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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 A1
管理番号 1315694 
審判番号 不服2015-20189
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-10 
確定日 2016-04-25 
意匠に係る物品 砂糖粒 
事件の表示 意願2014- 26901「砂糖粒」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成26年(2014年)12月2日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「砂糖粒」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付された図面に表されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)
また,本願意匠の意匠に係る物品の説明の欄には,「本物品は砂糖粒である。本物品は直径約100μmの略球体である。通常の取引においては,本物品の拡大写真や拡大図を添付して取引が行われる。本物品は略球体で流動性が高いため,食品加工の際に均等に混ぜ易く,混ぜた後も分離しにくい。また,本物品は欠片の間に隙間を形成しているため,表面積が増大しており,食品加工の際に液体に溶け易い。」との説明がある。

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁発行の再公表特許公報(文献発行日:2010年8月19日)記載 国際公開番号WO2010/092828【図1】に現された,「粒子組成物」(当審注:拒絶理由通知において「速崩壊性圧縮成形物」としていたが,拒絶査定において訂正した。)の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品については,引用意匠は,同公報の記載によれば,その発明の名称を「崩壊性粒子組成物及びそれを用いた速崩壊性圧縮成型物」としたもので,【図1】は,〔実施例1〕の噴霧乾燥した粒子のSEM(当審注:scanning electron microscope 走査電子顕微鏡)写真(1メモリ10μm)であり,〔実施例1〕とは,明細書【0063】によれば,キシリトール5重量部,コーンスターチ64重量部,ワキシーコーンスターチ15重量部,結晶セルロース8.5重量部,軽質炭酸マグネシウム5重量部,軽質炭酸カルシウム2.5重量部を水に均一に分散させたのち,噴霧乾燥機(S-50N/R,ニロ社製)を用いて,出口温度90?100℃で噴霧乾燥し,流動性の良い白色の球状の粒子組成物の製造である。また,この発明の目的は,明細書【008】によれば,崩壊性の高い崩壊剤を含まず,良好な硬度・崩壊性・食感を有し,食品や医薬品の分野で広く用いることが可能な口腔内速崩壊錠及びその製造に必要な口腔内速崩壊錠用の賦形剤を提供することであり,引用意匠の意匠に係る物品は,食品や医薬品として用いられる甘味料系の「賦形剤粒」であると認められる。
一方,本願意匠は,「砂糖粒」であるが,両意匠は,糖類等を含む微小粒子からなる粒状のもので,いずれも食品として用いられ,人が飲食するものであるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。
(2)形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
(2-1)共通点
全体を略球状とし,細かい大小様々な大きさの不定形の微小粒子からなる構成片(以下,「構成片」という。)を凝集させたものである点,において主に共通する。
(2-2)差異点
本願意匠は,それぞれの構成片が,表面が平坦な薄い略鱗片状で,その平坦面が球体の表面となるように凝集しているのに対して,引用意匠は,それぞれの構成片が略岩状で,ざらざらとした凹凸状の面が球体の表面となるように凝集している点,において主な差異が認められる。

4.類否判断
両意匠の意匠に係る物品は共通する。以下,両意匠の形態について検討する。
(1)共通点
そこで検討するに,共通点については,全体の基本構成の共通点ではあるが,全体を略球状とし,細かい大小様々な大きさの不定形の構成片を固めたものは,本願意匠が属する甘味料や賦形剤などの食品添加材の物品分野においては,本願意匠の出願前より両意匠以外にも普通に見られ,両意匠のみに認められる格別の特徴とはいえず,この点が両意匠の類否判断に与える影響は一定程度に留まるものである。
そして,共通点が両意匠の類否判断に与える影響を考慮しても,両意匠の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
(2)差異点
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる視覚的な効果は,両意匠の類否判断を決定付けるものである。
すなわち,まず,差異点の態様については,それぞれの構成片が,表面が平坦な薄い略鱗片状で,その平坦面が球体の表面となるように凝集している本願意匠と,それぞれの構成片が略岩状で,ざらざらとした凹凸状の面が球体の表面となるように凝集している引用意匠とでは,それぞれの構成片の形状が異なる上に,その表面の態様も異なっていることから,その意匠全体が看者に与える印象が明確に異なるもので,その差異は無視することができず,両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。

以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,その形態において,差異点が看者に与える印象が共通点のそれを凌駕し,それが両意匠の意匠全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-04-11 
出願番号 意願2014-26901(D2014-26901) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (A1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 八重田 季江 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 斉藤 孝恵
久保田 大輔
登録日 2016-07-01 
登録番号 意匠登録第1555258号(D1555258) 
代理人 野間 悠 
代理人 塚原 憲一 
代理人 布施 哲也 
代理人 長谷川 芳樹 
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