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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20138327 審決 意匠
不服20138596 審決 意匠
不服20136823 審決 意匠
不服201311693 審決 意匠
不服20137592 審決 意匠

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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K8
管理番号 1284203 
審判番号 不服2013-11408
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-18 
確定日 2014-01-28 
意匠に係る物品 給湯用タンク 
事件の表示 意願2011- 19072「給湯用タンク」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本件審判請求に係る意匠登録出願は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり,平成23年(2011年)8月23日に出願され,意願2011-19071の意匠を本意匠とする関連意匠の出願とされたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「給湯用タンク」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」ともいう。)を,願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとし,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願について部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠の請求部分」という)。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願の出願前の平成19年(2007年)5月14日に日本国特許庁が発行した意匠公報に記載された,意匠登録第1300668号(意匠に係る物品,給湯用タンク)の意匠の本体部分(当審注:給湯用タンクから脚部,配管接続部,正面の点検用窓の蓋部及び背面上部の二重の横長長方形部を除いた部分)の意匠(以下,「引用意匠の相当部分」という。)であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の対比

(1)意匠に係る物品
両意匠に係る物品は,「給湯用タンク」であって,一致する。

(2)本願意匠の請求部分及び引用意匠の相当部分(以下,「両部分」という。)の用途及び機能並びに位置,範囲及び大きさ
両部分の用途及び機能は,いずれも給湯用タンクの本体であって,一致する。
両部分の位置は,脚部の上方であって,一致する。
両部分の範囲及び大きさは,正面下部の段の位置の相違に伴う本体の大きさの相違等により,一致しないが,いずれも両意匠の属する分野においてありふれた範囲内のものである。

(3)両部分の形態
両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(i)共通点
(A)基本形状は,縦長の略直方体である点
(B)正面は,下方に全幅にわたる段が形成され,その段の下方が一段奥まった鉛直面であり,段の上方が鉛直面である点
(C)正面における段の上方のパネル(以下,「正面上方パネル」という。)は,左右側面側の端で後方に屈曲して,左右側面パネルと接合している点
(D)左右側面パネルは,背面側の端で内方に直角に屈曲して,背面パネルと接合している点
(E)天板は,正面,背面及び左右側面側の端で下方に直角に屈曲して,正面パネル,背面パネル及び左右側面パネルと接合している点
(F)正面上部左右角部は,保護カバーで覆われている点

(ii)相違点
(ア)正面の段について,本願意匠は,本体の約1/4の高さに段が設けられているのに対し,引用意匠は,本体の約1/9の高さに段が設けられている点
(イ)正面上方パネルについて,(イ-1)本願意匠は,分割のない一枚板であるのに対し,引用意匠は,正面上方パネルの高さ中央よりやや上の位置で上下二つに分割されている点,(イ-2)本願意匠は,左右端の屈曲部が小さな丸面の面取り形状であるのに対し,引用意匠は,同部が直角に屈曲した形状である点
(ウ)正面上部左右角部の保護カバーについて,本願意匠は,一辺の長さが給湯用タンク本体の幅の約1/16であり,天板より厚さの分だけわずかに突出し,正面から側面にかけて丸面の面取り形状とされているのに対し,引用意匠は,一辺の長さが給湯タンク用本体の幅の約1/14であり,天板より厚さの分だけ突出し,かつ,天板の屈曲した面の下辺より下方にも突出し,正面から側面にかけて直角に屈曲した形状とされている点


2.両意匠の類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,両意匠の意匠全体としての類否について検討し,判断する。

(1)意匠に係る物品
両意匠に係る物品は一致しており,両意匠の類似の条件を満たしている。

(2)両部分の用途及び機能並びに位置,範囲及び大きさ
両部分の用途及び機能並びに位置は一致し,範囲及び大きさはいずれも両意匠の属する分野においてありふれた範囲内のものであって,両部分の用途及び機能並びに位置,範囲及び大きさはいずれも両意匠の類似の条件を満たしている。

(3)両部分の形態
(i)共通点の評価
共通点(A)ないし(E)は,いずれも本願の出願前から見られるありふれた態様であるから,各共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は小さいといえる。
共通点(F)は,全体の中では体積的に小さな部分にすぎないから,両部分の類否判断に及ぼす影響は小さいといえる。
そして,これらの影響を総合したとしても,共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は小さいといえる。

(ii)相違点の評価
相違点(ア)については,配管接続時や設置された状態において見えやすい部位に係り,また,段の位置の相違の程度が大きく,さらに,本願意匠の段の位置は本願の出願前には見られない高い位置にあって,相違点(ア)は需要者の注意を引くから,両部分の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。
相違点(イ-1)については,給湯用タンクにおいて,正面上方パネルが分割されていないものはありふれているが,面積的に広い部分に係り,また,鉛直面という単純な構成の中での相違であるから,両部分の類否判断に一定程度の影響を及ぼすといえる。
相違点(イ-2)については,本願の出願前から種々の物品において見られるごくありふれた面取り形状の有無にすぎず,また丸面の大きさについても小さなものにすぎないから,両部分の類否判断に及ぼす影響は小さいといえる。
相違点(ウ)については,保護カバーの大きさ,突出の程度,角の丸みの有無に相違はあるが,保護カバーは全体の中では体積的に小さな部分にすぎないから,両部分の類否判断に及ぼす影響は小さいといえる。
そして,これらの影響を総合すると,相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。

(4)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品については一致し,両部分の用途及び機能並びに位置についても一致し,両部分の大きさ及び範囲については給湯用タンクにおいてありふれた範囲内のものといえるが,両部分の形態については,相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響が共通点のそれを凌駕しており,両部分の形態を全体として見た場合,視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。


第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-01-15 
出願番号 意願2011-19072(D2011-19072) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (K8)
最終処分 成立 
前審関与審査官 原田 雅美 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
中田 博康
登録日 2014-02-07 
登録番号 意匠登録第1491983号(D1491983) 
代理人 高橋 知之 
代理人 牛木 護 
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