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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 L3
管理番号 1314368 
審判番号 不服2015-17840
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-10-01 
確定日 2016-04-12 
意匠に係る物品 浴室 
事件の表示 意願2014- 23295「浴室」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成26年(2014年)10月17日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「浴室」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり,「断面図を含む実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを表す線である。D-D,E-E部分拡大図及びF-F,G-G部分拡大図において,2重ハッチングを施した部分の部材は透光性を有する。」としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,
ホームページの著作者
Fosss Tables Home Design
表題 Beautify your bathroom
paint colors for small
bathrooms
掲載箇所 添付のイメージ中5から6ページ目
(1ページ目では該当写真のみ拡大)
媒体のタイプ online
掲載年月日 2013年10月7日
検索日 2015年3月31日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://fossstables.com/beautify-your-bathroom-paint-colors-for-small-bathrooms/
引用意匠 添付のイメージ中5から6ページ目にまたがる写真
(1ページ目では該当写真のみ拡大)に表された
「バスルーム」の意匠(原査定では「トイレ室」と認定 したが,当審においては「バスルーム」と認定する。) のうち,本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に
相当する部分(洗面台と鏡がある面の本願部分に相当
する部分)
であって,その形態は,同サイト掲載ページの写真版及びその関連する記載に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠との対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「浴室」であり,浴槽,シャワーなどの人体に付着した汚れを水やお湯で洗い流す設備を有する部屋である。
引用意匠の意匠に係る物品は,「バスルーム」であって,洋風の浴室を意味し,便器,洗面台,浴槽,シャワーなどの人体からの排泄物を処理し,人体に付着した汚れを水やお湯で洗い流す設備を有する部屋である。

(2)本願意匠の意匠登録を受けようとする部分及びこれに相当する引用意匠の部分に係る位置,大きさ及び範囲並びに用途及び機能
以下,対比のため,本願意匠の意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」と,これに相当する引用意匠の部分を「引用部分」といい,併せて「両部分」という。
本願部分の位置,大きさ及び範囲は,全体が縦長直方体の箱状体である浴室のうち,一つの内壁面(正面方向から見て浴室内部の突当たりに位置する内壁面)における,内壁面全高の約4分の3の縦幅と内壁面全幅よりもやや小さい横幅を有する縦長長方形の領域であって,内壁面の上端に寄せて左右中央に位置する領域と,B-B断面図に表れる天井面における,天井面奥行きの約3分の1の縦幅と天井面全幅よりもやや小さい横幅を有する横長長方形の領域であって,天井面後端に寄せて左右中央に位置する領域であり,そのうち天井面に位置する領域全域は平坦面であって,左右中央には,照明部がある。
これに対し,引用部分では,本願部分の内壁面に相当する,内壁面全高の約4分の3の縦幅と内壁面全幅よりもやや小さい横幅を有する縦長長方形の領域は現されているが,天井面に相当する領域の大部分は,写真版の画角の外にあり,現されていない。
また,両部分は,共に「浴室」又は「バスルーム」の内壁面と天井面を構成しており,「浴室」又は「バスルーム」の設備に供されているという点で,両部分の用途は共通する。一方,本願部分の天井面には照明があるのに対し,引用部分の天井面に照明があるか否かは不明であり,両部分の機能は,この点において相違する。

(3)両部分の形態
両部分の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(3-1)共通点
内壁面の縦長長方形領域において,下部に濃い青色系の色彩を施し,上方に向かって徐々に薄くなる青色系の色彩を施した態様である点。
(3-2)相違点
(ア)本願部分は,天井面の横長長方形状領域全域は平坦面であって,天井内部に埋め込まれた照明部の表面が,天井面左右中央の前後両端に渡って細幅帯状に表れたもので,当該照明部の表面を,透光材質とし,周囲の天井面と面一状に設けた態様であるのに対し,引用部分の天井面の大部分は写真版に現れていないため,その態様は不明であって少なくとも天井面後端に照明部はない点。
(イ)内壁面の縦長長方形領域の青い色彩について,本願部分は,紺色であって,同領域の下端から中央部にかけて濃い調子で,中央部から上端寄りまで連続的に薄くなっていき,上端付近では,ほぼ白色としているのに対し,引用部分のこれに相当する領域は,緑がかった青色であって,同領域の上から約5分の1の範囲が,上方に向かって徐々に黒みがかって,上端付近が濃い黒色に現されている点。

2.両意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価及び総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

(1)物品について
本願意匠の意匠に係る物品は,「浴室」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「バスルーム」であって,表記は一致しないが,それぞれの機能及び用途を比較すれば,浴槽,シャワーなどの人体に付着した汚れを水やお湯で洗い流す設備を有する衛生設備室という点で共通するから,両意匠の意匠に係る物品は,類似する。

(2)両部分の位置,大きさ及び範囲並びに用途及び機能について
両部分の位置,大きさ及び範囲を比較すると,引用意匠の写真版には,バスルームの天井面の大部分が現れていないことから,両部分の位置,大きさ及び範囲を対比することができない。また,両部分の用途及び機能を比較すると,「浴室」又は「バスルーム」の内壁面及び天井面を構成する点において用途が共通するが,本願部分の天井面には照明があるのに対して,引用部分の天井面に照明があるか否かが不明である点で,機能が大きく相違する。

(3)形態の共通点の評価
上記内壁面の縦長長方形状領域の色彩に係る共通点は,抽象的な概念としてのみ共通するといえる程度の共通性にとどまるものであって,具体的な濃淡の調子は前記相違点(イ)のとおり異なるものであるから,両部分の共通点は,看者に共通の視覚的印象を与えるほどのものではないので,両部分の類否判断に与える影響は小さい。

(4)形態の相違点の評価
まず,相違点(ア)の天井面の横長長方形状領域の態様について,本願部分の同領域全域は,平坦面であって,天井内部に埋め込まれた照明部の表面が,天井面左右中央の前後両端に渡って細幅帯状に表れたもので,当該照明部の表面を,透光材質とし,周囲の天井面と面一状に設けた態様であるのに対し,引用部分は,天井面の大部分の態様が不明であり,少なくとも天井面後端に照明部はないものであって,照明部の有無による両部分の視覚的印象は大きく異なるものであるから,相違点(ア)が,両部分の類否判断に与える影響は大きい。

次に,相違点(イ)の内壁面の縦長長方形領域の色彩の態様について,本願部分の,紺色であって,同領域の下端から中央部にかけて濃い調子で,中央部から上端よりまで連続的に薄くなっていき,上端付近では,ほぼ白色としている態様は,その色調の変化によってあたかも上方から照らされる照明が下方へ向かって次第に減衰して暗くなる様を印象づけ,天井面の照明部の配置態様と併せて当該印象を強調するものとなっているのに対し,引用部分では,内壁面の上端付近が濃い黒色に現れており,上端付近がほぼ白色となっている本願部分と大きく相違するから,この相違による視覚的印象は大きく異なるものである。
したがって,相違点(イ)が両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

そうすると,両部分の形態については,相違点(ア)及び同(イ)が両部分の類否判断に与える影響がいずれも大きいのに対し,共通点の両部分の類否判断に与える影響は小さいものであって相違点を上回るものとはいえない。したがって,これらの共通点及び相違点を総合すると,両部分の形態は,類似しない。

(5)小括
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が類似し,両部分の用途は共通するが,両部分の位置,大きさ及び範囲を対比することができず,照明の有無の点で両部分の機能も大きく相違する。また,両部分の形態においては,共通点が未だ両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,両部分を観察した場合の印象は大きく異なるものである。したがって,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-03-25 
出願番号 意願2014-23295(D2014-23295) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (L3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 恭子下村 圭子 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
清野 貴雄
登録日 2016-05-27 
登録番号 意匠登録第1552668号(D1552668) 
代理人 藤井 兼太郎 
代理人 鎌田 健司 
代理人 前田 浩夫 
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