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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1313098 
審判番号 不服2015-7857
総通号数 197 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-27 
確定日 2016-03-30 
意匠に係る物品 携帯情報端末 
事件の表示 意願2014- 4966「携帯情報端末」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,アメリカ合衆国への2013年9月9日の出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成26年(2014年)3月10日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「携帯情報端末」とし,その形態を願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりとしたもので,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(以下,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願実線部分」という。)(別紙第1参照)

2.当審における拒絶の理由及び引用意匠
当審における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由として引用した意匠は,特許庁が平成25年(2013年)7月16日に発行した意匠公報掲載の意匠登録第1474567号「携帯情報端末」の意匠(以下,「引用意匠」という。)の本願実線部分に相当する部分(以下,この部分を「引用相当部分」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
いずれも,「携帯情報端末」であるから,両意匠の意匠に係る物品は,一致する。
(2)本願実線部分と引用相当部分(以下,「両部分」という。)の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲
まず,本願実線部分は,表面の透明部材を除いた正面パネルとその周囲の縁部分(以下,この部分を「縁部」という。)及び正面側下方の操作ボタン部(以下,この部分を「操作ボタン部」という。)であり,引用相当部分は,本願実線部分に相当する同様の部分であるから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。
(3)形態
また,両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
(3-1)共通点
(A)部分全体を,正面側の透明部材を除いた正面視略隅丸縦長長方形状の正面パネルとその縁部及び正面側下方の操作ボタン部という構成とし,正面パネルの縦横比を約2:1としている点,
(B)操作ボタン部を正面パネルの横幅の約1/5の長さを直径とする円形状としている点,
(C)表示部を正面パネルの約3/4の縦幅,約4/5の横幅の縦長長方形状とし,上下に略同幅の余白を設けた位置に設けている点,
(D)縁部を正面に対して約45度の平坦な斜面としている点,において主に共通する。
(3-2)差異点
(ア)操作ボタン部の態様について,本願実線部分は,円形の縁端部を細幅の僅かに傾斜した面とし,その面を黄金色とし,傾斜した面の内側を円形状の平坦面とし,その面を白色としているのに対して,引用相当部分は,浅い凹円弧状部を形成し,中央に隅丸正方形状模様を設け,彩色を施していない点,
(イ)縁部の態様について,本願実線部分は,縁部全体が操作ボタン部の円形縁端部と同様の黄金色であるのに対して,引用相当部分は,縁部全体が彩色されていない点,において主な差異が認められる。

4.類否判断
両意匠の意匠に係る物品は,一致し,両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲は共通している。
以下,両部分の形態について検討する。
共通点全体が両部分の形態の類否判断に与える影響を考慮しても,両部分の形態の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるものである。
(1)共通点
共通点(A)については,部分全体として見た場合には,正面側の透明部材を除いた正面視略隅丸縦長長方形状の正面パネルとその縁部及び正面側下方の操作ボタン部という構成とし,正面パネルの縦横比を約2:1とした態様は,この種の物品分野においては,ありふれた態様といえるもので,格別目立つ態様とはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
次に,共通点(B)については,操作ボタン部を正面パネルの横幅の約1/5の長さを直径とする円形状とした点についても,従来から普通に見られる態様といえるもので,両部分のみに見られる特徴とはいえないものであるから,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものである。
そして,共通点(C)についても,この種の物品分野においては,従来から普通に見られるありふれた態様といえるもので,格別目立つ態様とはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものである。
さらに,共通点(D)についても,両部分全体として観察した場合には,微細な部分に係る態様といえるもので,目立つものとはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものである。
(2)差異点
差異点(ア)の操作ボタン部の態様について,円形の縁端部を細幅の僅かに傾斜した面とし,その面を黄金色とし,傾斜した面の内側を円形状の平坦面とし,その面を白色としている本願実線部分の態様は,操作ボタン部の縁端部に傾斜面を有し,断面視が直線的で,それは他に見られない特徴的な部分といえ,浅い凹円弧状部を形成し,中央に隅丸正方形状模様を設け,彩色を施していない引用相当部分の態様とでは,彩色の特徴の有無とも相俟って,明らかに需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に大きな影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)の縁部の彩色の有無について,縁部に操作ボタン部と同様の彩色があり,色分けがある本願実線部分の態様は,本願の出願前には見られない態様であり,とりわけ,正面パネルの縁部と,操作ボタン部の縁端部に共通の彩色を施したことによって生じる視覚的な統一感は,本願実線部分独自の視覚的特徴ということができ,縁部全体が彩色されていない引用相当部分とでは,その視覚的印象が明らかに異なるもので,その差異は無視することができず,両部分の類否判断に大きな影響を与えるものといえる。
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通するものであるが,両部分の形態において,差異点が看者に与える意匠的効果が共通点のそれを凌駕し,両部分全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-03-18 
出願番号 意願2014-4966(D2014-4966) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 中村 遥子木村 智加 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 斉藤 孝恵
久保田 大輔
登録日 2016-04-22 
登録番号 意匠登録第1550346号(D1550346) 
代理人 松下 満 
代理人 倉澤 伊知郎 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 井野 砂里 
代理人 鈴木 博子 
代理人 辻居 幸一 
代理人 弟子丸 健 
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