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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K8
管理番号 1300599 
審判番号 不服2014-18997
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-09-22 
確定日 2015-05-12 
意匠に係る物品 ポンプ用羽根車 
事件の表示 意願2013- 17135「ポンプ用羽根車」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり,平成25年(2013年)7月26日に出願され,意願2013-17108の意匠を本意匠とする関連意匠の出願としたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「ポンプ用羽根車」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとし,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願について「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」を「本願請求部分」という)。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,特許庁が本願出願前の平成1年(1989年)10月27日に発行した意匠公報に記載された,意匠登録第773542号(意匠に係る物品,ノンクロッグポンプ用羽根車)の意匠の羽根部の最端面部(以下,「引用相当部分」という。)であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の対比
1.両意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「ポンプ用羽根車」であり,引用意匠の意匠に係る物品は「ノンクロッグポンプ用羽根車」である。

2.本願請求部分及び引用相当部分(以下,「両部分」という。)の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能は,共にポンプ用羽根車の羽根部の最端面(主板部とは反対側に位置する先端面)である。
両部分の位置は,共にポンプ用羽根車の羽根部の最端面であり,かつ,本願請求部分は,その最端面の外側(回転軸から遠い側)の曲線(稜線)が回転軸に対して離れたところから一旦回転軸側に近づき,再び離れていく位置であり,一方,引用相当部分は,最端面の外側の曲線が回転軸に対して近いところから次第に離れていく位置である。
両部分の大きさ及び範囲は,ポンプ用羽根車においてありふれた範囲内である。

3.両部分の形態
両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
(1)共通点
(A)全体について,平坦面であって,最端面に垂直な方向から見て,一方の端が大きく膨らんだ略C字帯形状である点

(2)相違点
以下では,略C字帯形状について,回転軸に近い側の端部を「前端部」,回転軸から遠い側の端部を「後端部」といい,両端部をつなぐ曲線のうち回転軸に近い側の曲線を「内側の曲線」,回転軸から遠い側の曲線を「外側の曲線」という。
(ア)両部分の前端部について,本願請求部分は,内側の曲線が回転軸を中心とする円弧形状であり,外側の曲線が膨らみの最も幅の広い部分から回転軸方向に大きく角度を変えていて,膨らみが角張っているのに対し,引用相当部分は,内側の曲線が回転軸方向に曲がってこぶのように突出していて,前端部全体が丸みを帯びた膨らみになっている点
(イ)両部分の後端部について,本願請求部分は,端部近傍で一旦膨らんで幅広になり,それが次第に細くなって尖っているのに対し,引用相当部分は,端部近傍でゆるやかに幅広になり,それがそのままほぼ同じ幅で伸びて末端が半円形状に丸くなっている点
(ウ)前端部及び後端部が回転軸との間につくる角度(回転軸から放射状に両端部に接するように引いた線のつくる狭角の角度)について,本願請求部分は58°であるのに対し,引用相当部分は36°である点

第4 両意匠の類否判断
以上の対比を基に,各要素が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価,総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

1.両意匠の意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は表現は異なるが実質的に一致しており,両意匠の類似の条件に合致している。

2.両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能は,ポンプ用羽根車の羽根部の最端面という点で共通しており,両意匠の類似の条件に合致している。
両部分の位置は,同一ではなく,かつ,本願請求部分の位置がポンプ用羽根車の分野においてありふれた範囲内のものではないから,両意匠の類似の条件に合致していない。
両部分の大きさ及び範囲は,同一ではないが,共にポンプ用羽根車においてありふれた範囲内であり,両意匠の類似の条件に合致している。

3.両部分の形態
(1)共通点の評価
共通点(A)については,両部分の骨格に係るものであり,特徴的でもあるから,両部分の類否判断に及ぼす影響は大きい。

(2)相違点の評価
相違点(ア)については,いずれの形態も特徴的ではあるが,両部分の一部に係り,かつ,同部が膨らんでいるという共通点の中での相違であるから,両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまる。
相違点(イ)については,本願請求部分の後端部近傍が幅広になっている点は特徴的ではあるが,本願請求部分全体の中では幅が細く印象が弱いから,両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまる。
相違点(ウ)については,略C字帯形状の開き具合や略C字帯形状全体の長さが少し変化した程度の印象の相違であるから,両部分の類否判断に及ぼす影響は小さい。
そして,これらの影響を総合しても,相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまるといえる。

そうすると,両部分の形態について,共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は相違点のそれよりも大きいから,両部分の形態は類似するといえ,両意匠の類似の条件に合致している。

4.小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品については一致し,両部分の用途及び機能についても一致し,両部分の大きさ及び範囲についてはポンプ用羽根車においてありふれた範囲内であり,また,両部分の形態については類似するが,両部分の位置については,同一ではなく,かつ,本願請求部分の位置はポンプ用羽根車においてありふれた範囲内のものではないから,両意匠は類似しないと判断する。

第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-04-14 
出願番号 意願2013-17135(D2013-17135) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (K8)
最終処分 成立 
前審関与審査官 大峰 勝士植山 陽子 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 橘 崇生
中田 博康
登録日 2015-05-29 
登録番号 意匠登録第1527870号(D1527870) 
代理人 特許業務法人前田特許事務所 
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