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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2
管理番号 1317039 
審判番号 不服2015-21027
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-26 
確定日 2016-06-22 
意匠に係る物品 自動車用シフトノブ 
事件の表示 意願2014- 25620「自動車用シフトノブ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,平成26年(2014年)11月17日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した写真によれば,意匠に係る物品を「自動車用シフトノブ」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した写真に現されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであり,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。なお,拒絶理由通知書においては「引例の意匠」と記載している。)は,特許庁総合情報館が,1999年9月27日に受け入れた,株式会社ダイヤモンド社発行の内国雑誌「カー・アンド・ドライバー」(1999年10月26日発行)20号 22巻 第104頁所載の「シフトレバーノブ(製品名:TITAN SHIFT-KNOB for S2000)」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA11016956号)であって,その形態は,同雑誌に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断

1.本願意匠と引用意匠の対比
本願意匠の意匠に係る物品は,「自動車用シフトノブ」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「シフトレバーノブ」であるが,いずれも自動車用シフトレバーに取付けられるノブであるから,本願意匠及び引用意匠(以下,「両意匠」という。)の意匠に係る物品は共通する。

次に,両意匠の形態を対比すると,両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

まず,共通点として,
(A)全体は,正面視を上端部から中央部やや上方寄りの部分まで漸次膨出し,そこから下方に向かって漸次収縮する回転体の形態としたものであって,
(B)上面部分は,僅かに盛り上がったほぼ水平状な面であって,その中央部分に,3つの目盛りをもつ数直線状の凹状縦溝及び凹状横溝部,並びに凹状横溝部右端部から水平に形成された,数直線状の凹状横溝部よりやや幅広で略鈎状の凹状溝部を刻設し,意匠を構成しないものではあるが,各目盛りの上部及び下部に左から1,3,5及び2,4,6と刻設し,略鈎状の凹状溝部先端側下部にRと刻設している点,
が認められる。

他方,相違点として,
下方部分の態様について,本願意匠は,下端部に僅かに窄まった略円筒形状部分を設け,全高の下から約1/8の部分になだらかな凹円弧状のくびれ部分を形成しているのに対して,引用意匠は,本願意匠のような略円筒形状部分がなく,下端部まで漸次収縮して形成している点,
が認められる。

2.両意匠の形態の評価
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,本願意匠と引用意匠が類似するか否か,すなわち両意匠の類似性について考察する。

まず,共通点(A)の全体の態様における共通点は,自動車用シフトノブの形態を概略的に捉えたに過ぎないものであるから,この共通性のみをもって両意匠の類否判断を決定することはできない。
また,共通点(B)の上面部分の態様は,自動車用シフトノブの物品分野において,本願意匠の出願前に既に見られるもの(参考意匠:2008年6月13日に特許庁意匠課が公知資料(インターネット情報)として受け入れた,Amazon.comのホームページ(情報のアドレス:http://www.amazon.com/gp/product/images/B0016C8MVU/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=15684181&s=automotive)に掲載の「シフトノブ(製品名:Skunk2 Billet 6 Speed Manual Shift Knob)」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20011256号),別紙第3参照)であるから,これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であるといわざるを得ない。
そして,これらの共通点は,全体としてみても,両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものである。

これに対し,相違点の下方部分の態様については,シフトノブ下方部分に円筒形状部分をなだらかに連結し,手の平で包み込むように上から握る場合だけでなく,グリップを持つように横から握る場合でも握りやすいとの印象を与える本願意匠の態様と,上から握る場合のみ握りやすいとの印象を与える引用意匠のものとは,なだらかな凹円弧状のくびれ部分の有無の相違と相まって需要者に別異な印象を与えるものであるから,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は非常に大きく,それらが相まって生じる視覚的効果は,両意匠の類否判断を左右する程のものであるといえる。

3.両意匠の類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品については,共通するものの,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であるのに対して,相違点が類否判断に及ぼす影響は大きく,相違点が相まって生じる視覚的効果は,共通点のそれを凌駕して,類否判断を支配しているものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

第4 むすび

以上のとおりであるから,原査定の引用意匠をもって,本願意匠を意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,本願については,原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。


別掲
審決日 2016-06-09 
出願番号 意願2014-25620(D2014-25620) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 加藤 真珠 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 橘 崇生
江塚 尚弘
登録日 2016-07-29 
登録番号 意匠登録第1557127号(D1557127) 
代理人 志賀 正武 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 佐伯 義文 
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