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審決分類 審判 無効  2項容易に創作 無効とする L3
管理番号 1058425 
審判番号 無効2001-35002
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2002-06-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-01-04 
確定日 2002-04-30 
意匠に係る物品 燃料タンク用屋根 
事件の表示 上記当事者間の登録第1060286号「燃料タンク用屋根」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1060286号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 請求人の申し立て及び請求の理由
1.請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由として、要旨以下のとおり主張し、立証として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番を含む)を提出した。
2.請求の理由の要点
意匠登録第1060286号(以下、本件登録意匠という。)は、「燃料タンク用屋根」に関するものである。被請求人は、裁判(東京地裁、平成12年(ワ)第13872号)において、屋根本体部が全体的にほぼ10度の角度で一様に傾斜した片屋根タイプで側面視において左右対称性のない全くの非対称であることが本件登録意匠の要部であり、屋根本体部の上端に斜め上向きの折片部を設けていることも本件登録意匠の要部であると主張するが、請求人は、本件登録意匠の要部は、片屋根タイプの傾斜状の屋根本体にあるものではなく、本件「燃料タンク用屋根」を構成する各部の具体的形状の特徴を加味した全体的形状の特徴に求められるべきものであると考える。従って、仮に、本件登録意匠の要部が被請求人が主張するようなものであるならば、本件登録意匠は、請求人提出の公知資料により無効とされねばならない。
本件登録意匠において被請求人が要部と主張する片屋根タイプで、屋根本体が傾斜状というのは全て本件登録意匠出願前より公知な形状である。また、屋根において上端部に斜め上向きに切片部を設けるのも屋根にあっては通常用いられる手段である。従って、これらの公知形状からのみ成る本件登録意匠は無効にされなければならない。
第2 被請求人の答弁及び答弁の理由
1.被請求人は、「意匠登録第1060286号に対する無効審判の請求は、これを棄却する、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由として、要旨以下のとおり主張し、立証として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
2.本件登録意匠は、四方に壁板を設けないタイプの燃料タンク用屋根に関する意匠である。本件登録意匠は、屋根部と、その屋根部を、下面に取付けたスライド杆を介して支持する屋根支持部と、その屋根支持部の下部に取付けた脚部とより構成されている。屋根部は、種々の異なる横幅の燃料タンクに対応し得るように、前記スライド杆に沿って、左右の脚部をスライドすることができる形態となっている。屋根部は、前後方向にも数段階に移動して、その位置を調節できる形態となっている。屋根部は、屋根本体部と、その上端に斜め上向きに付設した折片部と、下端に斜め下向きに付設した軒片部とより構成され、屋根本体部は、所定角度で傾斜し、所謂片屋根タイプの形態となっている。
上記のすべての特徴を有するように構成された形態が、本件登録意匠の全体としての骨格を成し、意匠としての形態全体の基調を決定づけるものである。
意匠の類否判断は、意匠を構成する各部分の差異にとらわれることなく、あくまでも全体観察により、意匠の骨格を成し、意匠としての形態全体の基調を成す美感の類否によって判断されるべきものである。
本件登録意匠は、請求人が提出した各甲号証のいずれの意匠と対比しても非類似であるとともに、仮にこれら各甲号証を組合せてみても、容易に創作できたものでないことは明らかである。
第3 口頭審理
1.本件審判について、当審は、平成13年12月10日に口頭審理を行った。(平成13年12月12日付け第1回口頭審理調書)
請求人は、本件登録意匠は、意匠法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたものである旨述べた。
被請求人は、甲第1号証から甲第10号証の証拠の成立を認めた。
2.無効理由通知
審判長は、被請求人に対して、次のとおり、無効理由の通知をした。
「本件登録意匠は、燃料タンク用屋根に係るものであるが、この種物品の属する分野においては、屋根支持杆で略矩形状の屋根板を固定し、支持脚によって燃料タンクに取り付ける態様のものや、屋根板とパネルで略箱状に形成し、燃料タンクを収容する態様のもの等、種々の態様のものが見られるところであって〔例えば、特許庁発行の公開実用新案公報:平5-16636号、昭56-121632号、昭62-130032号(甲第4号証)、実用新案公報:昭43-15148号(甲第3号証)等参照〕、屋根板及び屋根支持杆を前後に移動可能とした態様のものが本件登録意匠の出願前から一般的に知られており(例えば、上記、平5-16636号に記載の意匠参照)、また、屋根板を傾斜させた態様のものや、傾斜させた屋根板の後端部を上方に折り曲げた態様のものも一般的に知られているところである(例えば、上記、昭62-130032号、昭43-15148号に記載の各意匠参照)。
そこで、本件登録意匠を全体として総合的に検討するに、本件登録意匠は、全体をこの種物品の属する分野において一般的に知られている燃料タンク用屋根の形状(上記、公開実用新案公報:平5-16636号に記載の意匠参照)をほとんどそのまま表した程度の態様とし、屋根板及び屋根支持杆を傾斜させて屋根板後端部を上方に折り曲げるなど、通常なされる程度の改変を加えて燃料タンク用屋根の形態とした程度の創作と認めざるを得ないものであり、結局、本件登録意匠は、その意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において広く知られた形状に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められる。
したがって、本件登録意匠は、意匠法第3条第2項の規定に該当し、その意匠登録は、同法第同条の規定に違反してされたものであるから、その意匠登録を無効とすべきである。
この無効理由の通知に対して意見がありましたら、意見書の正本1通及びその副本2通を、本日から40日以内に提出してください。」
第4 無効理由の通知に対する被請求人の主張
1.被請求人は、上記無効理由の通知に対して、平成14年1月15日付で審判事件答弁書(乙第4号証ないし乙第6号証を添付)を提出し、要旨以下のとおり主張した。
2.本件登録意匠は、平成10年改正意匠法施行日前の出願に係るものであり、改正前の意匠法が適用されるものである。したがって、本件無効理由通知において、挙げられている意匠法第3条第2項の規定の適用を事由として、無効とされるには、本件登録意匠が、『日本国内において広く知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「周知の形状等」)に基いて容易に意匠の創作をすることができた』ものでなければならない。
3.前記「周知の形状等」の意味するところについては、最高裁判所判例(昭和48年(行ツ)第82号、昭和45年(行ツ)第45号)によれば、意匠法第3条第2項の規定における「周知の形状等」といえるためには、物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして日本国内において周知であることを要するものである。さらに、東京高等裁判所判例(昭和62年(行ケ)第195号)によれば、意匠法第3条第2項の規定における「周知の形状等」といえるためには、当業者がその形態を現実に認識していたことが必要であって、その意匠の形態について、当業者である創作者が知らないということができないほど知れわたっていることを要するものである。
4.特許庁作成の「意匠審査の運用基準」の解釈によれば、「周知の形状等」に該当するとするには、公知のうち、その名称をいえば、証拠を出すまでもなく思い浮かべることができる「広く知られた」状態にある形状等であることを要するものである。
本件登録意匠は、旧法適用出願であり、意匠法第3条第2項の規定が適用されて無効とされるのは、審査運用基準における3-5100〜3-5300に該当する場合のみであると認められる。
5.本件無効理由の引用例は、4件である。しかし、4件の引用例に示される意匠は、a)物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして日本国内において周知であること、b)当業者が知らないということができないほど知れわたっていること、c)その名称をいえば、証拠を出すまでもなく思い浮かべることができる「広く知られた」状態にあること、のいずれにも、明らかに該当しないものである。すなわち、各引用例に示される意匠は、意匠法第3条第2項の規定における「周知の形状等」の要件を具備しないものである。
6.本件登録意匠は、審査運用基準3-5200、3-5300のいずれにも該当しないことは明らかである。また、各引用例に示される意匠における形状等は、3-5100に記載されている『いろいろな物品に用いられている』形状等でないことも明らかである。したがって、甲第3号証(実公昭43-15148号)においては、上方に折り曲げた屈曲部が記載されているが、この一事をもって、本件無効理由のように結論することは、甲第3号証に示される意匠が『その名称をいえば、証拠を出すまでもなく思い浮かべることができる「広く知られた」状態にある』ものでないことから、余りにも飛躍した論法と言わざるを得ない。
7.以上のように、本件登録意匠は、最高裁判所等の判決および意匠審査の運用基準に照らして考察した結果として、意匠法第3条第2項の規定に該当するとの理由で無効とされるべき何らの事由も存しないものである。
第5 当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、意匠登録原簿及び出願書類の記載によれば、平成9年9月19日の意匠登録出願(意願平9-68184)に係り、平成11年10月22日に登録第1060286号として意匠権の設定の登録がなされたものであって、意匠に係る物品を「燃料タンク用屋根」とし、その形態を別紙第一に示すとおりとするものである。
すなわち、その形態の要旨は、全体を略横長矩形状の薄板状の屋根板と屋根支持杆及び支持脚で構成したものであって、屋根板は、前端部を折り曲げて傾斜片を形成し、後端部を上方に折り返して折曲片を形成して、屋根板全体を前方下がりに緩やかに傾斜させたものであり、屋根支持杆は、屋根板下面の長手方向に設けた二本の棒状材に取り付けて、屋根板の両側辺寄りに設け、その側面には複数のボルト孔を形成し、支持脚は、縦長の垂直状に設け、上端の略逆台形状の取付板によって屋根支持杆と連結し、そして、屋根板及び屋根支持杆を前後に移動可能とした態様のものである。
2.当審の無効理由について
意匠法第3条第2項の規定(平成10年改正前の第3条第2項の規定)の趣旨は、出願に係る意匠について、全体として観察し、同一又は類似と認められる先行意匠がなく、第3条第1項新規性の要件を満たしているものであっても、その意匠が、国内において広く知られた形状等に基づいて当業者が容易に意匠の創作をすることができたものであるときは、意匠登録を受けることができないとするものである。すなわち、意匠登録を受けることができる意匠は、新規性の要件を満たすだけではなく、一定水準以上の創作性を有するものでなければならない。
意匠の形態は、立体的なまとまりを形成しているものであり、一般的に従来から見られる構成要素と新規な構成要素が相俟って形態を形成している場合が多いが、しかし、形態を構成する個々の要素の評価のみに基づいて或いは意匠的効果の差異によって意匠の創作容易性を判断するものではない。広く知られた形状等をほとんどそのまま物品に表した程度のものは、問題なく容易に創作することができたものと認められるが、広く知られた形状等を基準として、それらの結合或いは改変によって意匠の創作がなされている場合は、その結合や改変が当業者の立場からみて一般的でありふれた手法であるか否か、容易に着想できたものであるか否かを検討しなければならない。
本件登録意匠の場合、その出願前からこの種の物品分野において広く知られた引用例に示す形状を基準として、これらに基づいて、形態全体を構成し、各部の形状に改変を加えて前記認定のとおりの形態とすることは、当業者において容易に着想し得ることであるといえるから、独創的な要素は認められず、当業者において容易に意匠の創作をすることができたものといわざるを得ないと判断したものである。
3.被請求人の主張について
(1)被請求人は、最高裁判所判例(昭和48年(行ツ)第82号、昭和45年(行ツ)第45号)を示し、意匠法第3条第2項の規定における「周知の形状等」といえるためには、物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして日本国内において周知であることを要するものである旨主張する。
意匠法第3条第2項は、その規定から明らかなとおり、第3条第1項が具体的な物品と結びついたものとしての意匠の同一又は類似を問題とするのとは観点を異にし、物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして国内において広く知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を基準として、それらに基づいて当業者が容易に創作することができた意匠でないことを登録要件としたものであり、そのモチーフの結びつく物品の異同類否は何ら問題とされないから、物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして広く知られた形状に限らず、同一又は類似する物品(分野)の形状であっても、国内において広く知られたものであれば、それら周知の形状等も基準として、意匠の創作の容易性が判断される(最高裁判決:昭和45年(行ツ)第45号判決、「可撓性伸縮ホース事件」参照)。
この点については、最近の判決例をみても、同一又は類似の物品の広く知られた形状を基準として第3条第2項の規定に該当するとした審決が支持されているところである〔平成10年(行ケ)第42号判決、平成10年(行ケ)第90号判決、平成11年(行ケ)第222号判決、平成11年(行ケ)第405号、平成12年(行ケ)第244号判決、平成13年(行ケ)第193号判決、平成13年(行ケ)第281号判決など参照〕。
(2)被請求人は、本件無効理由の4件の引用例(公開実用新案公報:平5-16636号、昭56-121632号、昭62-130032号、実用新案公報:昭43-15148号)に示される意匠は、a)物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして日本国内において周知であること、b)当業者が知らないということができないほど知れわたっていること、c)その名称をいえば、証拠を出すまでもなく思い浮かべることができる「広く知られた」状態にあること、のいずれにも該当しないものであり、意匠法第3条第2項の規定における「周知の形状等」の要件を具備しないものである旨主張する。
この点については、その意匠又は形状が周知であるというためには、その意匠又は形状が一般に知られ得る状態に置かれただけでは足りず、当業者の多くがその意匠を現実に認識していることを要すると解されているところである。引用例として示した意匠は、いずれも特許庁発行の公開実用新案公報又は実用新案公報に記載されたものであるが、これらの公報は、当該出願に係る考案の内容を一般公衆に知らせることを目的として広く頒布されていることは明らかであり、また、公報に記載の考案は、いずれも本件登録意匠の属する分野に関するものであって、燃料タンク用屋根に係る当業者の目に触れることの多い刊行物である。そして、公開実用新案公報は、本件登録意匠の出願の約4年ないし16年前であり、実用新案公報はさらに古いから、本件登録意匠の出願前において、引用例に示された意匠又は形状は、本件登録意匠の属する分野における当業者の間に、既に広く知られ、現実に認識されていたものと推認することができる。
(3)被請求人は、本件登録意匠は、審査運用基準3-5200、3-5300のいずれにも該当しないことは明らかであり、また、各引用例に示される意匠における形状等は、3-5100に記載されている『いろいろな物品に用いられている』形状等でない旨主張する。
意匠登録出願に係る意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否かは、第3条第2項の規定の趣旨及び意匠審査基準に照らして判断することとなるが、意匠審査基準は、各条文ごとに、その解釈及び運用上明らかにしておく必要のある事項を取り上げたものであり、各物品分野の審査に必要な基準及び具体例を全て網羅し、明示したものではない。したがって、必要に応じて出願に係る意匠の属する分野における創作の実情も勘案し、その分野の周知の形状等も基準として、当業者において容易に意匠の創作をすることができたものであるか否かを判断することとなる。
被請求人は、各引用例に示される意匠における形状等は、3-5100に記載されている『いろいろな物品に用いられている』形状等でない旨主張するが、しかし、各引用例に示された意匠が広く知られた形状であることは前述のとおりであり、それらが当該物品においてのみ認められる形状であるとしても、そのことにより周知性が否定されるものではない。(なお、「意匠審査基準」が正しく「審査運用基準」は誤り。別に「平成10年改正意匠法 意匠審査の運用基準」がある。)
(4)被請求人は、実用新案公報の昭43-15148号(甲第3号証)は、上方に折り曲げた屈曲部が記載されているが、この一事をもって、本件無効理由のように結論することは、引用例に示される意匠が『その名称をいえば、証拠を出すまでもなく思い浮かべることができる「広く知られた」状態にある』ものでないことから、余りにも飛躍した論法である旨主張する。
しかし、引用例に示された意匠が広く知られた形状であることは前述のとおりであるから、直ちに思い浮かべることができないとしても、そのことにより周知性が否定されるものではない。
本件登録意匠は、屋根板の後端部を上方に折り返して折曲片を形成した態様のものであるが、この折曲片については、本件の意匠登録出願の審査段階で提出した意見書(平成11年5月19日付)において、既設の壁や建物の外壁に当接させ易くするためのデザインであり、さらに折曲片を傾斜させることにより雨の侵入を防止するものである旨説明している。しかし、意匠の造形処理の観点からみれば、建物の屋外側の壁等に当接させるために物品の屋根板部分に上向きの折曲片を形成することは、種々の物品において相当以前からごく一般的に行われている成形方法の一つであるから、意匠的にみて新規な造形処理ではない(例えば、公開実用新案公報:昭55-123514号参照)。そして、実用新案公報の昭43-15148号(甲第3号証)には、傾斜させた屋根板の後端部を上方に折り曲げた態様のものが記載されており、その態様が周知である以上、本件登録意匠のように、屋根板の後端部を上方に折り返して折曲片を形成する程度のことは、当業者において一般的な造形手法の一つとして容易に着想できたものであるというほかなく、通常なされる改変の範囲と認められる程度の創作である。
(5)本件登録意匠は、その形態の要旨を前記認定のとおりとするものである。一方、引用例として示した公開実用新案公報(平5-16636号)には、全体を略横長矩形状の薄板状の屋根板と屋根支持杆及び支持脚で構成し、屋根板は、前端部及び後端部を折り曲げて傾斜片を形成し、屋根支持杆は、屋根板下面の長手方向に設けた二本の棒状材に取り付けて、屋根板の両側辺寄りに設け、その側面には複数のボルト孔を形成し、支持脚は、縦長の垂直状に設け、上端の略逆台形状の取付板によって屋根支持杆と連結し、そして、屋根板及び屋根支持杆を前後に移動可能とした態様の燃料タンク用屋根の意匠が記載されている。その構成態様において本件登録意匠と相違する点は、屋根板の後端部を上方に折り返して折曲片を形成しているか否かの点と、屋根板全体を前方下がりに緩やかに傾斜させているか否かの点である。他方、屋根板を傾斜させた態様のものや、傾斜させた屋根板の後端部を上方に折り曲げた態様のものも前述のとおり一般的に知られているところである。
これら引用例として示した広く知られた意匠又は形状を基準として、本件登録意匠を全体として総合的にみると、本件登録意匠の出願前からこの種の物品分野において周知の前記の引用例(公開実用新案公報:平5-16636号)に示す燃料タンク用屋根の形状を基準として、これに基づいて、屋根板及び屋根支持杆を傾斜させ、屋根板後端部を上方に折り曲げるなど、一般的な造形手法によって改変を加えて前記認定のとおりの形態とすることは、当業者において容易であったというべきであって、容易に着想できる通常の改変の範囲と認められる程度の創作であるから、本件登録意匠に形態上の差異が多少あるとしても、創作性が認められないことは明らかである。
したがって、被請求人の主張は採用できない。
4.むすび
以上のとおり、本件登録意匠は、意匠法第3条第2項の規定に該当し、その意匠登録は、同法第同条の規定に違反してされたものであるから、同法第48条第1項の規定により、その意匠登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2002-02-21 
結審通知日 2002-02-26 
審決日 2002-03-18 
出願番号 意願平9-68184 
審決分類 D 1 11・ 121- Z (L3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 遠藤 京子 
特許庁審判長 足立 光夫
特許庁審判官 伊藤 栄子
藤 正明
登録日 1999-10-22 
登録番号 意匠登録第1060286号(D1060286) 
代理人 竹沢 荘一 
代理人 中馬 典嗣 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 宮永 栄 
代理人 倉持 裕 
代理人 小出 俊實 
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