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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1354136 
審判番号 不服2018-16798
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-17 
確定日 2019-07-11 
意匠に係る物品 包装用袋 
事件の表示 意願2017-27532「包装用袋」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成29年(2017年)12月8日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

平成30年 5月25日付け:拒絶理由の通知
平成30年 6月28日 :意見書の提出
平成30年 9月28日付け:拒絶査定
平成30年12月17日 :審判請求書の提出
平成31年 4月 8日付け:審尋
令和 元年 5月16日 :手続補正書の提出
令和 元年 5月16日 :回答書の提出

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「包装用袋」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様及び色彩,並びにこれらの結合」を「形態」ともいう。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「赤色で着色された部分以外の部分が,意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

1 意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「包装用袋」である。

2 本願部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願意匠は,包装用袋の部分についての意匠であり,本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,略縦長長方形の包装用袋の正面における模様部分であり,通常の使用状態において包装用袋の左下角の,袋の外形線よりやや内側に位置した,縦の長さが袋全体の約3分の1で,横の長さが袋全体の2分の1強を占める略直角二等辺三角形(よって,正面の全体における面積比は,約12分の1)の大きさ及び範囲であって,袋の正面における模様であるから,包装用袋のための装飾という用途及び機能を有している。

3 本願部分の形態
略直角二等辺三角形である本願部分の形態は,頂角を,底辺の長さの約5分の1の半径の円弧状に形成し,底角の部分を小円弧状に形成したもので,模様部分全体をやや暗調子にしたものである。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2012年10月16日に受け入れた
モノ マガジン 2012年10月16日18号
第88頁所載
包装用袋の意匠の略直角二等辺三角形の模様の部分
(特許庁意匠課公知資料番号第HA24008721号)

1 意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「包装用袋」である。

2 引用部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
引用意匠中,引用した部分(以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は,略縦長長方形の包装用袋の正面における模様部分であり,通常の使用状態において包装用袋の左上角の,袋の外形線に接するように位置した,縦の長さが袋全体の約6分の1で,横の長さが袋全体の約3分の1を占める略直角二等辺三角形(よって,正面の全体における面積比は,約36分の1)の大きさ及び範囲であって,袋の正面における模様であるから,包装用袋のための装飾という用途及び機能を有している。

3 引用部分の形態
略直角二等辺三角形である引用部分の形態は,頂角を,底辺の長さの約9分の1の半径の円弧状に形成したもので,模様部分全体を白色にしたものである。

第4 対比
1 意匠に係る物品の対比
両意匠の意匠に係る物品は,いずれも「包装用袋」である。

2 両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の対比
両部分は,いずれも袋の正面における模様であるから,包装用袋のための装飾という用途及び機能を有している。
本願部分は,通常の使用状態において包装用袋の左下角の,袋の外形線よりやや内側に位置した,縦の長さが袋全体の約3分の1で,横の長さが袋全体の2分の1強を占める略直角二等辺三角形部分であって,正面の全体における面積比では,約12分の1の大きさ及び範囲であるのに対して,引用部分は,通常の使用状態において包装用袋の左上角の,袋の外形線に接するように位置した,縦の長さが袋全体の約6分の1で,横の長さが袋全体の約3分の1を占める略直角二等辺三角形部分であって,正面の全体における面積比では,約36分の1の大きさ及び範囲である。

3 両部分の形態の対比
両部分の形態を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(1)共通点について
両部分共に,頂角を円弧状に形成した略直角二等辺三角形である点。

(2)相違点について
ア 直角二等辺三角形の頂角につき,本願部分は,底辺の長さの約5分の1の半径の円弧状に形成したのに対して,引用部分は,底辺の長さの約9分の1の半径の円弧状に形成したものである点。
イ 直角二等辺三角形の底角につき,本願部分は,小円弧状に形成したものであるのに対して,引用部分は,角である点。
ウ 色彩につき,本願部分は,やや暗調子にした無彩色であるのに対して,引用部分は,白色である点。

第5 判断
1 意匠に係る物品の類否判断
両意匠の,意匠に係る物品は,いずれも「包装用袋」であるから,一致している。

2 両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の評価
両部分は,包装用袋のための装飾という用途及び機能を有しているから,両部分の用途及び機能は,一致している。
本願部分は,通常の使用状態において包装用袋の左下角の,袋の外形線よりやや内側に位置した,縦の長さが袋全体の約3分の1で,横の長さが袋全体の2分の1強を占める略直角二等辺三角形部分であって,正面の全体における面積比では,約12分の1の大きさ及び範囲であるのに対して,引用部分は,通常の使用状態において包装用袋の左上角の,袋の外形線に接するように位置した,縦の長さが袋全体の約6分の1で,横の長さが袋全体の約3分の1を占める略直角二等辺三角形部分であって,正面の全体における面積比では,約36分の1の大きさ及び範囲である。
この種物品分野においては,正面の上側角(左上角または右上角)に直角三角形の模様を施すことは,ありふれた形態と認められるから,引用部分は,ありふれた範囲内のものであるといえるが,正面左下とした本願部分は,ありふれた範囲内のものとまではいえない。
そして,本願部分は,袋の外形線よりやや内側に位置しているため,袋の外形線とは独立して存在しているが,引用部分は,袋の外形線に接しているため,袋の外形線(袋自体の形態)がそのまま頂角の形状として表れており,これによって,観者は,袋の角を斜めに区切った模様が施されているとの印象を得るため,その印象は,本願部分から受ける印象とは大きく異なるといえる。
また,正面の全体における面積比で,両部分には,約3倍もの大きさの違いが認められ,この大きさの相違により視覚的な印象が異なっている。

3 両部分における形態の評価
(1)共通点について
共通点については,略直角二等辺三角形ということで,若干の共通感を生じさせているが,包装用袋の分野においては,長方形の袋の正面の角部に略直角二等辺三角形の模様を施すことはよく見られる形状であるから,両意匠のみの特徴ある共通点とはいえず,両部分の類否判断に与える影響は一定程度にとどまる。

(2)相違点について
相違点アについて,本願部分は,直角二等辺三角形の印象を崩すほど大きな円弧であるのに対して,引用部分は,直角二等辺三角形の印象を崩すほどではないものであるから,その印象は異なり,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点イについて,本願部分は,小円弧状であるので,相違点アと相まって,模様部分全体が丸い印象を与えるものであるのに対して,引用部分は,三角形の本来の形状である角であるから,相違点アと相まっても,直角二等辺三角形の印象を逸脱するものではないから,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度認められる。
相違点ウについて,明度差が認められるため,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度認められる。

(3)両部分における形態の類否判断
以上のとおり,共通点が両意匠の類否判断に与える影響は,一定程度にとどまるものであり,この共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点は,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
よって,本願部分の形態と引用部分の形態は,部分における全体観察においては類似しないと認められる。

4 両意匠における類否判断
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の用途及び機能が一致しているが,上記のとおり,両部分の位置,大きさ及び範囲は,視覚的な印象が異なっており,加えて本願部分と引用部分の形態は類似しないものであるから,本願意匠と引用意匠とは類似しない。

第6 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-07-01 
出願番号 意願2017-27532(D2017-27532) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-08-09 
登録番号 意匠登録第1640317号(D1640317) 
代理人 吉田 親司 
代理人 永芳 太郎 
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