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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 L6 |
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管理番号 | 1337120 |
審判番号 | 不服2017-8787 |
総通号数 | 219 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2018-03-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-06-15 |
確定日 | 2018-02-02 |
意匠に係る物品 | 床タイル |
事件の表示 | 意願2016- 13300「床タイル」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする平成28年(2016年)6月22日の意匠登録出願であって, その意匠は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「床タイル」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「赤色に着色された部分を除く部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。拡大図を含めて意匠登録を受けようとする部分を特定している。」としたものである(以下,本願意匠の意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願部分」という。)。(別紙第1参照) 第2 原査定における拒絶理由 原査定における拒絶理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶理由で引用した意匠(以下,「引用意匠」といい,「本願意匠」とあわせて「両意匠」という。)は,本願出願前,日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠,すなわち,特許庁特許情報課が2004年3月25日に受け入れた2004年1月3日発行の大韓民国意匠商標公報に記載された意匠登録第30-0341673号の「建築用床材」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH16508321号)の本願部分に相当する部分の意匠(以下,本願部分に相当する引用意匠の部分を「引用部分」といい,「本願部分」とあわせて「両部分」という。)に類似するとしたものである。(別紙第2参照) 第3 当審の判断 1.両意匠の対比 図の対比のため,引用意匠の当該意匠商標公報の第2番目の図を本願意匠の「平面図」,以下,第3番目の図を右に90度回転させて「右側面図」,第4番目の図を「正面図」,第5番目の図を「背面図」として,図面の平仄を合わせる。 (1)意匠に係る物品 いずれも,床に敷き詰めてその表面を構成する部材であるから,本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品は,共通する。 (2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲 本願部分は,薄い床タイルの正面の全面を部分とし,引用部分は,薄い板材の本願部分に相当する部分であるから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。 (3)両部分の形態 両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。 (3-1)共通点 全体を,ほぼ平坦な面とし,また色彩についても灰色とし,平面視で,略正方形状としている点。 (3-2)差異点 正面視,底面視及びA-A部拡大視で,本願部分は,正面の左辺と下辺に細幅の段差を設けて目地(以下「目地部」という。)としているのに対し,引用部分は,目地部がない点。 なお,本願部分の当該目地部の寸法は,縦辺における目地も横辺における目地もいずれも,正面視,横辺の約300分の1の幅,底面視及びA-A部拡大視,目地の幅の約3分の1の高さ,である。 2.類否判断 以上の共通点及び差異点が,両部分の類否判断に及ぼす影響を評価し,総合して,両部分の類否を意匠全体として検討し,判断する。 両意匠は,意匠に係る物品,部分意匠としての用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通するが,形態については,以下のとおりである。 (1)共通点の評価 共通点として挙げた,全体を,ほぼ平坦な面とし,また色彩についても灰色とし,平面視で,略正方形状としている点については,それだけでは概括的な形態というしかなく,両部分の類否判断を左右するとは言いがたい。 (2)差異点の評価 これに対して,差異点は,両部分の背面を除く外観に関わるものであり,類否判断に与える影響は大きい。 すなわち,目地部の有無の差異については,その差異に係る部位が床タイルの使用時に需要者の注意を惹くところであるから,この差異点は,両部分の類否判断に影響を与えるものである。 さらに,薄い床タイルにおいて当該寸法の目地部をもつものは,本願出願前に見受けられず,本願部分の形状は特徴をもつものである。 (3)小括 したがって,両意匠は,意匠に係る物品は,共通するが,両部分の形態においては,共通点が両部分の類否判断を決定付けるに至らないものであるのに対し,差異点が両部分の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,差異点の評価は,共通点の評価を凌駕しているから,両部分は類似せず,よって,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。 第4 むすび 以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2018-01-19 |
出願番号 | 意願2016-13300(D2016-13300) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(L6)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 富永 亘 |
特許庁審判長 |
温品 博康 |
特許庁審判官 |
江塚 尚弘 宮田 莊平 |
登録日 | 2018-02-23 |
登録番号 | 意匠登録第1599957号(D1599957) |
代理人 | 野村 慎一 |
代理人 | 藤本 昇 |