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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服20136823 審決 意匠
不服20138327 審決 意匠
不服201311477 審決 意匠

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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D0
管理番号 1282288 
審判番号 不服2013-5807
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-01 
確定日 2013-11-29 
意匠に係る物品 可搬式作業台の手摺部材 
事件の表示 意願2012- 9993「可搬式作業台の手摺部材」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成24年(2012年)4月27日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,本願の願書の記載によれば,意匠に係る物品を「可搬式作業台の手摺部材」とし,形態を,願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に現されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,同法同条同項柱書の規定により意匠登録を受けることができない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,日本国特許庁発行の意匠公報(意匠公報発行日:平成18(2006年)1月23日)に記載された意匠登録第1260566号(意匠に係る物品,手摺)の意匠(以下「引用意匠」という。)であり,引用意匠の形態は,同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

第3 本願意匠と引用意匠の対比
1.意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「可搬式作業台の手摺部材」であり,本願の願書の記載によれば,作業台の天板の縁にそって立設するものである。一方,引用意匠の意匠に係る物品は「手摺」であって,引用意匠の意匠公報の記載によれば,可搬式作業台の天板側部長手方向に設置できる手摺である。したがって,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

2.形態
本願意匠と引用意匠の形態を対比すると,両意匠の形態には,主として,以下の共通点と差異点が認められる。
(1)共通点
両意匠は,基本的構成態様として,以下の共通点が認められる。
(A)基本的構成態様について
全体が,左右二本の支柱と,水平な上桟と幅木から成る枠状のものであって,上桟は支柱の上端に接合され,幅木は支柱の下端寄りに接合されており,上桟と幅木の間に二つの縦桟が配されている。
また,両意匠は,具体的態様として,以下の共通点が認められる。
(B)各部の構成及び形状について
左側支柱と左側縦桟の間隔,二つの縦桟の間隔及び右側縦桟と右側支柱の間隔は,ほぼ同じである。また,左右の支柱と上桟は略同径の角柱であり,幅木は断面略縦長の角柱である。縦桟は,支柱や上桟よりも径が小さい角柱である。
(C)結合金具について
左右の支柱の下端寄りに二つの結合金具が設けられている。上側の結合金具は側面視L字状であり,下側の結合金具は支柱の最下端部周囲を取り巻き,かつ前方に張り出して先端部が斜め上方に屈曲している。

(2)差異点
一方,両意匠は,具体的態様として,以下の差異点が認められる。
(ア)手摺棒の有無について
本願意匠では,上桟の上面略右半分に手摺棒が配されており,該手摺棒は細い丸棒状であって,左端寄りに略倒コ字状の屈曲部が形成されている。これに対して,引用意匠では,そのような手摺棒はない。
(イ)上桟上面の孔部について
本願意匠では,上桟上面に三つの孔部が形成されており,一つは上桟上面の左端寄りに,他の二つは,手摺棒の左右端部に位置する箇所にある。本願の願書の記載によれば,手摺棒の端部には直角折り曲げ部が形成されており,当部が後者二つの孔部に差し入れられている。そして,本願意匠の意匠に係る物品を可搬式作業台の天板に相対向するように並ばせ,片側の物品の手摺棒の直角折り曲げ部を他方の物品の上桟上面の孔部に差し替えることにより,可搬式作業台の短手方向の手摺となるようにしている。これに対して,引用意匠では,上桟上面にそのような孔部はない。
(ウ)支柱と上桟の構成について
本願意匠では,上桟の左右端部は支柱の左右端面よりもわずかに左右に張り出している程度であるが,引用意匠では,張り出しの程度が本願意匠よりも大きい。
(エ)台座金具の形状について
本願意匠では,縦桟の下端面に接する台座金具が,幅木の上面にのみ設置されているが,引用意匠では,台座金具の前端が幅木の正面前方に少し垂れ下がっている。

第4 本願意匠と引用意匠の類否判断
1.意匠に係る物品
本願意匠と引用意匠は,共に可搬式作業台の天板の縁に設置する手摺であるから,意匠に係る物品が共通する。

2.共通点の評価
前記認定した両意匠の共通点は,いずれも,両意匠の形状を概括的に捉えた場合の共通点であり,可搬式作業台の手摺の形状として,他の意匠にも見られる形状でもあるので,この共通点が両意匠全体の類否判断に決定的な影響を及ぼすということはできない。

3.差異点の評価
一方,前記認定した差異点については,以下のとおり,両意匠全体の類否判断に大きな影響を及ぼすといわざるを得ない。
先ず,差異点(ア)については,両意匠を平面方向及び斜視方向から比較した際に,手摺棒の有無は明らかに判別できるものである。そして,本願意匠の手摺棒は本願意匠の上面の右半部という広い範囲に亘って配されているので,手摺棒の形状に対して看者は略倒コ字状の屈曲部の存在も含めて仔細に観察することが可能である。引用意匠にはそのような手摺棒がないことから,両意匠における手摺棒の有無の差異は,可搬式作業台の手摺部材について詳細に観察する看者の視覚的注意を強く惹くものであり,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすということができる。
次に,差異点(イ)については,本願意匠の上面の三箇所に設けられた孔部が引用意匠にはない,という差異であって,可搬式作業台の手摺部材においては,上面という目につきやすい部位に関する差異であるということができる。すなわち,「手摺」の意匠が,看者の腰から胸までの高さを有するものであるところ,看者は両手で持って意匠を観察することができるので,両意匠の上面に設けられた孔部の有無について,看者は詳細に把握できるからである。したがって,孔部の存在の有無の差異は,上記(ア)の差異と相まって,両意匠の視覚的印象を異にするものであり,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものといえる。
そして,差異点(ウ)については,その差異が正面方向からはっきりと看取されるものであって両意匠の視覚的印象に変化を与えており,また,差異点(エ)についても,本願意匠に見られる台座金具の垂れ下がりが,本願意匠の幅木上面正面視態様にアクセントを与えているといえることから,いずれも両意匠の類否判断に一定程度の影響を及ぼすといえる。
そうすると,(ア)及び(イ)の差異点は,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものであり,(ウ)及び(エ)の差異点と相まって,形態全体について異なる美感を看者に与えることから,両意匠の差異点は共通点を凌駕するものであるということができる。

4.小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,形態においては,共通点が未だ両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して,差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第5 むすび
以上のとおり,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似するとして意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条同項柱書の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-10-31 
出願番号 意願2012-9993(D2012-9993) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D0)
最終処分 成立 
前審関与審査官 内藤 弘樹 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 原田 雅美
富永 亘
登録日 2013-12-27 
登録番号 意匠登録第1489145号(D1489145) 
代理人 久保 司 
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