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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B7
管理番号 1296097 
審判番号 不服2014-6273
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-04 
確定日 2015-01-13 
意匠に係る物品 化粧用パックシート 
事件の表示 意願2013- 7919「化粧用パックシート」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成25年(2013年)年4月9日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「化粧用パックシート」とし,その形態を願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由および引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁意匠課が2012年1月20日に受け入れた,電気通信回線の種類 インターネット 掲載確認日(公知日)2012年1月16日 掲載者 株式会社ニッセンの 表題「nissen 商品画像」掲載ページのアドレス http://www.nissen.co.jp/sho_item/details/Zoom_Image.asp?zoom_image=1096_59423b_01.jpg&output_path=regular&Site=0&main_image=1096_59423b_01.jpg&total_chip=1&chip_image0=1096_59423b_w.jpg&total_feature=
に掲載された「パック用シート」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ23062330号)であって,その形態は,同ページに掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.両意匠の対比
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品については,本願意匠は,「化粧用パックシート」で,引用意匠は,「パック用シート」であるが,両意匠は,美容液等を含浸させたシートであって顔面に装着してパックを行うためのものであり,両意匠の意匠に係る物品は共通する。
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。

(1)共通点
(A)全体を左右対称の薄いシート状としたもので,正面視を下ぶくれ形の顔状とし,顔の各部位である目部,鼻部,口部を設け,目部,鼻部,口部の外側からシートの外周に向けて略放射線状にスリットを施している点,
(B)目部は,下方が繋がった略開放蒲鉾形状のスリットから成り,鼻部は上部が繋がった略開放隅丸台形状のスリットから成り,口部は開口した横長楕円形状である点,
において主に共通する。

(2)差異点
(ア)全体形状と全体の縦横比について,本願意匠は,全体形状が略三角おむすび形状であるのに対して,引用意匠は,略楕円形状である点,
(イ)目部,鼻部,口部の大きさとレイアウトについて,本願意匠は,目部,鼻部,口部が小ぶりで中央の鼻部に目部や口部が寄ったレイアウトであるのに対して,引用意匠は,目部,鼻部,口部が大ぶりで鼻部の位置が中央より下側にあり,目部や口部が外周縁寄りにやや離れたレイアウトである点,
(ウ)目部のスリットとその周囲について,本願意匠は,目部のスリットの左右角部がやや角張って,目尻と目頭に水平方向にスリットがあるのに対して,引用意匠は,目部のスリットの上辺中央が円弧状に膨出した形状で左右角部が隅丸状で,目尻と目頭にスリットがない点,
(エ)本願意匠は,目部の下と鼻部の下中央及び口部の下中央に,スリットがあるのに対して,引用意匠は,当該部位にスリットがない点,
(オ)本願意匠は,目部の左右から外周縁にかけてと口部の左右から外周縁にかけて左右に2つのスリットがあるのに対して,引用意匠は,目の斜め上と鼻のやや斜め上及び口の左右からそれぞれ外周縁にかけて左右に3つのスリットがある点,
において主な差異が認められる。

4.類否判断
そこで検討するに,共通点(A)については,全体の基本構成であるが,全体を左右対称の薄いシート状とし,正面視を下ぶくれ形の顔状として,顔の各部位である目部,鼻部,口部用の孔部を左右対称に設け,目部,鼻部,口部の外側からシートの外周に向けて略放射線状にスリットを施した態様は,この種の物品分野においては両意匠以外にも見られるもので,両意匠のみに認められる格別の特徴とはいえず,この点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
次に,共通点(B)についても,目部は,下方が繋がった略開放蒲鉾形状のスリットから成り,鼻部は上部が繋がった略開放隅丸台形状のスリットから成り,口部は開口した孔部で横長楕円形状である態様が共通しているが,他の意匠にも見られる,さほど特徴のない,ありふれた態様であり,両意匠のみに共通する態様とまではいえず,この点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱である。
そして,共通点全体として両意匠の類否判断に与える影響を考慮しても,両意匠の類否判断を決定付けるに至るということはできない。

これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両意匠の類否判断を決定付けるものである。
すなわち,差異点(ア)については,全体形状に係る差異であり,使用時に需要者の注意を強く惹く全体の基本的な構成に係るものであって,全体形状が略三角おむすび形状である本願意匠と全体形状が略楕円形状である引用意匠とでは,明らかに需要者に与える全体の印象を異ならせるものであり,その差異は,両意匠の類否判断に大きな影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)についても,目部,鼻部,口部の大きさとレイアウトについて,その態様は,使用時に需要者が大きな関心を持つもので,引用意匠は,目部,鼻部,口部が大ぶりで鼻部の位置が下寄りで目部や口部が外周縁寄りであって,各々が目立つレイアウトであるのに対して,本願意匠は,目部,鼻部,口部が小ぶりで目部や口部が中央寄りでまとまった目立たないレイアウトであって,需要者に別異な印象を与えるものであり,その差異は,両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。
そして,差異点(ウ)については,目部のスリットの態様については,使用時に人間のまぶたに接着する部位であるため,需要者の注意を強く惹く部分といえ,目部のスリット形状の差異は無視することができず,また,引用意匠は目尻と目頭にスリットのないシンプルな態様で,目尻と目頭にスリットを設けた本願意匠の態様とは,全体の印象が異なるものであり,その差異は,両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。
そして,差異点(エ)についても,目部の下と鼻部の下中央及び口部の下中央に,スリットを設けることは,各々別個には良く見られる態様といえるものではあるが,当該部位にスリットを設けることによって,本願意匠は,全体的に複雑な印象を呈するものとなり,目部の下や鼻部の下,口部の下における差異は,微細な部分ではあるが,使用時に需要者が注意を払う部位における差異であることから,全体の印象に影響を与えるものといえ,これらの差異は,両意匠の類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。
さらに,差異点(オ)については,本願意匠のように外周縁にかけて左右に2つのスリットがあるものも,引用意匠のように外周縁にかけて左右に3つのスリットがあるものも,この種の物品分野においては,いずれもありふれた態様といえるものであるが,差異点(ア),差異点(ウ)及び差異点(エ)の態様と相俟って全体の印象に影響を与えるものといえ,この点における差異は,両意匠の類否判断に僅かではあるが影響を与えるものといえる。

以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,その形態において,差異点が共通点を凌駕し,それが両意匠の意匠全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2014-12-24 
出願番号 意願2013-7919(D2013-7919) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木本 直美 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 江塚 尚弘
斉藤 孝恵
登録日 2015-01-23 
登録番号 意匠登録第1518028号(D1518028) 
代理人 塚原 憲一 
代理人 野間 悠 
代理人 長谷川 芳樹 
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