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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C6
管理番号 1292725 
審判番号 不服2014-5833
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-11-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-03-31 
確定日 2014-10-14 
意匠に係る物品 パン焼き機 
事件の表示 意願2013-10684「パン焼き機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成25年(2013年)5月15日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「パン焼き機」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁発行の意匠公報に記載の,意匠登録第1323568号(意匠に係る物品,パン焼き器)の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)を対比すると,意匠に係る物品は,願書の記載内容等によると,本願意匠が「パン焼き機」であって,引用意匠が「パン焼き器」であり,漢字による表記は異なるが,実質は,一致する。

(2)両意匠の形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(2-1)両意匠の共通点
基本的構成態様においては,
(A)本体,蓋及びハンドルから成るものであって,全体が,略縦長直方体である点,
(B)全体の高さの,上側約4分の1を本体上部とし,下側約4分の3を本体部とした点,
(C)全体の高さの約4分の1を占める厚い本体上部は,厚い操作部と厚い蓋から成り,手前側(正面側)約4分の1を操作部とし,その余を蓋部としている点,
(D)操作部上面略全面には,中央に表示部を設けた,手前を角丸にした略横長長方形状の操作面がある点,
具体的構成態様においては,
(E)本体部の高さと奥行きの比率が,約1:1で,横幅はそれよりもやや狭い態様であり,平面視において縦長角丸長方形で,下に向かって僅かに小さくなっている点,
(F)操作面の中央に配した横長長方形の大きな表示部のすぐ右側及び左側に,対称に横長長方形のボタンを縦に3個ずつ配置し,その群の更に右側には2個のボタンを縦に並べ,左側には1個のボタンを配置した点,
(G)蓋の左右側面前端側(手前側)には,水平方向板状の小突起を設けている点,
(H)ハンドルは,角丸状の略「コ」字状である点,
で主に共通している。

(2-2)両意匠の相違点
それに対して,具体的構成態様において,(ア)(操作部上面及び蓋上面から成る)本体上部上面の側面視形状について,本願意匠は,後端において大きな曲線で立ち上がり,その点を頂点として,(操作面を含む)前端までなだらかな傾斜面としているのに対して,引用意匠は,中央が最も高くなった緩やかな円弧状で,前後に対称になっている点,(イ)本体上部上面の周縁の態様について,本願意匠は,左右後端角部より立ち上がって,頂点の左右角部を走り,手前縁部を回って設けた角面取り状の細帯状部があるのに対して,引用意匠は,正面図,背面図及び左右側面図からして,四周を囲んで平面視で「ロ」字状に,丸面取り状に造形処理をしている点,(ウ)蓋の開放操作部の有無について,本願意匠は,何ら設けていないのに対して,引用意匠は,蓋の上面において前端中央に陥没部を持った開放操作部を設けている点,(エ)蓋の左右側面に設けた板状突起の平面形状につき,本願意匠は,長円を4分割したような略扇形であるのに対して,引用意匠は略半円弧形である点,(オ)背面の態様について,本願意匠は,本体上部下端に段差を設けてハンドル載置部としているのに対して,引用意匠は,蓋ヒンジ部を大きく突出させ,該ヒンジ部下端にハンドル載置板を突設している点,(カ)全体高さに対する,本体部最大横幅について,本願意匠は,約60%であるのに対して,引用意匠は,約70%である点,
で主な相違が認められる。

(3)類否判断
両意匠を比較した場合,共通点(A)ないし(D)は,両意匠の形態全体の骨格的な態様をなし,共通点(E)と共に,特に一番目の行きやすい位置に有る操作面の共通点(F)によって,一見したときに一定程度の共通する印象を与えると言える。
しかし,これに対して,具体的態様である相違点(ア)は,使用時に開閉する蓋の,そして,一番目に付く本体上部上面の形状の違いであって,本体上部に占める割合の大きな部分での相違であるから,両意匠の類否判断における影響は大きい。相違点(イ)は,相違点(ア)と相まって,上面の頂の位置及び面取りの態様が合わさった,上面の構成の具体的なところの相違であり,相違点(カ)による影響も含めて,本願意匠は,蓋部上面と蓋部背面の連続性が強調されて,前後方向,特に前(手前)方向の方向性を強調した形状で動的であるのに対して,引用意匠は,蓋部上面と蓋部側面,正面及び背面の間に面取りがあって,特定方向への連続性が強調されておらず,前後及び左右に対称の形状で静的であり,これらの相違は,両意匠の類否判断における影響は大きい。相違点(ウ)は,表示部直近の,上面手前中央という目に付き易い部位における相違であるから,両意匠の類否判断における影響は一定程度認められる。
以上のとおりであって,相違点がもたらす印象は,全てを総合するまでもなく,相違点(ア)ないし(ウ)及び相違点(カ)で,前記共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品は一致しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-09-30 
出願番号 意願2013-10684(D2013-10684) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 久保田 麻理 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 中田 博康
橘 崇生
登録日 2014-10-24 
登録番号 意匠登録第1512197号(D1512197) 
代理人 鮫島 睦 
代理人 大塚 雅晴 
代理人 田中 光雄 
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