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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1285473 
審判番号 不服2013-18629
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-09-26 
確定日 2014-03-03 
意匠に係る物品 包装用容器のふた 
事件の表示 意願2012-24945「包装用容器のふた」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成24年(2012年)10月15日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「包装用容器のふた」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁発行の意匠公報に記載の意匠登録第1305805号「包装用容器」の意匠のうち容器本体を除いた,くし付き蓋の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)両意匠の共通点
本願意匠と引用意匠を対比すると,意匠に係る物品は,本願意匠は,「包装用容器のふた」と記載され,引用意匠は,「『包装用容器』の意匠のうち容器本体を除いた,くし付き蓋の意匠」と記載されており,共に包装用容器の上端に取り付ける,くし付きのふたであるから,実質同一である。
そして,その形態は,包装用容器につながるスクリューキャップである偏平(へんぺい)な略円柱状の蓋部と,平面視で略横長長方形状(中央部分が前後に僅かに膨出している細長たる型)の基板に,複数のくしの歯を3列に配したくし部から成り,当該くし部の歯は,真ん中列には,先端に横穴を設けた,扁平な爪片形状の歯を左右に多数並べ,その前後に,先端を丸くした棒状の歯を左右に多数並べた態様である,点で共通する。

(2)両意匠の相違点
それに対して,具体的構成態様において,(A)くし部基板の形状につき,本願意匠は,薄い板状であるのに対して,引用意匠は,扁平な箱状である点,(B)くし部基板上面の形状につき,本願意匠は,おおむね平面で,側面視において中央部分のみが僅かな高さで円弧状に突出しているのに対して,引用意匠は,側面視において基板幅一杯に大きく略円弧状に突出している点,(C)真ん中列左右端のくしの歯における形状につき,本願意匠は,真ん中列の歯は全て同じ形態の歯であって,左右端の歯のみを異なる形態にする,ということをしていないのに対して,引用意匠は,左右それぞれ外側に湾曲した歯を1本ずつ設けている点,(D)棒状の歯の高さにつき,本願意匠は,爪片形状の歯の約4分の3の高さまであるのに対して,引用意匠は,爪片形状の歯の半分弱の高さしかない点,(E)爪片形状の歯とその前後の棒状の歯の,左右間隔につき,本願意匠は,歯の太さほどの間隔を開けて配置しているのに対して,引用意匠は,間隔を空けずに詰めて配置している点,において主な相違点が認められる。

(3)類否判断
本願の意匠に係る物品分野においては,需要者は,使用する際に染毛剤の出方や染毛剤の塗布具合,及び頭髪のすき具合などの使い勝手の良さを気にするため,頭部に直接触れる部分であるくし部の態様が意匠の要部と考えられるところ,本願意匠と引用意匠を比較した場合,共通点は,両意匠の形態全体の骨格的な態様をなし,一定程度の共通する印象を与えると言えるが,この共通性のみをもって両意匠の類否判断を決定するものとすることはできない。
これに対して,具体的態様である相違点(A)は,くし部基板を目の高さにし,水平方向から見た場合に気付く差異ではあるが,通常の使用状態の,くし部を見下ろした場合は,余り目に付く部分ではなく,両意匠の類否判断に与える影響は大きくない。また,相違点(B)は,多数設けたくしの歯の付け根に当たる部分であって通常の使用状態では見えにくいところであり,水平方向側面視の場合に気付く態様の差であるが,引用意匠の棒状の歯の付け根に着目すると,その付け根は上向き円弧状に並んで見えるため,両意匠の類否判断における影響は,一定程度認められる。そして,この両相違点(A)と(B)が相まって,くし部基板が薄いものであるのか,分厚いものであるのかとの認識の相違が生じるため,この相違点は,両意匠の類否判断においては,一定程度の影響を与えるものと認められる。次に,相違点(C)ないし(E)については,染毛剤の出方や塗布具合及び頭髪のすき具合など,使用感につながる視覚的な印象を異ならしめると言え,これら相違点が両意匠の類否判断に与える影響は大きいと認められる。
以上のとおりであって,相違点がもたらす印象は,前記共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品は一致しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-02-17 
出願番号 意願2012-24945(D2012-24945) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 正田 毅 
特許庁審判長 原田 雅美
特許庁審判官 橘 崇生
江塚 尚弘
登録日 2014-03-28 
登録番号 意匠登録第1495889号(D1495889) 
代理人 前田 大輔 
代理人 中村 知公 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 小西 富雅 
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