオードの光を透過させる透光性のカバーを有する前方の大径円柱状部を前後に合わせて一体としたものである。

(2)差異点
一方,具体的態様として,以下の差異点が認められる。
(ア)中央の前方短円柱状部及び後方短円柱状部の構成及び形態について
本願意匠では,前方短円柱状部と後方短円柱状部の径の比が略2:5であり,後者の径が前者の径の2.5倍程度であるのに対し,引用意匠では,その比は正確には不明であるものの,2.5倍相当ではないと推認される。また,引用意匠の前方短円柱状部の前面周囲に暗調子の部分があり,後方短円柱状部のほぼ全域も暗調子であるが,本願意匠には暗調子の部分はない。
(イ)枝部及び発光部の構成について
本願意匠では,枝部と発光部がそれぞれ六つ設けられており,放射状に並ぶ各枝部が正面中心と成す六箇所の角度はいずれも等しく,各発光部も等間隔に並んでいる。これに対して,引用意匠では,枝部と発光部がそれぞれ八つ設けられており,上記サイト掲載ページの写真版に現された限りでは,放射状に並ぶ各枝部が正面中心と成す八箇所の角度の詳細は不明であり,各発光部が等間隔に並んでいるか否かについても不明である。
(ウ)発光部の形態について
本願意匠では,発光部前方の大径円柱状部における,前面から側面にかけての透光性カバー部と,側面後方の不透明部の側面から見た比率が,略4:1であるが,引用意匠では,略1:1である。また,透光性カバー部前面の形状について,本願意匠では,中央に同心円形状の凹部が形成され,凹部の境界が正面視円形状に表れているのに対して,引用意匠では,上記サイト掲載ページの写真版に現された限り,透光性カバー部前面の形状の詳細は不明であり,少なくてもそのような凹部は形成されていないと推認される。

第4 本願意匠と引用意匠の類否判断
1.意匠に係る物品
本願意匠と引用意匠は,共に発光ダイオードを光源とする,天井などに取り付けられる照明器具であるから,意匠に係る物品が共通する。

2.共通点の評価
前記認定した両意匠の共通点は,いずれも,両意匠の形状を概括的に捉えた場合の共通点であり,両意匠が共通としている意匠に係る物品の形態として,他の意匠にも見られる形状でもあるので,この共通点が両意匠全体の類否判断に決定的な影響を及ぼすということはできない。

3.差異点の評価
一方,前記認定した差異点については,以下のとおり,両意匠全体の類否判断に大きな影響を及ぼすといわざるを得ない。
先ず,差異点(ア)については,両意匠の正面という目につきやすい部位に関する差異であり,両意匠が天井に取り付けられ,看者がそれを見上げた際に,前方短円柱状部及び後方短円柱状部が両意匠の中央に存することから,看者はそれらの構成と形態を詳細に観察することとなる。そうすると,それらの径の比の差異と,暗調子部分の有無の差異は,看者の注意を惹くものであるから,これらの差異は,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼす。
次に,差異点(イ)については,看者によって正面方向や斜め方向からはっきりと看取されるものであって,引用意匠の各枝部の角度や各発光部の間隔の詳細は不明であるものの,引用意匠の枝部と発光部の個数が本願意匠のそれよりも多いことから,引用意匠の各枝部の角度は,本願意匠のそれよりも小さく,引用意匠の各発光部の間隔も狭くなることは明らかであり,そうすると,看者が抱く両意匠の視覚的印象には変化が生じ,枝部及び発光部の構成が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。
そして,差異点(ウ)については,照明器具において重要な,発光部の形態に関する差異であって,特に,透光性カバー部前面の形状の差異は,看者の視覚的注意を強く惹くものであり,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすということができる。また,透光性カバー部と不透明部の側面視比率の差異も,側面方向や斜め方向から見て,明らかに看取されるものであって,看者の視覚的印象を異にするといえる。この点について考察すると,本願意匠では,透光性カバー部が主要部分となって目立つのに対し,引用意匠では,透光性カバー部と不透明部の側面視比率が同程度であるので,透光性カバー部は本願意匠に比べてそれ程目立たず,この差異は両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすといえる。
そうすると,(ア)ないし(ウ)の差異点は,いずれも両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものであり,形態全体について異なる美感を看者に与えることから,両意匠の差異点は共通点を凌駕するものであるということができる。

4.小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,形態においては,共通点が未だ両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して,差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第5 むすび
以上のとおり,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似するとして意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条同項柱書の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-10-31 
出願番号 意願2012-1326(D2012-1326) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 佐々木 朝康 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 原田 雅美
富永 亘
登録日 2013-11-22 
登録番号 意匠登録第1487009号(D1487009) 
代理人 臼井 尚 
代理人 吉田 稔 
代理人 田中 達也 
代理人 仙波 司 
代理人 鈴木 泰光 
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