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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 A1
管理番号 1055203 
審判番号 不服2000-20564
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2002-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-11-20 
確定日 2002-02-06 
意匠に係る物品 メレンゲ菓子 
事件の表示 平成11年意匠登録願第 8353号「メレンゲ菓子」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願の意匠は、平成11年3月30日の意匠法第4条2項の規定の適用を受けようとする意匠登録出願に係り、その願書及び添付の図面代用写真によれば、意匠に係る物品が「メレンゲ菓子」であって、その形態が、同図面代用写真に示すとおりである(別紙第一参照)。
2.経緯及び引用意匠
(1)これに対して、原審は、「本願意匠と新規性喪失例外適用のための証明書に表された意匠は、本体下端部の態様、人形が手にしている飾り部の態様に相違が認められ、これらの相違は、本願意匠の属する分野において通常の知識を有する者が技術的に当然そう成りうると判断する同一の範囲を逸脱しており、よって当該意匠は新規性喪失のための適切な証明要素とはなりません。」との通知書と共に、本願意匠は、1998年10月にアートキャンディ株式会社が発行した内国カタログ「春の宴」の第2頁中央右に掲載された意匠(以下、「引例意匠」という(別紙第二参照)に類似するものとし、意匠法第3条第1項第3号に該当するとの拒絶の理由を通知したものである。
(2)この拒絶の理由に対して、審判請求人は意見書及び資料を提出し、本願の意匠は証明書に添付した意匠と同一性を有するものである旨主張したが、その主張は採用されず、前記拒絶の理由により拒絶の査定がなされたものである。
(3)これを不服として、審判請求人は本件審判の請求をし、その請求理由において、意匠法4条2項の立法趣旨に適う同一とされる意匠の範囲については、「この立法趣旨に照らせば、公知、刊行物公知における同一性の要件のうち、法律上の概念として、物理的に形態が完全に一致するものだけでなく、形態において微差があっても、同条の立法趣旨に適した限度で、社会通念上、意匠の表現として同一の範囲と理解されるものをいうと解するのが相当である。(平成8年2月28日判決言渡、平成7年(行ケ)第159号判決)」との判決理由を示し、「この判決の意図するところを本件に当てはめると、台座は文字通り扁平な白い板であって、何ら意匠的特徴のあるものでなく、意見書に添付した資料に明かなように台座をつけたものもつけないものも普通の態様として存在しているのであり、公知意匠に存在しない台座を加える程度の改変は、判決に言う『量産化に際して試作品に通常加えられる程度の範囲で改変されたもの』に相当するものである。したがって、本願の意匠と証明する書面に添付された公知意匠との同一性を否定した理由には妥当性がなく、公知意匠を先行意匠として意匠法第3条第1項第3号に該当するとすることには妥当性がない。」と主張している。
3.当審の判断
まず、本願が、意匠法第4条2項の規定に規定する新規性喪失の例外適用を受けることの是非について検討する。
ところで、原審は、本願が意匠法第4条2項の規定に規定する新規性喪失の例外適用を受けることができない理由について、前記のとおり、「本願意匠と新規性喪失例外適用のための添付資料の意匠は、人形が手にしている飾り部の形状、人形の下端部の態様に相違が認められ、これらの相違は、その意匠の実施に当たり、本願意匠が属する分野において通常の知識を有する者が技術的に当然そう成りうると判断する同一の範囲を逸脱しており、よって両意匠は同一の意匠であると認められない。」としている。
そこで、審案するに、本願意匠が意匠法第4条2項に規定する意匠であることを「証明する書面」に添付された公知意匠と本願の意匠との同一性について考察すると、両意匠は、(1)人形が手にしている飾りの形状の突出部及び稜線の数及び(2)人形の下端部の台座の有無に相違が認められる。
しかしながら、(1)の点は、この種の物品の意匠が、その製造過程において手工芸的な手法を要することを考慮すると、両意匠に見られる突出部及び稜線の相違は、製造上当然生じる程度のものであり、両意匠の同一性を否定する程のものとはいえない。(2)の点について、人形下端部の台座の有無について、その台座は単なる扁平な白い板状のもので、極ありふれた態様のものであり、また、この種の物品の意匠において、創作の対象となるのは、人形自体の形状や表情などであって、看者においても人形自体の形態に着目してこれを観察するものであり、その台座の意匠的効果は極めて弱いものであり、さらに、本願意匠を飾る際に台座を設けることは、その飾る対象により適宜選択されることが普通に知られている(出願人が平成12年4月13日付け意見書に添付した資料、株式会社金久発行の内国カタログ及びアートキャンディ株式会社発行の内国カタログ参照)ことを考慮すると、「証明する書面」に添付された公知意匠と本願の意匠とに前記(1)及び(2)の相違があるとしても、それは微差であって、立法趣旨に適した限度で、社会通念上、意匠の表現として同一性の範囲内にあるものと解するのが相当であり、本願の意匠については、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けることができるものというべきである。
そうすると、原審が引用した「1998年10月にアートキャンディ株式会社が発行した内国カタログ『春の宴』の第2頁中央右に掲載された意匠は、意匠法第4条2項に規定する新規性喪失の例外の適用を受けることができる意匠であり、その意匠を引用した原審の拒絶の理由には違法がある。
なお、本願は、平成11年3月30日の出願であり、特許法等の一部を改正する法律(平成10年法律第51号、平成10年5月6日公布、平成11年1月1日施行)の適用を受けるものである。
4.まとめ
以上のとおりであるから、本願の意匠について意匠法第4条2項の規定の適用を認めず、意匠法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶すべきものとした原審の査定は取り消しを免れない。
また、他に本願について拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2002-01-16 
出願番号 意願平11-8353 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (A1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 高野 善民斉藤 孝恵久保田 大輔 
特許庁審判長 吉田 親司
特許庁審判官 木村 恭子
西本 幸男
登録日 2002-03-08 
登録番号 意匠登録第1140215号(D1140215) 
代理人 峯 唯夫 
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