• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服   取り消して登録 G2
管理番号 1299414 
審判番号 不服2014-21844
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-28 
確定日 2015-04-07 
意匠に係る物品 自動車用ホイール 
事件の表示 意願2013- 3251「自動車用ホイール」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,平成25年(2013年)2月19日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「自動車用ホイール」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 当審における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであり,本願意匠が類似するとして拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,日本国特許庁発行の意匠公報(発行日:平成22年(2010年)4月19日)に掲載された,意匠登録第1385535号(意匠に係る物品,自動車用ホイール)の意匠であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断

1.本願意匠と引用意匠の対比
本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,いずれも自動車用ホイールであるので,両意匠の意匠に係る物品は一致する。

次に,両意匠の形態を対比すると,両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
なお,ホイールの正面側を前方側(前側)とし,背面側を後方側(後ろ側)として比較する。

まず,共通点として,
(A)全体は,略円筒形のホイールリム(以下,「リム部」という。)の側面部中央部分を深く落ち込ませて窪み部(以下,「ウエル部」という。)を形成し,リム部前側端部の内側部分に,ディスク部(以下,「ディスク部」という。)を形成した深底リムタイプのホイールとしている点,
(B)リム部は,リム部の前後両端部に,リムフランジ(以下,「フランジ部」という。)を形成し,ディスク部形成部分の後方に断面視略L字状の段差部(以下,「バンプ部」という。)を一段設けてリム部前方側とウエル部をつなげ,リム部後方側とウエル部を傾斜面部分(以下,「傾斜面部」という。)によってつなげる態様としている点,
(C)ディスク部は,その中心部分に円孔を設けた正面視略中空円板状のハブ(以下,「ハブ部」という。)を設け,ホイール外周部に向けてやや幅広となるスポーク(以下,「スポーク部」という。)を,ハブ部前面部から前方側フランジ部前端部に向かって等間隔となるように放射線状に複数形成している点,
(D)各スポーク部には,ハブ部中央部付近から外側に向かって,スポーク前面部分に正面視略披針形状の膨出部(以下,「略披針形膨出部」という。)を形成している点,
(E)ハブ部は,中央円孔部の周囲にホイールナット用の小円孔(以下,「ナットホール部」という。)を等間隔に4つ配設している点,
が認められる。

他方,相違点として,
(ア)スポーク部の本数について,本願意匠は,8本であるのに対して,引用意匠は,7本である点,
(イ)スポーク部の態様について,本願意匠は,ハブ部中央部付近から全体の約3/4の位置で一旦幅広となり,ホイール外周部に向かってやや窄まる略細長花弁状に形成しているのに対して,引用意匠は,ハブ部中央部付近からスポーク部のホイール外周部に向けて漸次幅広となる略細長等脚台形状に形成している点,
(ウ)略披針形膨出部の態様について,本願意匠は,ハブ部中央部付近からスポーク部のほぼ半分の位置にかけて,その長手方向中央部分に2重の稜線が明確に表れる略披針形膨出部を形成しているのに対して,引用意匠は,ハブ部中央部付近からスポーク部のホイール外周部付近の位置にまで,長手方向中央部分の稜線がややはっきりしない略披針形膨出部を形成している点,
(エ)隣り合うスポーク部間の開口部の態様について,本願意匠は,開口部が隅丸の略縦長等脚台形状に表れるのに対して,引用意匠は,ホイール内側先端部分が隅丸の略三角形状に表れる点,
(オ)ナットホール部の配置態様について,本願意匠は,隣り合うスポーク部のホイール内側先端部分の間の略披針形膨出部の角部に合わせて,1つおきの間隔でナットホール部を形成しているのに対して,引用意匠は,スポーク部のホール内側先端部分の位置とは無関係に等間隔にナットホール部を形成している点,
(カ)リム部の態様について,本願意匠は,リム部前方側水平部分,ウエル部,傾斜面部及びリム部後方側水平部分の横幅の比率を,約1:1.2:1:0.8としているのに対して,引用意匠は,同比を約1:1.4:2.6:1としている点,
が認められる。

2.両意匠の形態の評価
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,本願意匠と引用意匠が類似するか否か,すなわち両意匠の類似性について考察する。

まず,共通点(A)の全体の態様,及び共通点(B)ないし(E)の各部の態様は,スポークタイプの自動車用ホイールの意匠の骨格的な構成態様にあたるものであり,また,各部の態様も本願意匠の出願前に既に数多く見られるものでもあるので,これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であると言わざるを得ない。
そして,これらの共通点は,全体としてみても,両意匠の類似性についての判断を決定付けるまでには至らないものである。

これに対し,相違点(ア)スポーク部の本数,相違点(イ)スポーク部の態様,及び相違点(ウ)略披針形膨出部の態様については,ハブ部から放射線状に突出した,2重の稜線をもつ8つの略披針形膨出部の下部から,略細長花弁状のスポーク部が一体的に突出して形成されたような形態であるとの印象を与える本願意匠の態様と,ハブ部から放射線状に7本配した,直線により構成されたシンプルな各スポーク部の前面部分全体に,稜線のはっきりしない膨出部を設けたとの印象を与える引用意匠のものとは,看者に別異な印象を与えるものであるから,これら相違点(ア)ないし(ウ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいと言える。
次に,相違点(エ)隣り合うスポーク部間の開口部の態様については,各スポーク部間のハブ部外周部分が略直線状に表れることにより,ハブ部が正面視略八角形状であるとの印象を与える本願意匠の態様と,そのような直線状部分がなく,ハブ部が正面視略円形状であるとの印象を与える引用意匠のものとは,開口部自体の形態の相違と相まって別異な印象を与えるものであるから,この相違点(エ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響も大きい。
また,相違点(オ)ナットホール部の配置態様については,スポーク部との配置態様関係において規則的な配置の本願意匠の態様と,スポーク部の配置と関連しない引用意匠のものとは,別異な印象を与えるものであるから,上記の相違点(ア)ないし(エ)と相まって,この相違点(オ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響も大きい。
さらに,相違点(カ)リム部の態様については,使用時においてはタイヤにより隠れる部位であり,取り立ててその違いを高く評価すべきものではないが,傾斜面部がウエル部の2倍弱もある引用意匠の態様は,本願意匠とは看者に別異な印象を与えるものであるから,この相違点(カ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響も一定程度ある。
そして,これらの相違点(ア)ないし(カ)が相まって生じる視覚的効果は,意匠全体として見た場合,上記共通点の影響を凌ぎ,需要者に別異の美感を起こさせるものであると言うことができる。

3.両意匠の類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品については一致するものの,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であるのに対して,相違点が類否判断に及ぼす影響はそれぞれ大きく,相違点が相まって生じる視覚的効果は,共通点のそれを凌駕して,類否判断を支配しているものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

第4 むすび

以上のとおりであるから,原査定の引用意匠をもって,本願意匠を意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,本願については,原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-03-25 
出願番号 意願2013-3251(D2013-3251) 
審決分類 D 1 8・ - WY (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 前畑 さおり 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 江塚 尚弘
斉藤 孝恵
登録日 2015-04-24 
登録番号 意匠登録第1524789号(D1524789) 
代理人 永芳 太郎 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ