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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 A1
管理番号 1302956 
審判番号 不服2012-19602
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-05 
確定日 2015-07-10 
意匠に係る物品 スナック菓子 
事件の表示 意願2011-26067「スナック菓子」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2011年5月13日及び同年9月30日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成23年(2011年)11月11日付けの意匠登録出願であり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「スナック菓子」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである。(当審決注:別紙第1参照)

第2 事件の経緯
(1)出願
上記「第1 本願意匠」に記載のとおりの出願である。

(2)原審の拒絶の理由
平成24年3月19日付けの,原審における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項第3号の規定に該当するとしたものである。

引用意匠
大韓民国意匠商標公報 2007年12月12日
「スナック菓子」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH20404397号)

(3)拒絶査定
「この意匠登録出願については,平成24年3月19日付けで通知した理由により,拒絶をすべきものとします。」として,平成24年7月2日付けで拒絶査定が起案され,その後,同年同月6日に送達された。

(4)審判請求
平成24年10月5日付けの審判請求により,本願(意願2011-26067)の拒絶査定に対する不服審判が請求された。

(5)当審拒絶理由(その1)
平成25年5月29日付けの,当審における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項第3号の規定に該当するとしたものである。

引用意匠
平成15年(2003年)5月10日に発行されたドイツ意匠公報に掲載された登録番号40203260号の「ソーセージスライス」の意匠のうち左から3番目の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH15010990号)

(6)当審拒絶理由(その2)
平成27年2月13日付けの,当審における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第2項の規定に該当する,というものである。

第3 平成27年2月13日付けの当審拒絶理由
平成27年2月13日付けの,当審における二度目の拒絶の理由は,「 本願意匠に係る物品であるスナック菓子については,本願出願前から,引用意匠1及び2のように,平面視において略円形で,比較的大きな波形の凹凸を全面に有するシート状のものが広く知られており,また,引用意匠3及び4のように,平面視において略円形で,波形の凹凸を全面に有し,全体がゆるやかにねじれたシート状のものも広く知られています。さらに,スナック菓子については,全体のねじれの度合についても種々のものが広く知られており,意匠の創作において全体のねじれの度合を変更することはありふれた手法であるといえます。
そうすると,本願意匠は,スナック菓子について本願出願前から広く知られた,平面視において略円形で,比較的大きな波形の凹凸を全面に有するシート状のものを基にして,ありふれた手法によって,全体にゆるやかなねじれを設けて,スナック菓子として表した程度のものであって,当業者であれば容易に創作することができたものと認められます。」としたものであって,各引用意匠は,下記のとおりである。


引用意匠1(当審決注:別紙第2参照)
ベネルクス特許庁が平成3年(1991年)4月21日に発行したベネルクス意匠公報に掲載された,番号20749-01の,じゃがいも加工食品の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号HH04008902号)

引用意匠2(当審決注;別紙第3参照)
1.情報源
インターネット
2.情報のアドレス
http://masamine.info/2010/03/post_12.html
3.ウェブペ-ジの表題
北海道 旅行しま専科
4.掲載年月日
平成22年(2010年)3月17日
5.検索日
平成27年(2015年)2月2日
6.内容
「ロイズ ポテトチップチョコレート」という記事の上から2枚目に掲載された写真に現されたポテトチップのうち,右上のポテトチップの意匠

引用意匠3(当審決注:別紙第4参照)
1.情報源
インターネット
2.情報のアドレス
http://hotmenu.jp/?p=5572
3.ウェブペ-ジの表題
伊勢志摩・松阪のほっとメニュー
4.掲載年月日
平成23年(2011年)2月11日
5.検索日
平成27年(2015年)2月2日
6.内容
「ホットひといき(ロイズのチョコ?編」という記事の上から3枚目の写真に現されたポテトチップのうち,手前に現されたポテトチップの意匠

引用意匠4(当審決注;別紙第5参照)
1.情報源
インターネット
2.情報のアドレス
http://blogs.yahoo.co.jp/threeeggplants/folder/914506.html?m=1c&p=24
3.ウェブペ-ジの表題
Yahoo!ブログ
豪州菓子事情
4.掲載年月日
平成19年(2007年)8月6日
5.検索日
平成27年(2015年)2月2日
6.内容
「SMITH’S CLASSIC CRINKLE CUT CHEESE & ONION」という記事の上から2枚目に掲載された写真に現されたポテトチップのうち,右のポテトチップの意匠

第4 当審の判断
以下において,平成27年2月13日付けの当審拒絶理由,つまり,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性について,検討し,判断する。

1.本願意匠の形態
本願意匠は,「第1 本願意匠」で述べたとおりのものであって,平面視において略縦長長円形の,正面視において左右方向に波形の凹凸(平面視において縦方向の畝)を全面に設けた,最大長さ(平面図において上下間の寸法,以下,「全長」という。)に対して約2%の厚さのシート状のものであって,全体の横幅(正面視において左右間の寸法)が,全長の約80%であって,その波形の凹凸は,その長さ(山から山の(1サイクルの)長さ(波長))が,全長の約15%で,その高さ(山から谷の長さ(振幅の2倍))が,全長の約10%で,全体は6つの山と6つの谷(6サイクル)から成っており,詳細には,正面視で,中心より左側が,手前が上で奥が下に,中心より右側が,手前が下で奥が上に,右側面図によると,全体で20度?30度ねじれている。

2.本願意匠の創作の容易性について
この種物品分野において,平面視で縦長長円形のごく薄いシート状で,全面が波形の凹凸とした,ねじれを設けたものは,極ありふれた態様であり,容易に創作できると認められるが,本願意匠における,平面視で略縦長長円形で,その全長に対して約2%の厚みのもので,1サイクル長さが約15%(全長に対して。以下同じ。)で高さが約10%の波を6つ形作って,その全幅を約80%とし,全体を20?30度でねじったもの,という個別具体的な態様は,先行意匠には見られないものであり,またそれらの相まって生じた態様について容易に改変できる範囲のものと言うべきでないから,本願意匠は,公知の形態に基づいて容易に創作ができたと言うことはできない。

3.結び
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,当審最後の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-06-25 
出願番号 意願2011-26067(D2011-26067) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (A1)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上島 靖範 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 刈間 宏信
橘 崇生
登録日 2015-07-31 
登録番号 意匠登録第1532301号(D1532301) 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 

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