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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20137764 | 審決 | 意匠 |
不服20139066 | 審決 | 意匠 |
不服201311664 | 審決 | 意匠 |
不服201311667 | 審決 | 意匠 |
不服201312378 | 審決 | 意匠 |
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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 K8 |
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管理番号 | 1284204 |
審判番号 | 不服2013-11407 |
総通号数 | 171 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2014-03-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-06-18 |
確定日 | 2014-01-28 |
意匠に係る物品 | 給湯用タンク |
事件の表示 | 意願2011- 19071「給湯用タンク」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本件審判請求に係る意匠登録出願は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり,平成23年(2011年)8月23日に出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「給湯用タンク」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」ともいう。)を,願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとし,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願について部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠の請求部分」という)。(別紙第1参照) 第2 原査定における拒絶の理由 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には以下のとおりである。 「給湯用タンクにおいて,全体を縦長直方体形状とし,正面側下方を段落ち状に切り欠いて当該部下面に給排水等の接続金具部を多数配置したものが,本願意匠の出願前に公然知られています【意匠1】。 本願意匠の意匠登録を受けようとする部分の意匠は,【意匠1】の意匠に基づき,当業者にとってありふれた手法を用いて段落ち部分を全高の略3分の1の高さに形成したまでのものにすぎませんから,きわめて容易に意匠の創作をすることができたものと認められます。 【意匠1】 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第1300668号の意匠 「給湯用タンク」の本体部分の意匠」 (当審注:「意匠1」を当審においては「引用意匠」という。別紙第2参照) 第3 当審の判断 本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,すなわち,本願意匠はこの意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」ともいう。)が容易に創作することができたものであるか否かについて検討する。 1.本願意匠 本願意匠に係る物品は,「給湯用タンク」である。 本願意匠は,給湯用タンクから脚部,配管接続部,正面の点検用窓の蓋部及び背面上部の二重の横長長方形部を除いた部分を「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」(本願意匠の請求部分)とする意匠である。 本願意匠の請求部分の形態については,(A)基本形状を縦長の略直方体とし,(B)正面において,給湯用タンク本体の約1/3の高さに全幅にわたる段を形成し,その段の下方を一段奥まった鉛直面とし,段の上方を分割のない一枚板の鉛直面とし,(C)正面における段の上方のパネル(以下,「正面上方パネル」という。)を左右側面側の端で後方に屈曲させて左右側面パネルと接合させ,(D)正面上方パネルの左右の屈曲部を小さな丸面の面取り形状とし,(E)左右側面パネルを背面側の端で内方に屈曲させて背面パネルと接合させ,(F)天板を正面,背面及び左右側面側の端で下方に屈曲させて正面パネル,背面パネル及び左右側面パネルと接合させ,(G)正面上部左右角部に保護カバーを設け,その保護カバーの形状を天板より厚さの分だけわずかに突出し,正面視及び左右側面視で正方形で,平面視では角に当たる位置が丸くなっている略正方形に現れる形状としたものである。 2.創作非容易性の判断 本願意匠の請求部分の(A)基本形状,(C)正面上方パネルと左右側面パネルとの接合部の形状,(E)左右側面パネルと背面パネルとの接合部の形状及び(F)天板の形状については,本願出願前に公然知られた引用意匠に見られることから,当業者が容易に創作することができたといえる。 本願意匠の請求部分の(B)正面の形状について,正面上方パネルを分割のない一枚板の鉛直面とすることについては,給湯用タンクにおいて,本願出願前からありふれているから,当業者が容易に創作することができたといえるが,段の位置については,本願出願前に公然知られた段の位置はこれより低いものばかりであって,本願意匠の請求部分の段の位置は,従来の段の位置の範囲の中になく,かつ,従来とは一定程度の相違がある位置であるから,当業者が容易に創作することができたとはいえない。 本願意匠の請求部分の(D)正面上方パネルの左右の屈曲部の丸面については,本願出願前から種々の物品において見られるごくありふれた面取り形状に過ぎないから,当業者が容易に創作することができたといえる。 本願意匠の請求部分の(G)正面上部左右角部の保護カバーについては,この位置に保護カバーを設けることは引用意匠に見られるし,その形状は引用意匠の保護カバーを覆われる角の形状に合わせて正面から側面にかけて丸面に変更し,大きさを小さく,厚さを薄くしたに過ぎないから,形状についても当業者が容易に創作することができたといえる。 そうすると,本願意匠の請求部分には,当業者が容易に創作することができたものとはいえない要素があり,本願意匠は当業者が容易に創作することができたものとはいえない。 第4 むすび 以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2014-01-15 |
出願番号 | 意願2011-19071(D2011-19071) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(K8)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 原田 雅美 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
中田 博康 江塚 尚弘 |
登録日 | 2014-02-07 |
登録番号 | 意匠登録第1491982号(D1491982) |
代理人 | 牛木 護 |
代理人 | 高橋 知之 |