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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B7
管理番号 1294808 
審判番号 不服2013-25481
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-25 
確定日 2014-11-11 
意匠に係る物品 二重まぶた形成具 
事件の表示 意願2012- 19640「二重まぶた形成具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成24年(2012年)年8月15日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「二重まぶた形成具」とし,その形態を願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由および引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁が平成14年(2002年)6月25日に公開した公開特許公報記載,特開2002-177316号(発明の名称,「二重瞼形成用テープまたは糸及びその製造方法」)の【図1】乃至【図4】で表されている二重瞼形成用テープの意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.両意匠の対比
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品については,本願意匠は,「二重まぶた形成具」で,引用意匠は,「二重瞼形成用テープ」であるが,両意匠は,まぶたに接着して二重まぶたの形成に使用される二重まぶたの形成具であり,両意匠の意匠に係る物品は共通する。
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
なお,両意匠を同じ方向から対比するため,引用意匠を本願意匠の向きに揃えたものとして,以下,それぞれ形態を認定・対比する。

(1)共通点
(A)使用者が手でつまむ把持部(以下,「把持部」という。)とまぶたに接着する部分である接着部(以下,「接着部」という。)とを有する二重まぶた形成具の本体部(以下,「本体部」という。)と接着部の接着面を保護するための保護部材(以下,「保護部材」という。)とからなり,正面視した場合に把持部と保護部材が同幅の細い帯状を呈している点,
(B)本体部は,中央に接着部,左右に把持部を設け,全体が正面視細い横長長方形状である点,
(C)保護部材を本体部の上面及び下面の両面側に接着部を挟んで設けている点,
において主に共通する。

(2)差異点
(ア)本体部について,本願意匠は,接着部と把持部が一体で形成され,保護部材を剥離した場合に,接着部は把持部より一段低く形成され,その厚みが薄くなっているのに対して,引用意匠は,本体部が全て同じ厚みで形成され,本体部の上下両面全てに接着部が設けられ,把持部は本体部とは別部材とし,本体部の左右両端部の上下面に設けられている点,
(イ)保護部材について,本願意匠は,把持部を除き接着部のみに保護部材を設けているのに対して,引用意匠は,保護部材が接着部と把持部の中央寄りの上下面に設けられ,把持部と保護部材との一部が重なっている点,
(ウ)正面視全体の縦横比について,本願意匠は,約1:143で細長いのに対して,引用意匠は,約1:32で短めである点,
(エ)把持部の幅と横の長さの比について,本願意匠は,把持部の幅と横の長さの比が約1:18で横長であるのに対して,引用意匠は,約1:11で本願意匠より短めである点,
において主な差異が認められる。

4.類否判断
そこで検討するに,共通点(A)については,全体の基本構成であるが,把持部を両端に設け,本体部の中央に接着部を設けた態様は,この種の物品分野においては良く見られるもので,両意匠のみに認められる格別の特徴とはいえず,この点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
次に,共通点(B)は,全体が細い横長長方形状である態様が共通しているが,さほど特徴のないもので,両意匠のみに共通する態様とまではいえず,両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
また,共通点(C)は,本体部を挟んで保護部材を接着部の上下面に設けた態様は共通するが,引用意匠の保護部材はその具体的な接着の態様が異なり,保護部材を接着部の上下面に設けることは,他の意匠にも見られる,ありふれた態様といえるものであり,この点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱である。
そして,共通点全体として両意匠の類否判断に与える影響を考慮しても,両意匠の類否判断を決定付けるに至るということはできない。

これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両意匠の類否判断を決定付けるものである。
すなわち,差異点(ア)については,保護部材を剥離した態様は,使用時に需要者の注意を強く惹く部位である,接着部の態様における側面視の外形状に係るもので,接着部が一段低く形成され,薄くなっている本願意匠と,本体部が同一の厚さで把持部が別部材である引用意匠とでは,明らかに需要者に与える全体の印象を異ならせるものであり,その差異は,両意匠の類否判断に大きな影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)についても,保護部材の態様は,使用時に需要者が大きな関心を持つ部位に係るもので,引用意匠は,保護部材が接着部だけでなく把持部にまで設けられていて把持部の中央寄りが一番厚く形成されているものであり,本願意匠のシンプルな板体の態様とは,需要者に別異な印象を与えるものであり,その差異は,両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。
差異点(ウ)については,本体部の長さについては,人間のまぶたに接着するものであるため,接着部の長さには自ずと制限があるものではあるが,引用意匠は伸縮素材を使用することにより全体の長さを短くすることができ,それは本願意匠の横長の態様とは異なり,全体の印象が大きく異なるものであり,さらに,差異点(エ)についても,把持部の長さにおける差異は,微細な部分ではあるが,使用時に需要者が注意を払う部位における差異であることから,全体の印象に影響を与えるものといえ,これらの差異は,両意匠の類否判断に僅かではあるが影響を与えるものといえる。

以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,その形態において,差異点が共通点を凌駕し,それが両意匠の意匠全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-10-29 
出願番号 意願2012-19640(D2012-19640) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木本 直美小林 裕和 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
綿貫 浩一
登録日 2014-12-05 
登録番号 意匠登録第1514984号(D1514984) 
代理人 山崎 宏 
代理人 岡崎 博之 
代理人 田中 光雄 
代理人 前堀 義之 
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