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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B1 |
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管理番号 | 1289633 |
審判番号 | 不服2013-22614 |
総通号数 | 176 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2014-08-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-11-19 |
確定日 | 2014-06-02 |
意匠に係る物品 | パンツ |
事件の表示 | 意願2012- 23738「パンツ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,平成24年(2012年)9月28日付けの意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「パンツ」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである。(別紙第1参照) 第2 原査定の拒絶の理由及び引用意匠 原審における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとするものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,特許庁意匠課が2003年12月26日に受け入れた,外国カタログ「Where to find America’s BEST long underwear? You’re getting WARM...」 第53頁所載 パンツの意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照) 第3 当審の判断 1.両意匠の対比 (1)意匠に係る物品について 両意匠の意匠に係る物品は,共に「パンツ」であって,同一である。 (2)両意匠の形態について 両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。 (2-1)両意匠の共通点 両意匠は,腰回りを固定するベルト部と,前身頃及び後身頃で構成された生地部からなる基本的構成態様において共通している。 (2-2)両意匠の相違点 それに対して,次の具体的構成態様において,両意匠は相違している。 (a)前身頃の態様について,本願意匠は,正面図において,ベルト部と繋がる前身頃上辺と股下部の前身頃下辺との長さを比較した場合,僅かに上辺が長い構造となっており,着用した際に股下部に前身頃下辺が凝縮し,着用時には前身頃に余裕を持たせた状態となるように,前身頃は下辺が上辺と同程度の長さを有する略矩形状からなる態様としているのに対して,引用意匠は,着用時には前身頃には余裕はなく,体にフィットした着用状態となるように,前身頃上辺が本願意匠と比べて短く,股下部に向けて大腿部内側を沿うように形成している点。 (b)後身頃の態様について,本願意匠は,着用した際に股下部に後身頃下辺が凝縮し,着用時には後身頃に余裕を持たせた状態となるように,背面視において,後身頃上辺が後身頃下辺より,約1.5倍ほど長く,後身頃の上辺から下辺へと緩やかに弧を描くような左右両辺で構成された,略倒立台形状からなる態様としているのに対して,引用意匠は,着用時には後身頃が体にフィットした状態となり,一方で上辺の端部が体側部中心付近まで達するほど,本願意匠と比べて後身頃上辺が長くなるように形成している点。 2.類否判断 以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。 まず,共通点については,ベルト部と生地部からなるパンツは,従来から存在するものであるから,両意匠にのみ共通する特徴的な態様とは言えず,両意匠の類否判断に与える影響は軽微なものであり,両意匠の類否判断を決定づけるまでには至らないものである。 これに対して,相違点(a)前身頃の態様については,本願意匠の前身頃は引用意匠のものよりも,上辺及び下辺とも長いため,着用時において,本願意匠は余裕のあるゆったりとした印象を与えるものであり,引用意匠の体にフィットした印象とは異なるものであるから,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものである。 次に,相違点(b)後身頃の態様についても,本願意匠は後身頃下辺が長い略倒立台形状に形成することによって,前身頃と同様に,着用時において余裕のある印象になるのに対して,引用意匠は,後身頃上辺のみを長くし,体にフィットするように後身頃を形成した結果,本願意匠とは異なる印象を与えるものであるから,この相違点も両意匠の類否判断に一定程度の影響を与えていると言える。 そして,これらの各相違点に係る態様が相まって生じる視覚的効果は,意匠全体として見た場合,上記共通点を凌ぎ,需要者に別異の美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと言える。 第4 むすび 以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2014-05-19 |
出願番号 | 意願2012-23738(D2012-23738) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(B1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 市村 節子 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
綿貫 浩一 江塚 尚弘 |
登録日 | 2014-07-04 |
登録番号 | 意匠登録第1504136号(D1504136) |
代理人 | 塚原 憲一 |
代理人 | 野間 悠 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |