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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J7
管理番号 1286498 
審判番号 不服2013-17510
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-09-10 
確定日 2014-03-18 
意匠に係る物品 貼り薬 
事件の表示 意願2012- 24428「貼り薬」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとし,意匠法第4条第2項の適用を受けようとする,平成24年(2012年)10月5日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「貼り薬」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」ともいう。)は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「一点鎖線で囲まれた部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分の境界のみを示す線である。」(以下,本願において,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとするものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,日本国特許庁発行の意匠公報(意匠公報発行日:平成12年(2000年)11月13日)に記載された意匠登録第1090483号(意匠に係る物品,貼付剤用剥離フィルム)の一方の余白部端寄りに施された使用方法を示す図の部分の意匠(以下,「引用相当部分」という。)であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 両意匠の対比
1.意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「貼り薬」であって,基材及び膏薬からなる貼り薬と,膏薬面を保護する剥離フィルムからなる意匠であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「貼付剤用剥離フィルム」の意匠であることから,両意匠の意匠に係る物品は,一致するといえないし,類似であるということもできない。

2.本願部分及び引用相当部分(以下,「両意匠部分」という。)の用途及び機能
両意匠部分は,貼り薬の膏薬面を保護する剥離フィルムの使用方法を示す模様を含む部分であって,その用途及び機能は共通する。

3.両意匠部分の位置,大きさ,及び範囲
本願部分は,貼り薬の膏薬面左右に配された,略縦長長方形の剥離フィルム2枚からなるフィルムのうち,左側の剥離フィルム表面の左方寄り略縦長長方形部分であるのに対し,引用相当部分は,略横長長方形の剥離フィルムの表面の左方寄りに表される略縦長長方形部分であって,両意匠部分の位置,大きさ,及び範囲は同一とはいえないし,当該意匠の属する分野においてありふれた範囲内であるともいえない。

4.両意匠部分の形態
両意匠部分の形態を対比すると,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。

なお,両意匠を対比するため,引用意匠を本願意匠の向きに揃えたものとして,以下,それぞれの形態を認定した上で,対比する。

(1)共通点
まず,共通点として,両意匠部分は,正面視縦長長方形であって,縦方向に四つの模様が並んでおり,それぞれの模様には,使用方法の手順を示すために,人体の一部や貼り薬,また,模様によっては矢印が表されている点,が認められる。

(2)相違点
他方,両意匠には以下のような相違点がある。

(A)模様について
本願部分に表される具体的な模様は,正面視上から順に,
(あ)剥離フィルム付きの貼り薬及び両手の輪郭線を示して,左手で剥離フィルム付き貼り薬の左側を持ち中央付近を右上向きに湾曲させ,右手は右側の剥離フィルムの左端部を持ち右方に向く矢印の方向にフィルムを剥離しようとしている模様,
(い)剥離フィルム付きの貼り薬及び鼻から左肩部までの輪郭線を示して,左肩に剥離フィルム付き貼り薬を乗せ,片手で剥離フィルム中央側端部を持ち左上に向く矢印の方向に剥離フィルムを剥離しようとしている模様,
(う)剥離フィルム付きの貼り薬及び両手の輪郭線を示して,両手で剥離フィルム付き貼り薬の左右端部を持ち,左右に向く矢印の方向に貼り薬を引っ張っている模様,
(え)貼り薬及び左脚の輪郭線を示して,両手で貼り薬の左右端部を持ち膝上に貼り付けようとしている模様,
であるのに対して,引用相当部分に表される具体的な模様は,正面視上から順に,
(ア)剥離フィルム付きの貼り薬及び右手の輪郭線を示して,中央付近で右下向きに湾曲する剥離フィルム付き貼り薬の剥離フィルムを右手で剥離しようとしている模様,
(イ)剥離フィルム付きの貼り薬及び首から上腕部までの輪郭線を示して,左肩に乗った剥離フィルム付き貼り薬を乗せ,剥離フィルムの剥離方向を矢印でしめしている模様,
の2図を下方に繰り返して表している。

(B)模様の構成について
本願部分は,(あ)と(い)の模様及び(う)と(え)の模様によって2通りの使用方法を表して構成しているのに対して,引用相当部分は,(ア)と(イ)の模様による1通りの使用方法を上下に2回繰り返して構成している。

(C)模様の配置について
本願部分は,四つの模様のうち,上二つと下二つとの間に,略模様二つ分以上の間隔を空けているのに対して,引用相当部分は,模様一つ分弱の間隔を空けている。

第4 両意匠の類否判断
まず,両意匠は,意匠に係る物品が一致するとはいえないし,類似物品であるということもできない。また,両意匠部分の用途及び機能は共通するが,位置,大きさ,及び範囲については同一とはいえないし,当該意匠の属する分野においてありふれた範囲内であるともいえない。
次に,念のため形態についても検討すると,両意匠部分の共通点は,この種物品分野では多数見受けられ,特段特徴あるものではないから,類否判断に及ぼす影響は小さい。一方,本願部分の模様は,フィルムをめくり剥がして肩に貼る方法と,フィルムを引っ張っり剥がして膝に貼る方法との,二種類の使用方法を伝える内容であるのに対して,引用相当部分の模様は,フィルムをめくり剥がして肩に貼る方法を伝える内容であって,使用者に伝わる伝達内容は大きく異なり,それが形態に異なる点として現れており,かつ,その部分は看者が注意して観察する部分であるから,両意匠部分の類否判断に及ぼす影響が大きいものといえ,また,模様の構成及び配置についても,相違点に係る態様から生じる視覚的効果が,両意匠の類否判断に及ぼす影響が大きいものといえる。

以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品が異なり,両意匠部分の位置,大きさ,及び範囲が異なるので,類似しない。
また,その形態についても,両意匠部分の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が類否判断に与える影響は大きく,両意匠部分は類似するということはできない。
したがって,本願意匠と引用意匠とは類似しないものと認められる。

第5 むすび
したがって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条同項柱書によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-03-04 
出願番号 意願2012-24428(D2012-24428) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 生亀 照恵 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 富永 亘
橘 崇生
登録日 2014-04-04 
登録番号 意匠登録第1496546号(D1496546) 
代理人 正林 真之 
代理人 正林 真之 
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