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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服20138596 審決 意匠
不服20136823 審決 意匠
不服201311693 審決 意匠
不服20137592 審決 意匠

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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E2
管理番号 1283199 
審判番号 不服2013-8327
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-05-08 
確定日 2013-12-13 
意匠に係る物品 トレーディングカード用金属製カード 
事件の表示 意願2011- 20761「トレーディングカード用金属製カード」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成23年(2011年)7月21日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成23年(2011年)9月13日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「トレーディングカード用金属製カード」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,日本国特許庁が,本願出願前,平成10年(1998年)2月10日に発行した公開特許公報に記載された,特許出願公開番号特開平10-35148号(発明の名称,薄板金属から作られた情報カード及びその製作方法)の第1図ないし第8図によって表された,金属製カードの意匠であって,その形態は,上記の図に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠に係る物品は「トレーディングカード用金属製カード」であり,引用意匠に係る物品は「金属製カード」であって,表記は異なるが,本願意匠の願書の記載及び引用意匠に係る文献の記載等を総合して判断すれば,いずれもその表面に文字や像を表す金属製カードであるので,両意匠に係る物品は共通する。

(2)意匠の形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
なお,対比のため,以下においては,本願意匠の平面図側の面及び引用意匠の正面図側の面を「おもて面」といい,本願意匠の底面図側の面及び引用意匠の背面図側の面を「裏面」という。

(i)共通点
(A)全体について,略長方形の板状体であって,その四辺には板を折り曲げて形成された枠部(以下,単に「枠部」という。)が設けられている点
(B)裏面について,枠部と中央の平坦部との間に溝が設けられている点
(C)枠部について
(C-1)枠の外周部分の断面形状が,半円形の曲面に形成されている点
(C-2)四隅の外縁が平面視において1/4円弧状に形成されている点

(ii)相違点
(ア)厚さについて,本願意匠は,おもて面及び裏面における中央の平坦部(以下,「中央平坦部」という。)が枠部とほぼ同じ厚さであるのに対し,引用意匠は,中央平坦部が枠部の厚さのほぼ半分であり,おもて面及び裏面の中央平坦部が枠部よりも凹んでいる点
(イ)おもて面について,本願意匠は,枠部と中央平坦部との間に溝があるのに対し,引用意匠は同部に溝がなく段差がある点
(ウ)裏面について,枠部と中央平坦部との間に設けられた溝が,本願意匠は,枠部の幅と同程度の幅かつ枠部の厚さと同程度の深さであって広く深いのに対し,引用意匠は枠部の幅の約1/5の幅かつ枠部の厚さの約1/2の深さであって狭く浅い点
(エ)枠部について,本願意匠は,枠部の四隅が大径の1/4円弧状であるのに対し,引用意匠は,枠部の四隅の外縁が小径の1/4円弧状で,内縁が直角である点

2.両意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響を評価し,意匠全体としての両意匠の類否について検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,形態については,以下のとおりである。

(1)共通点の評価
共通点(A)及び(B)については,概括的であり,また,いずれも表面に文字や像を表す金属製カード(以下,「同種の物品」という。)において本願出願前から見られるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は小さいといえる。
共通点(C-1)及び(C-2)についても,いずれも同種の物品において本願出願前から見られるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は小さいといえる。
そして,これらの影響を総合したとしても,共通点が両意匠の類否判断に与える影響は小さいといえる。

(2)相違点の評価
両意匠に係る物品が,一般的に長方形の板状体で,文字や像が現されるために中央部が平坦なものであることから,この中で造形が可能な範囲は狭く,また,需要者の手に取って観察されるものであって,需要者には細部まで観察されるものであると考えられるところ,
相違点(ア)については,両意匠の骨格に関わるものであり,視覚的に大きく異なる印象を与えるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。
相違点(イ)については,需要者によってよく観察されるカードのおもて面の相違であり,また,溝であるか段差であるかの相違は視覚的に大きく異なる印象を与えるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。
相違点(ウ)については,本物品が裏面にも情報を記載することができるものであることから,裏面もまた観察される部位であり,その裏面における溝の幅と深さの相違の程度は大きく,視覚的に大きく異なる印象を与えるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。
相違点(エ)については,全体の中では小さな部位に係り,また,枠部の四隅の外縁を円弧とする態様は本願出願前から見られるものの,本願意匠と引用意匠の円弧の径には一定程度の相違があり,また,枠部の四隅の内縁が円弧であるか直角であるかの相違は外縁の円弧と相まって,カードの四隅が枠部によって丸く縁取られているか否かの相違となっており,視覚的に異なる印象を与えるから,両意匠の類否判断に一定程度の影響を及ぼすといえる。
そして,これらの影響を総合すると,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品については共通するが,形態については,相違点が両意匠の類否判断に与える影響が共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-12-02 
出願番号 意願2011-20761(D2011-20761) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (E2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木本 直美 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
中田 博康
登録日 2014-01-10 
登録番号 意匠登録第1489698号(D1489698) 
代理人 矢口 太郎 
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