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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 L7
管理番号 1356872 
審判番号 不服2019-6207
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-13 
確定日 2019-10-04 
意匠に係る物品 構築物の出入り用開口部構成用縦枠材 
事件の表示 意願2018-11769「構築物の出入り用開口部構成用縦枠材」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成30年(2018年)5月29日の意匠登録出願であって,同年9月21日付けの拒絶理由の通知に対し,同年11月1日に意見書が提出されたが,平成31年2月18日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,令和1年(2019年)5月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「構築物の出入り用開口部構成用縦枠材」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1487851号
(意匠に係る物品,間仕切り用竪枠材)の意匠

第4 当審の判断
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「構築物の出入り用開口部構成用縦枠材」である。

(2)本願意匠の形状
本願意匠は,願書に添付した図面中,正面図において上下にのみ連続する,いわゆる長尺材である。
本願意匠は,ごく薄い板を折り曲げて形成したようなものであって,中央に戸先部分を収容する浅い長方形状の収容溝を持ち,その左右両側を略横長長方形状で外側に角面取り部を設けた縁側部としたもので,全体が,左右対称形の扁平(へんぺい)な凹字状と成るものである。
そして,縁側部を構成する側面板部の後端には,内方向に突出する突出板部がある。
収容溝の幅を1とした場合,全幅の寸法は約2.2で,厚さ(奥行)は約0.3で,縁側部の横幅は約0.6である。
面取り部は,厚さの半分以上を占める大きさである。

2 引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「間仕切り用竪枠材」である。

(2)引用意匠の形状
引用意匠は,願書に添付した図面中,正面図において上下にのみ連続する,いわゆる長尺材である。
引用意匠は,薄板を折り曲げて形成したようなものであって,中央に戸先部分を収容する浅い長方形状の収容溝を持ち,その左右両側を略横長長方形状で外側に丸面取り部を設けた縁側部としたもので,全体が,左右対称形の扁平な凹字状と成るものである。
そして,縁側部を構成する側面板部の後端には,内方向に突出する突出板部がある。
収容溝の幅を1とした場合,全幅の寸法は約2.7で,厚さは約0.6で,縁側部の横幅は約0.8である。
面取り部は,厚さの半分以下の大きさである。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品は「構築物の出入り用開口部構成用縦枠材」であり,引用意匠に係る物品は「間仕切り用竪枠材」である。

(2)両意匠の形状の対比
両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
(ア)薄板を折り曲げて形成したような長尺材である点。
(イ)中央に浅い長方形状の収容溝を持つ点。
(ウ)収容溝の左右両側を略横長長方形状の縁側部とした点。
(エ)縁側部の外側に面取り部を設けた点。
(オ)全体が,左右対称形の扁平な凹字状と成るものである点。
(カ)側面板部の後端には,内方向に突出する突出板部がある点。

イ.相違点について
(ア)縁側部に設けた面取り部につき,本願意匠は,角面であるのに対して,引用意匠は,丸面である点。
(イ)面取り部の大きさにつき,本願意匠は,厚さの半分以上を占める大きさであるであるのに対して,引用意匠は,厚さの半分以下の大きさである点。
収容溝の幅を1とした場合の,各部の寸法について,
(ウ)全幅の寸法につき,本願意匠は,約2.2であるのに対して,引用意匠は,約2.7である点。
(エ)厚さにつき,本願意匠は,約0.3であるのに対して,引用意匠は,約0.6である点。
(オ)縁側部の横幅につき,本願意匠は,約0.6であるのに対して,引用意匠は,約0.8である点。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠の意匠に係る物品は「構築物の出入り用開口部構成用縦枠材」であり,引用意匠の意匠に係る物品は「間仕切り用竪枠材」であるが,共に,構築物の出入り用開口部を形成するもので,出入り用開口部を構成する枠のうち,縦方向に配設されるものであるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

(2)両意匠における形状の評価
ア.共通点について
(ア)共通点の内,(ア)ないし(ウ),(オ)及び(カ)の点は,両意匠の全体形状に関わる根幹的な形状ではあるが,この種物品分野において,ごくありふれた形状と認められるから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(イ)共通点(エ)については,面取り部を設けないものが,この種物品分野において,数多くみられる中で,一定程度の共通感を生み出しているが,概括的な共通点であって,具体的には相違点(ア)及び(イ)が存在することから,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度にとどまるものである。

イ.相違点について
(ア)相違点(ア)については,使用状態において目に付きやすい箇所の相違であるところ,相違点(イ)と相まって,具体的な形状と大きさの相違が認められるものであって,両意匠において異なる印象を与えるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
(イ)相違点(ウ)ないし(オ)については,これらの相違によって,相対的に,本願意匠は,薄くて小さいものという印象を与えるのに対して,引用意匠は,厚くて大きいものという印象を与え,両意匠において異なる印象を与えるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
(ウ)また,相違点(ア)及び相違点(ウ)ないし(オ)によって,本願意匠は,薄くてシャープな印象であるのに対して,引用意匠は,厚くて柔らかい印象を生むものであるから,この点からも,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響は,小さい,または一定程度にとどまるものであり,これらの共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点(ア)ないし(オ)は,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると,本願意匠の形状と引用意匠の形状は,類似しないと認められる。

(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似しない。

5 結び
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-09-24 
出願番号 意願2018-11769(D2018-11769) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (L7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 上島 靖範 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-11-08 
登録番号 意匠登録第1647062号(D1647062) 
代理人 岡本 清一郎 
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