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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M1
管理番号 1297210 
審判番号 不服2014-15775
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-08 
確定日 2015-01-30 
意匠に係る物品 不織布地 
事件の表示 意願2013- 2399「不織布地」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2012年11月12日の台湾への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成25年(2013年)2月7日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「不織布地」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「表面図において四方に連続するものである」としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,下記に示す意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)は,同公報に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)
そして,その具体的な理由は,本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)は,全体の模様を格子状とし,基本パターンを略正方形状の区画とし,その各辺に切り欠き部を形成した点で共通するものであって,この点が両意匠の類否判断に大きく影響を及ぼすものと認められ,これに対して両意匠は,各辺の切り欠きの部位を中央部分としたか否かの点で相違するが,この点は,さほど目立たない部分的な相違にすぎないものであるから,類否判断に及ぼす影響は小さく,意匠全体として観察した場合,共通点が,相違点を凌駕するものであるから,両意匠は,類似の範囲を出ないものと認められる,というものである。

特許庁総合情報館が2000年10月27日に受け入れた
アメリカ意匠公報:オフィシャル ガゼット 2000年8月8日2号
第2332頁所載
紙地(登録番号US D429,074)の意匠(absorbent paper product(吸収性紙製品))
(特許庁意匠課公知資料番号第HH12028960号)

第3 当審の判断
1.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「不織布地」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「紙地」であるが,本願意匠の願書及び願書に添付した図面の記載並びに引用意匠に係る文献の記載内容を総合すれば,共に布や紙等の素材からなる極薄いシート状の上下左右四方に連続する地物類であって,両意匠の意匠に係る物品は,共通する。

(2)形態
両意匠の形態を対比すると,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
(A)共通点
基本的構成態様として,
(あ)シートの表の面に表した模様は,正方形の格子状であって,その格子,つまり正方形状の各辺に切り欠き部を形成している点,
(B)相違点
具体的態様として,
(ア)模様のパターンの切り欠き部の態様について,
本願意匠は,切り欠き部の長さを正方形状の各辺の長さの約1/6程度とし,正方形状の対向する2辺の切り欠き部を互い違いになるように又は同じ側に中央からずらして設けているのに対して,
引用意匠は,切り欠き部の長さを正方形状の各辺の長さの約1/4.5程度とし,切り欠き部を各辺の中央に設けている点,
(イ)模様の線の太さ及び凹凸について,
本願意匠は,凹凸のない極細の描線で表しているのに対して,
引用意匠は,やや細幅な凹条に表している(裏面には凹状の反転として凸状が表れている)点。

2.両意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価,総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,形態については,以下のとおりである。
(A)共通点の評価について
(あ)の模様が正方形の格子状である点は,両意匠の骨格をなす部分であり,さらその格子,つまり正方形状の各辺に切り欠き部を形成している点も合わせると,両意匠の類否判断に一定程度の影響を及ぼすものといえるが,一方で,格子状の模様は広く知られた極めてありふれた模様であり,また線構成の模様において,その線の一部を切り欠く手法も見られるところであるので,模様をどのような具体的な態様で表すかによって,類否判断に及ぼす影響の度合いは判断されるべきものである。

(B)相違点の評価について
(ア)については,引用意匠の切り欠き部は,各辺の中央にやや大きく(辺の約1/4.5程度)設けられていることから,各正方形状がその角部で交わる2つの線によって「+」状にも見えるほどであり,それらが全て規則正しく整列している極めて均一な安定感のある印象を与えるのに対して,本願意匠の切り欠き部は,比較的短く(辺の約1/6),あくまで正方形状の格子状の印象を保ちつつ,対向する2辺の互い違いになる又は同じ側に中央からずらした位置に設けられていることから,(横3行×縦2列の計6つの隣接する正方形状が一組で一単位の規則性のある連続態様となっているものの,)切り欠き部がジグザグに折れ曲がったような位置に配されたやや複雑な印象を与えるものとなっており,その相違が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。
(イ)の模様の線の太さ及び凹凸に関しては,実際には正方形状がどの程度の大きさとしてシート上に表されるのか,またシートの材質等によっても異なることにはなるが,正方形状が一定以上の大きさ,かつその素材の表面において相応に視認できる程度ものであるとすると,両意匠の描線つまり凹凸のない平坦な表し方と型押し的な凹状という表し方,かつ極細の線とそれよりも太い凹状による構成の相違が看者に与える印象は相当に異なるものといえる。
そして,この種物品において需要者が注意を払うのは当然に模様の具体的な態様が主となるのであり,またこの種物品において模様を評価する場合に,相違点(ア)と同(イ)は個々別々に判断すべきものではなく,一体となって判断すべきものであるから,相違点(ア)と同(イ)を総合してみると,これらの相違点が両意匠に及ぼす影響は大きいものといわざるを得ない。

そうすると,両意匠は,意匠に係る物品は,共通するが,形態においては,共通点が未だ両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きく,共通点のそれを凌駕しており,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとする原査定の拒絶の理由によって,拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-01-20 
出願番号 意願2013-2399(D2013-2399) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 恭子 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 中田 博康
橘 崇生
登録日 2015-02-20 
登録番号 意匠登録第1519852号(D1519852) 
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 
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