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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 L3
管理番号 1051769 
審判番号 不服2001-4511
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2002-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-03-23 
確定日 2001-12-25 
意匠に係る物品 手すり用コーナー具 
事件の表示 平成11年意匠登録願第 22107号「手すり用コーナー具」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願意匠は、平成11年8月18日の意匠登録出願に係り、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「手すり用コーナー具」とし、その形態を願書に添付した図面に記載のとおりとするものである。
2.原審の拒絶理由
これに対して、原審の拒絶の理由は、要旨以下のとおりである。
本願意匠の分野においては、複数の部品を組み合わせてコーナー具とすることが良く行われているが、本願意匠は、例を挙げるまでもなく公知のドーム状の手すり用キャップと、これも手すり等のコーナー部によく使用される曲げ円管(例えば登録意匠公報第208077号意匠中のコーナー部にみられる。)とを、この種物品の通常の結合状態に単に結合して構成した程度にすぎず、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形状の結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるから、意匠法第3条第2項の規定に該当し、意匠登録を受けることができない。
3.請求人の主張
上記拒絶理由による拒絶査定を不服として本件審判を請求した請求人の主張は、要旨以下のとおりである。
(1)本願意匠は、二本の手すり部材を通路のコーナー部で接続するに当たって、そこに対応した角度とすることができるように、半球状の雄部材と、これを係入することができる開口端部を有する雌部材とを一対として用いるものである。
(2)原審の拒絶理由が述べる、「公知のドーム状の手すり用キャップ」は、手すりの端部を単に覆い隠し飾りとして機能するに過ぎないものであり、それ単独で用いるものである。
(3)原審の引用意匠(登録第208077号)中のコーナー部にみられる曲げ円管は、所定の角度をなす二本の管を単に接続するために用いる管継手であり、それ単独で用いるものである。
(4)原審は、「本願意匠の分野においては、複数の部品を組み合わせてコーナー具とすることが良く行われている」と述べるが、本願意匠のように、「係合する雄・雌部材が互いに首振り自在で自由角度にできる」ものは、斬新であるから、本願意匠は、「公知のドーム状の手すり用キャップ」と「引用意匠中のコーナー部にみられる曲げ円管」とを、この種物品の通常の結合状態に単に結合して構成したものではない。
(5)したがって、本願意匠は、容易に創作をすることができたものではなく、意匠法第3条第2項の規定に該当しないから、意匠登録を受けることができる。
4.当審の判断
そこで、検討すると、請求人の主張(1)の点については、願書の意匠に係る物品の説明及び願書添付の図面の記載によれば、本願意匠の要旨は、雄部材と雌部材を係合して一対で用いるものであることが認められる。また、主張(2)及び(3)の点については、当審の調査によれば、「公知のドーム状の手すり用キャップ」及び「引用意匠中のコーナー部にみられる曲げ円管」等は、いずれも普通それぞれ単独で用いるものであることが認められる。主張(4)の点については、当審の調査によれば、原審の述べるとおり、「本願意匠の分野においては、複数の部品を組み合わせてコーナー具とすることが良く行われている」ことは、認めることができる。
しかしながら、種々みられるコーナー具は、いずれも複数の部品を「回転軸等の連結部材を介して複数の部品同士が分離できないように」組み合わせたものであって、本願意匠のように、「係合する雄・雌部材が互いに首振り自在で自由角度にできる」もの、若しくは、それに類するようなものは発見しない。
そうすると、本願意匠は、「公知のドーム状の手すり用キャップ」と「引用意匠中のコーナー部にみられる曲げ円管」等とを、「この種物品の通常の結合状態に単に結合して」構成したに過ぎない、ということはできない。そうして、本願意匠のような構成態様とすることは、この種の物品分野において他にそれに類するようなものも見あたらないことから、本願意匠の構成について当業者が容易になし得ることであるということはできない。
したがって、本願意匠は、容易に意匠の創作をすることができたものと認めることができないから、意匠法第3条第2項の規定に該当しない。
5.むすび
以上のとおり、原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。また、他に本願について拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2001-12-13 
出願番号 意願平11-22107 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (L3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 川越 弘 
特許庁審判長 足立 光夫
特許庁審判官 伊藤 栄子
藤 正明
登録日 2002-01-25 
登録番号 意匠登録第1136243号(D1136243) 
代理人 福田 進 
代理人 藤田 邦彦 

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