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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2
管理番号 1282272 
審判番号 不服2012-5127
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-03-19 
確定日 2012-11-26 
意匠に係る物品 自動車用ステアリングホイール 
事件の表示 意願2011- 417「自動車用ステアリングホイール」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願は,2011年(平成23年)1月12日の秘密意匠の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「自動車用ステアリングホイール」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,2006年6月19日に独立行政法人工業所有権情報・研修館が受け入れた,『カースタイリング 2006年7月31日 4号』第65頁に記載された自動車用インストルメントパネルの意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA18008720号。下線は当審が付記。)であって,その形態を,当該写真版に現されたとおりとしたものである。(別紙第2参照)
なお,拒絶理由通知の記載内容を勘案すると,引用意匠に係る物品は,「自動車用インストルメントパネル」ではなく,「自動車用ステアリングホイール」であり,原審の上記記載は,誤記と認め,以後当審においては,これを「自動車用ステアリングホイール」と訂正した上で,比較検討し,判断することとする。

両意匠を対比すると,両意匠は意匠に係る物品が一致しており,その形態においても,
(A)全体は,前面視を略円形とするセンターハブと,センターハブの頂面と略同高で略同心円状のホイールとを,左右及び下方向の3方向に延伸する広幅スポーク(以下,左右に延伸するスポークを「左右スポーク」,下方向に延伸するスポークを「下スポーク」という。)により連結した構成であり,
(B)センターハブは,後背面に奥行きがあり,前面は扁平な略円錐台形状として,その頂面中心を略小円形状にごく浅く凹ませて凹陥部とし,その内周縁に細幅余地部を残して,中央部をごく低い略小円形状凸面区画部とし,
(C)左右スポークは,ホイールからセンターハブ上方後背部に向かって,やや後傾・後退しながら拡幅し,センターハブ上方後背面を斜状に覆って左右一体に連続しており,
(D)下スポークは,ホイールからセンターハブ下方底面に向かって,中央の縦長貫通孔を境として,一対の左右対称の幹状部をそれぞれ拡幅させ,奥行きの厚みを増す,前面視略V字形状であり,センターハブ下方面から左右スポークのセンターハブ寄りの下端部にかけての部位に連結されている点が,主に共通するものである。
しかしながら,
(ア)ホイールと左右スポークについて,
本願意匠は,ホイールと左右スポークの連結部の切り替え線が,連結部下方のホイール内側ラインから連続して,そのまま上方に向かって内側に湾曲する円弧曲線であり,この左右切り替え線を含むホイール内側のラインは,ホイールの下方に内包されたような横長楕円形状を形成し,また,連結部直上にあたるホイールの内側面が,左右それぞれやや抉れた曲面を形成しているのに対して,
引用意匠は,ホイールと左右スポークの連結部の切り替え線は,左右スポークのホイール寄りに位置する,下方から上方に向かってやや内側に傾いた直線状であり,ホイールの周面には,左右スポークとの連結部から上下等間隔に,短円弧状にホイールの円環を切断する切り替え線を形成していて,ホイールは上下の大円弧部と左右の小円弧部とに分割され,また,ホイール内側に抉れた箇所は無い点,
(イ)左右スポークについて,
本願意匠は,ホイールとの連結部からセンターハブとの連結部にかけて拡幅増厚して略倒四角錐台形状を呈し,この部位は,前面はやや後方に傾斜した平坦面,上面手前を細幅切り欠き面とし,上面後方も傾斜した平坦面をなしてセンターハブの上方後背の小面を斜状に覆って,左右が一続きとなっており,下面は略不等辺三角形状の傾斜した平坦面で,後背面がやや膨出した面となっており,また,左スポークの前面やや上方寄りに,小区画集合部が形成されており,この小区画集合部は略上半分が倒台形状,略下半分が2個の縦長矩形を並列させた態様であるのに対して,
引用意匠は,ホイールとの連結部からセンターハブとの連結部にかけて拡幅し,ホイールとの左右の連結部間に,左右スポークの下方略五分の二の位置で,この区間を上下に分割する水平方向の切り替え線(以下,「左右スポーク水平分割線」という。)を設け,この区間の上方は凸円弧状であり(以下,この区画を「左右スポーク上方凸円弧部」という。),左右スポーク水平分割線を稜線として,左右スポーク上方凸円弧部は,その前面は曲率の小さい,上面は曲率の大きい湾曲面をなし,左右中間において,センターハブ上方後背部を斜状にカバーし,そのため,センターハブ前方にカバーされない扁平円錐台形部が露出し,この左右スポーク上方凸円弧部ややホイール寄りには,略小円区画部を2個ずつ,それぞれ上方ラインから等距離の左右対称として配置しており,左右スポーク水平分割線の下方には,下スポークが分岐延伸しており,また,背面は不明である点,
(ウ)下スポークについて,
本願意匠は,前面視略V字形状をなす一対の左右対称の幹状部が,左右スポーク下端に当接する両端部が,センターハブからごく僅かに外側であるにすぎず,左右一対の下方スポークの外形線は前面視で略逆等脚台形状であり,中央の縦長貫通孔の形状も略逆等脚台形状であり,また,左右一対を全体として,前面中央部は平坦面状で,両側端から側部にかけてを湾曲面状とし,背面上方は次第に奥行きを増してセンターハブ下方に接しているのに対して,
引用意匠は,前面視略V字形状をなす一対の左右対称の幹状部が,左右スポーク下端に当接する両端部が,前記ホイールと左右スポークの連結部の切り替え線であり,左右一対の下方スポークの外形線は,左右が上方向に緩やかに拡がる凹円弧曲線で,上端を左右スポーク水平分割線とする,前面視の外形状が略逆富士山形状を呈するものであり,中央の縦長貫通孔の形状は略縦長長方形状であり,左右スポーク上方凸円弧部がセンターハブに接する円弧曲線を左右それぞれ下方向に延伸してなる稜線を境に,この稜線より内側の中央の縦長貫通孔に接する面は,左右それぞれ内側に向かって湾曲面を形成し,稜線より外側の左右スポーク水平分割線までの部位は,外側に向かって湾曲面を形成しながら傾斜した形態であり,背面は不明である点,
(エ)後背面について,
本願意匠は,センターハブ,左右スポーク及び下スポークが一塊となって背面視で略逆等脚台形状を呈し,後背面をセンターハブ前方の頂面と平行面として切り欠き,中心に扁平小円柱状の軸が突出しているのに対して,
引用意匠は,不明である点が,主として相違しているものである。
両意匠を意匠全体として比較するとき,共通点(A)ないし(D)はいずれも両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点に過ぎず,これらの点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を大きいということはできない。
一方,具体的構成態様の相違点,特に相違点(ア)ないし(ウ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。すなわち,相違点(エ)は目に付きにくい後背面に関するものであるから,類否判断に及ぼす影響は小さいが,相違点(ア)ないし(ウ)は,いずれも目に付く部位に関する相違点であり,相違点全体として,本願意匠は,ホイールと左右スポークの連結部切り替え線を含むホイール内側のラインが,ホイールの下方に内包されたような横長楕円形状を形成し,この横長小楕円形状の中で,左右スポークは角張り,下スポークは,外形線は前面視で略逆等脚台形状であり,中央の縦長貫通孔の形状も略逆等脚台形状で,幹状部の拡がりの程度が少なく,また下方スポークから左右スポークにかけての外形線が直線的に屈曲した形態として,他方,引用意匠は,ホイールは上下の大円弧部と左右の小円弧部とに分割されており,ホイールと左右スポークの連結部の切り替え線は,左右スポークのホイール寄りに位置する直線であり,左右スポーク及び下スポークは,上方の緩やかな凸円弧曲線と,下方の左右対称の凹円弧曲線とに囲まれた広い範囲の湾曲面がセンターハブの前方の略扁平円錐台形を,左右及び上方の三方から囲んだ形態として,両意匠の具体的構成態様は,それぞれ両意匠の特徴を形成していて,相違点全体として,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。
両意匠の類否判断において,共通点が及ぼす影響を大きいと言うことはできないのに対し,相違点全体が及ぼす影響は大きく,看者は,本願意匠からは,外側の円と楕円形の中で,3方向のスポークがそれぞれ角張った塊感を持つという印象を受けるのに対して,引用意匠からは,3方向のスポークが広範囲になだらかな湾曲面を形成してセンターハブを取り囲んでいるという印象を受けるのであり,本願意匠と引用意匠それぞれが生み出す美感は大きく異なり,全体として別異の印象を看者に与えているから,両意匠は,意匠全体として類似するということはできない。

したがって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審においてさらに審理した結果,本願意匠について,他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-11-09 
出願番号 意願2011-417(D2011-417) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 川崎 芳孝 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 早川 治子
橘 崇生
登録日 2012-12-28 
登録番号 意匠登録第1460904号(D1460904) 
代理人 小谷 悦司 
代理人 川瀬 幹夫 
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