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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5
管理番号 1291579 
審判番号 不服2013-25698
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-26 
確定日 2014-08-19 
意匠に係る物品 グラス 
事件の表示 意願2012-12628「グラス」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成24年(2012年)5月29日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「グラス」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2006年7月24日に受け入れた,外国雑誌「I.D. The International Design Magazine 5号」の第232ページに記載されている「コップ」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HB18005082号)(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同雑誌に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)を対比すると,意匠に係る物品は,「グラス」と「コップ」であって,表記は異なるが,共に透明なガラス製の飲用容器であるので,共通する。

(2)両意匠の形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(2-1)両意匠の共通点
基本的構成態様においては,(A)全体が有底の,約1:2強の縦長略円筒形状であって,(B)周側面を鉛直方向の断面が極めてゆるやかな略S字状曲線から成る曲面とし,(C)底面の径を,上端の径よりもやや小さくし,(D)正面上部寄りに小さな帯状模様を水平に配し,(E)その略帯状模様上下辺左右端には,三角状の突出部を形成したものである,という点が共通している。

(2-2)両意匠の相違点
それに対して,具体的構成態様において,(ア)周側面の形状について,(ア-1)鉛直方向の断面形状につき,本願意匠は,上側約3分の1が凸円弧状で,下側約3分の2が凹円弧状であるのに対して,引用意匠は,上側約2分の1が凸円弧状で,その下側約4分の1が凹円弧状で,更にその下の約4分の1が僅かに裾広がりの直線状である点,(ア-2)最大直径の位置につき,本願意匠は,上端から約9分の1であるのに対して,引用意匠は,上から約3分の1である点,(ア-3)周側面の形状によるグラスの膨出部につき,本願意匠は,上側約4分の1であるのに対して,引用意匠は,上側約3分の2である点,(イ)周側面上側の模様につき,本願意匠は,横長略帯状模様のみを配しているのに対して,引用意匠は,横長略帯状模様の上に,星形模様を設け,帯状模様の下に,植物模様を設けている点,(ウ)帯状模様について,(ウ-1)三角状突出部につき,本願意匠は,略正三角形状であるのに対し,引用意匠は,横に長いくさび状である点,(ウ-2)左右辺の形状につき,本願意匠は,中央が大きい凸円弧状で,その上下端は極小凹円弧状であるのに対して,引用意匠は,中央が大きい凹円弧状で,その上下端は斜めの直線である点,(エ)底部周側面の形状につき,本願意匠は,周側面下側の凹円弧状のまま曲面を介して底面につながっているのに対して,引用意匠は,周側面を折り曲げて下に向かって広がる張出部を形成した後に底面につながっている点,において主な相違点が認められる。

(3)類否判断
両意匠を比較した場合,共通点は,両意匠の形態全体の骨格的な態様をなし,一定程度の共通する印象を与えると言えるが,この種物品は,普段より目に触れ,手に取って詳細に見られるものであり,また,多種多様な形状のものが実施されていることから,この共通性のみをもって両意匠の類否判断を決定するものとすることはできない。
これに対して,具体的態様である相違点(ア)は,この種物品の全体形状を構成する主要な部分の相違であり,内容量や持ったときの持ちやすさなどを視覚的に表象するものであるから,両意匠の類否判断に大きな影響を与えると考えられる。相違点(イ)は,目に付き易いグラス上部正面の模様の違いであって,両意匠の類否判断における影響は一定程度認められる。
以上のとおりであって,相違点がもたらす印象は,全てを総合するまでもなく,相違点(ア)及び相違点(イ)のみで,前記共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品は共通しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-08-01 
出願番号 意願2012-12628(D2012-12628) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C5)
最終処分 成立 
前審関与審査官 温品 博康小林 裕和 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 橘 崇生
中田 博康
登録日 2014-09-05 
登録番号 意匠登録第1508487号(D1508487) 
復代理人 多田 悦夫 
代理人 磯野 道造 
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