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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1354142 
審判番号 不服2019-4024
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-27 
確定日 2019-08-01 
意匠に係る物品 包装用缶 
事件の表示 意願2018-3160「包装用缶」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとし,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成30年(2018年)2月16日の意匠登録出願であって,同年8月14日付けの拒絶理由の通知に対し,同年9月27日に意見書が提出されたが,同年12月25日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,平成31年3月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面(図面代用写真)によれば,意匠に係る物品を「包装用缶」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(「形状,模様及び色彩あるいはこれらの結合」を以下「形態」ともいう。)を願書の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとしたものであり,「図面代用写真中,赤色を施した部分以外の部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
掲載箇所: YouTubeが運営する動画共有サービス「YouTube」上のチャンネル「シネマトゥデイ」内
表題: 稲垣吾郎&香取慎吾「オールフリー」CM「いきてるっ!」篇(30秒)
媒体のタイプ: on line
掲載年月日: 平成30年 2月 5日
検索日: 平成30年 8月 1日
情報の情報源: インターネット
情報のアドレス:https://www.youtube.com/watch?v=aRVWRSBADRg
にて15秒から複数回表示の包装用缶の意匠


第4 当審の判断
1 各意匠について
本願意匠の新規性について判断するにあたって,(1)新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書(以下「新規性喪失の例外証明書」という。)において公開された意匠(以下「証明書意匠」という。),(2)自身がオンエアするTV-CMにおいて公開された意匠(以下「オンエア意匠」という。)及び(3)引用意匠の各意匠について,公開された内容を検討して,公知性を判断する。

(1)新規性喪失の例外証明書について
意匠登録出願人(本件請求人と同じ。以下,単に「出願人」という。)から,平成30年2月16日に提出された「新規性喪失の例外証明書」に記載された内容は,以下のとおりである。

(A)公開の状況
(a)公開した意匠
サントリーホールディングス株式会社のホームページのニュースリリースページにおける[新「オールフリー」発売]に掲載の「包装用缶」の意匠
(b)公開の方法
インターネット上の下記アドレスに掲載
https://www.suntory.co.jp/news/article/13050.html
(c)公開した者
サントリーホールディングス株式会社
(d)公開した日
平成29年11月28日

(B)公開した証明書意匠の認定
縦長円筒形の,2ピース型の包装用缶であって,全体が白色を基調としたものであって,正面側半面に,左辺下端寄りから右辺中央やや下に向けて幅広となる三角形状の藍色部(以下「三角形状部」という。)を表し,三角形状部内の右上に金色の円模様を配し,三角形状部の斜辺と白色部との間に右方に向けて漸次太幅となる金色の帯状部を設けたもので,缶の中央上側約4分の1の位置に金色で縦向きの麦穂を,その下から順番に金色で「SunTORY」,藍色で「ALL-FREE」と「オールフリー」,金色で横長長方形枠の中に「ノンアルコール」を缶の上下中央やや下の高さまでに縦に配列したものである。

(2)自身がオンエアするTV-CMについて
請求人(本件出願人)が,「サントリー公式チャンネル」として,動画共有サービス「YouTube」に掲載した内容(審判請求書の「参考資料1」。別紙第3参照)は,以下のとおりである。

(A)公開の状況
(a)公開した内容
動画共有サービス「YouTube」に,「サントリー公式チャンネル」のコマーシャル動画として公開。
・タイトル:「オールフリー『生きてる!』篇(30秒)」
(b)公開の方法
インターネット上の下記アドレスに掲載
https://www.youtube.com/watch?v=mDoDBUiChvc
(c)運営者
サントリーホールディングス株式会社
(d)オンエア開始日
平成30年2月12日

(B)公開した動画の内容
出演者の一人(以下「A」とする。)が歩いて来る,出演者のもう一方(以下「B」とする。)が歩いている,そして,出演者2人が並んで歩いてきて,「ALL-NEW!」と「ALL-FREE!」の文字が大写しになり,次に,出演者2人は,青い階段を登る。
青空をバックに,Bが包装用缶に入った商品を飲むところをバストアップで映し出され,続いて,Aが包装用缶に入った商品を飲むところをバストアップで映し出される。
Bの背中に白い大きな翼が生え,続いてAにも翼が生える。町並みを眼下にした翼の生えた両者の後姿が映り,翼が取れた2人が包装用缶を持っているシーンになって,ビール様飲料のアップを背景に「生きてるっ。」文字が映し出され,青空を背景に「sunTORY」と「ALL-FREE」の文字とコップにつがれたビール様飲料及び包装用缶が映し出され,最後に,青空をバックに出演者2人の遠望と,「2.13」の文字が映し出される。

(C)動画中に表れているオンエア意匠の認定
縦長円筒形の,2ピース型の包装用缶であって,全体が白色を基調としたものであって,正面側半面に,左辺下端寄りから右辺中央やや下に向けて幅広となる三角形状の藍色部(以下「三角形状部」という。)を表し,三角形状部内の右上に金色の円模様を配し,三角形状部の斜辺と白色部との間に右方に向けて漸次太幅となる金色の帯状部を設けたもので,缶の中央上側約4分の1の位置に金色で縦向きの麦穂を,その下から順番に金色で「SunTORY」,藍色で「ALL-FREE」と「オールフリー」,金色で横長長方形枠の中に「ノンアルコール」を缶の上下中央やや下の高さまでに縦に配列したものである。

(3)引用意匠について
原査定における拒絶の理由に引用された意匠の内容は,以下のとおりである。

(A)公開の状況
上記第3のとおり。

(B)公開した動画の内容
出演者の一人(以下「A」とする。)が歩いて来る,出演者のもう一方(以下「B」とする。)が歩いている,そして,出演者2人が並んで歩いてきて,「ALL-NEW!」と「ALL-FREE!」の文字が大写しになり,次に,出演者2人は,青い階段を登る。
青空をバックに,Bが包装用缶に入った商品を飲むところをバストアップで映し出され,続いて,Aが包装用缶に入った商品を飲むところをバストアップで映し出される。
Bの背中に白い大きな翼が生え,続いてAにも翼が生える。町並みを眼下にした翼の生えた両者の後姿が映り,翼が取れた2人が包装用缶を持っているシーンになって,ビール様飲料のアップを背景に「生きてるっ。」文字が映し出され,青空を背景に「sunTORY」と「ALL-FREE」の文字とコップにつがれたビール様飲料及び包装用缶が映し出され,最後に,青空をバックに出演者2人の遠望と,「2.13」の文字が映し出される。
また,画面の左下にシネマトゥデイのアイコンが付加されている。

(C)動画中に表れている引用意匠の認定
縦長円筒形の,2ピース型の包装用缶であって,全体が白色を基調としたものであって,正面側半面に,左辺下端寄りから右辺中央やや下に向けて幅広となる三角形状の藍色部(以下「三角形状部」という。)を表し,三角形状部内の右上に金色の円模様を配し,三角形状部の斜辺と白色部との間に右方に向けて漸次太幅となる金色の帯状部を設けたもので,缶の中央上側約4分の1の位置に金色で縦向きの麦穂を,その下から順番に金色で「SunTORY」,藍色で「ALL-FREE」と「オールフリー」,金色で横長長方形枠の中に「ノンアルコール」を缶の上下中央やや下の高さまでに縦に配列したものである。

2 各意匠の評価
上記1より,証明書意匠,オンエア意匠及び引用意匠は,同一の形態と認められる。

3 2つの動画について
上記1より,オンエア意匠が表れている動画(以下「オンエア動画」という。)と,引用意匠が表れている動画(以下「引用動画」という。)の内容は,同一と認められる。

4 オンエア意匠の公知性について
出願人自らの証明書意匠の形態と,出願人自らが公開したオンエア意匠の形態が同一であるから,オンエア意匠は,本願の出願前に公開されているが,証明書意匠に基づく第2回以降に公開した意匠と認められ,意匠法第4条第2項により,意匠法第3条第1項第1号又は第2号に該当するに至らなかったものとみなす。

5 引用動画の公知性について
出願人自らが公開したオンエア動画の内容と,引用動画の内容が同一のものであるから,引用動画は,出願人が自社の公式チャンネルで平成30年2月12日に公開したオンエア動画と同じ内容のものが,オンエア動画の公開より前の平成30年2月5日に「YouTube」上のチャンネル「シネマトゥデイ」に掲載されたものと推認できる。
一方,審判請求書に添付された参考資料2に係る文書は,株式会社電通パブリックリレーションズの担当者が平成30年2月6日に作成したものであり,以下の事項が記載されていると認められる。
ア.オンエア動画を2月10日からオンエア開始すること。
イ.オンエア動画の概要がストーリーボード(30秒の場合は,16枚の写真)で説明されていること。
ウ.当該文書に係る情報の解禁を2月6日午前4時とすること。
また,株式会社電通パブリックリレーションズは,クライアントの依頼を受けて,商品等の宣伝広告を行う会社であるから,オンエア動画は株式会社電通パブリックリレーションズにより作成され,請求人(出願人本人)との間でオンエア動画についての秘密を保持する合意がなされていたと推認できる。
そうすると,オンエア動画が存在することや,オンエア動画の内容は,2月6日午前4時より前には,請求人及び株式会社電通パブリックリレーションズによって,秘密が保持されるように扱われていたと認定できるところ,引用意匠は,2月6日午前4時より前の2月5日に公開されているから,引用意匠の公開は,請求人,すなわち意匠登録を受ける権利を有する者の意に反してされたものというほかない。
また,本願は,引用意匠が公開された2月5日から6月以内の2月16日に出願されているから,意匠法第4条第1項の規定により,引用意匠は,意匠法第3条第1項第1号又は2号に該当するに至らなかったものとみなす。

6 小括
したがって,オンエア意匠と引用意匠のいずれも意匠法第3条第1項第1号又は第2号に該当するに至らなかったものとみなす。

第5 結び
以上のとおり,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-07-19 
出願番号 意願2018-3160(D2018-3160) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-08-16 
登録番号 意匠登録第1640857号(D1640857) 
代理人 永芳 太郎 
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