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審決分類 審判 判定  同一・類似 属さない(申立成立) D5
管理番号 1058428 
判定請求番号 判定2001-60119
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠判定公報 
発行日 2002-06-28 
種別 判定 
判定請求日 2001-10-26 
確定日 2002-04-25 
意匠に係る物品 厨房台用引き出し 
事件の表示 上記当事者間の登録第1078161号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「厨房台用引き出し」の意匠は、登録第1078161号意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属しない。
理由 第1 請求の趣旨
本件判定請求は、「イ号意匠は、登録第1078161号意匠に類似する意匠の範囲に属しない。」との判定を求めるものである。

第2 本件登録意匠
本件登録意匠は、平成11年6月8日の意匠登録出願(意願平11-14935号)に係り、平成12年4月28日に設定の登録がなされた登録第1078161号意匠であり、その願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品が、「厨房台用引き出し」であり、その形態が、同添付図面に示されるとおりであって、その中、実線で表された部分について、部分意匠の意匠登録を受けたものである(別紙第1参照)。

第3 イ号意匠
イ号意匠は、判定請求書に添付したイ号図面に記載した意匠のうち、本件登録意匠に係る部分意匠の意匠登録に相当する部分である(別紙第2参照)。

第4 当事者の主張
1.請求人の主張
請求人は、イ号意匠が、本件登録意匠に類似する意匠の範囲に属しない理由を要旨以下のとおり主張し、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第12号証を提出している。
(1)本件登録意匠とイ号意匠との対比
(A)共通点
a.全体を扁平箱形の収納部を有する引き出しとした点
b.引き出し正面を蹴込み部上部の上板と下板(イ号意匠では蹴込み部)により構成し、上板下端部より稍奥まった位置に下板(イ号意匠では蹴込み部)を配した構成
(B)差異点
a.蹴込み部の構成について、本件登録意匠は上板と下板を接合部により接合しているのに対し、イ号意匠は上板と、接合部を兼ねた蹴込みアダプターが直接接合され、当該蹴込みアダプター左右端部にサイドキャップが係合され、正面に極薄板状の正面化粧パネルが貼着されている。
b.上板の正面視縦横比を、本件登録意匠は略1:5であるのに対し、イ号意匠は略1:8である。
c.下板(イ号意匠では蹴込み部)正面視縦横比を、本件登録意匠は略1:5であるのに対し、イ号意匠は、略1:12である。
d.取手部形状を、本件登録意匠は断面形状を円形とする丸棒の両端を折り曲げてコの字状としているのに対し、イ号意匠は取手部を中央部品、及び左右端部品の3つの部品により構成し、当該中央部品断面形状を、正面側と背面側のカーブを非対称形とする縦長略楕円形とし、正面側カーブを緩やかな凸弧状、背面側カーブを正面側よりもラウンドさせた凸弧状とする棒状体とし、棒状体の両端に略L字状の左右端部品を配している。
e.本件登録意匠は取手部長さを上板の横幅の2分の1弱としているのに対し、イ号意匠は上板の横幅を取手部長さの略1.2倍としている。
(2)類否判断
そこで、本件登録意匠とイ号意匠の共通点および差異点を比較検討すると、両意匠は意匠に係る物品が一致し、形態については、共通点について、a全体を扁平箱形の収納部を有する引き出しとした点について両意匠は共通するものの、引き出しの意匠として広く一般的に知られる形状であり、かつ本件登録意匠は、収納部については部分意匠の請求範囲としていないため、当該共通点により両意匠が類似する意匠とは認められない。また、b引き出し正面を上板と下板(イ号意匠では蹴込み部)により構成し、上板下端部より稍奥まった位置に下板(イ号意匠では蹴込み部)を配した構成について両意匠は共通するものの、当該共通点については甲第2号証、甲第3号証、及び甲第4号証にも見られる態様であり、当該共通点は両意匠の類否判断を左右する要素とは認められない。
一方、差異点aについて、当該差異点は本件登録意匠の要部に該当し、本件登録意匠の特徴を成す部位に該当する。加えてイ号意匠の当該部位の態様は、正面に蹴込み部を有する引き出しでは今までにない、新規性の高い形状である。すなわち、両意匠以外の正面に蹴込み部を有する引き出しの態様としては、上板と下板を角柱で接合する(甲第2号証)か、上板と下板を一体で構成するか(甲第4号証)しかなく、接合部と下板を一体化させたイ号意匠は従来のこの種意匠にはない新規な形状であることから、意匠の構成要素として評価されるべき態様である。差異点dについて、本件登録意匠の取手部形状は、従来より一般的に見られる形状である(甲第5号証-1〜甲第5号証-7参照)のに対し、イ号意匠の取手部は中央部品、及び左右端部品の3つの部品により構成され、当該中央部品断面形状を、正面側と背面側のカーブを非対称形とする縦長略楕円形とし、正面側カーブを緩やかな凸弧状、背面側カーブを正面側よりもラウンドさせた凸弧状とする棒状体とし、棒状体の両端に略L字状の左右端部品を配しており、本件登録意匠の取手部形状とは全く異なる形状であるとともに、従来にはない新規な形状である。従って両意匠の取手部形状は明らかに、相違する形状である。
よって、イ号意匠は本件登録意匠の要部において形状が顕著に相違し、更に取手部においても上記差異点が認められることから、両意匠は看者に対し全く別異の印象を与えるものと判断される。加えて、上記差異点b、c及びeが認められることから、両意匠の共通点及び差異点を総合的に判断しても、イ号意匠は本件登録意匠には類似しないものと判断される。
2.被請求人の答弁
被請求人は、イ号意匠が、本件登録意匠に類似する理由を要旨以下のとおり主張し、証拠方法として、乙第1号証乃至乙第14号証を提出している。
(1)本件登録意匠とイ号意匠との対比
本件登録意匠と、イ号図面では、意匠に係る物品が同一であり、機能・用途が同一、物品(引き出し、キャビネット)全体に占める主要部の位置大きさがほぼ共通し、異なるのは、縦横の寸法比率と繋ぎ部分の形態の相違である。
本件登録意匠は、実際上採用されることの多い寸法に限定して出願したものであるといえる。
判定請求人は、本件登録意匠及びイ号意匠について、正面板を上板、蹴込部と分けて正面縦横比について述べ、差異点bcとする。
システムキッチンの各キャビネットは、多くのメーカーで共通するのであるが、間口寸法においてほぼ15モジュール、すなわち、15cmの正数倍の寸法を採用している。
製品に実際に採用される寸法のキャビネットに対応して網羅するように、基本的に同一形態の意匠を多数出願することは実際上不可能で、そのようなことをしなければ意匠の有効な保護が否定されるのであれば、意匠法で求める保護の趣旨に反するとも言える。
縦横比を言うのであれば、前板全体について述べるべきで、その場合は本件登録意匠では1対2.4で、イ号意匠では1対4.8であり、イ号意匠は本件登録意匠を左右方向(横方向)に二倍にしたにすぎないものである。
業界の実情を勘案して言えば、本件登録意匠をシステムキッチンのベースキャビネットの下部に採用すれば、甲第1号証の1のようにガスキャビネットの下、場合によっては幅狭の引き出しキャビネットなどの下で利用することは当然予想されることである。その意味では間口寸法を広狭させる程度の範囲は類似範囲に屈するというべきである。
繋ぎ部分の形態の相違については、本件登録意匠をほぼ具現化した写真である乙第8号証と甲第1号証の2を比較すれば、その類似性は詳述する必要かないほど明瞭となる。
乙第8号証では下板の縁部を黒色に彩色しなかったが、この部分を黒色にすると、一般取引者、需要者の視線が斜め上方からであるので、繋ぎ部分の厚みの幅員が相違することは捨象され繋ぎ部分は極めて近似することになる。
以上述べたところから、本件登録意匠とイ号意匠は基本的構成態様において同一で、具体的構成態様でも共通し、その差異と目すべき点は類否判断に影響を与えない点であるといわざるを得ない。
そこで、イ号意匠は本件登録意匠に類似する範囲に属すると判断されるべきである。

第5.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、平成11年6月8日の意匠登録出願に係り、平成12年4月28日に意匠権の設定の登録がなされたものであって、その願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、願書に「部分意匠」の欄を設け、意匠に係る物品を「厨房台用引き出し」とし、その形態は、意匠登録を受けようとする部分を実線で表した「前板部分」としたものであって、その形態が、同添付図面に示されるとおりのものである(別紙第1参照)。
すなわち、本件登録意匠は、厨房台最下部の蹴込み部のデッドスペースを収納部として活用するために、蹴込み部上部の前面板(以下、「上板」という。)と蹴込み部下部の前面板(以下、「下板」という。)を接合して前板とする扁平箱形の収納部を形成した「引き出し」において、その引き出しの「前板部分」は、正面視において、縦横比約1:5とする横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する正面視上板とほぼ同形、同大の下板から成り、上板の下端部と下板の上端部を同じ位置に、また、それらの左右端部を同じ位置に揃え、それらを背面側において、側面視略クランク状に折曲した前板の横幅よりやや幅狭な薄板材で接合したものであって、さらに、上板の正面側上方寄り中央に、細長い丸棒の両端部を折り曲げて略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け、その取手の長さが、上板の横幅の2分の1弱のものである。
2.イ号意匠
イ号意匠は、判定請求書に添付したイ号図面に記載する意匠のうち、本件登録意匠に係る部分意匠に相当する「前板部分」であって、その形態は同添付図面に示すとおりのものである(別紙第2参照)。
イ号意匠は、扁平箱形の収納部を形成した「引き出し」の上板と下板(化粧パネル)を接合してなる前板部分であって、正面視において、縦横比略1:8とする横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する正面視上板の略3分の2の高さを有する下板から成り、上板の下端部と下板の上端部を同じ高さに、また、それらの左右端部を面一に揃え、それらを背面側において、側面視略中空部を有する逆L字状の構造材で接合したものであり、その構造材につき、逆L字状の前方突端部に、前板と同幅で略2分に1の高さの横長長方形状の上板接合部を形成し、逆L字状の前面部の下方略3分の2の部分に、下板を貼着したものであって、また、その構造材の左右両端部にキャップを被せる態様のものである。さらに、上板の正面側上方寄り中央に、断面が紡錘状の細長い棒の両端部を折り曲げて略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け、その取手の長さが、上板の横幅の略5分の4のものである。
3.両意匠の対比
(1)そこで、本件登録意匠とイ号意匠を対比すると、両意匠は意匠に係る物品が一致し、その形態について、以下の共通点及び差異点が認められる。
<共通点>
扁平箱形の収納部を形成した「引き出し」の上板と下板を接合してなる前板部分であって、全体が、正面視において、横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する横長長方形状の下板から成り、上板の下端部と下板の上端部を同じ高さに、また、それらの左右端部を面一に揃え、それらを背面側において、側面視略クランク状に接合したものであり、また、上板の正面側上方寄り中央に、略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付けた態様の点が共通している。
<差異点>
一方、両意匠は、
(イ)前板部分について、本件登録意匠は、正面視につき、縦横比約1:5とする横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する正面視上板とほぼ同形、同大の下板から成りたっているのに対し、イ号意匠は、正面視につき、縦横比略1:8とする横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する正面視上板の略3分の2の高さを有する下板(化粧パネル)から成りたっている点、
(ロ)取手部について、本件登録意匠は、細長い丸棒の両端部を折り曲げて略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け、その取手の長さが、上板の横幅の2分の1弱のものであるのに対し、イ号意匠は、断面が紡錘状の細長い棒の両端部を折り曲げて略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け、その取手の長さが、上板の横幅の略5分の4のものである点、
(ハ)上板と下板との接合態様について、本件登録意匠は、側面視略クランク状に折曲した前板の横幅よりやや幅狭な薄板材で接合しているのに対し、イ号意匠は、側面視略中空部を有する逆L字状の構造材で接合したものであり、その構造材につき、逆L字状の前方突端部に、前板と同幅で略2分に1の高さの横長長方形状の上板接合部を形成し、逆L字状の前面部の下方略3分の2の部分に、下板(化粧パネル)を貼着したものであって、また、その構造材の左右両端部にキャップを被せる態様のものである点に、差異がある。
(2)類否判断
そこで、前記の共通点と差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響について、以下に検討する。
まず、両意匠の共通点、すなわち、全体が、正面視において、横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する横長長方形状の下板から成り、上板の下端部と下板の上端部を同じ高さに、また、それらの左右端部を面一に揃え、それらを背面側において、側面視略クランク状に接合した態様は、この本件登録意匠の出願前から、例えば、この出願前、特許庁発行の公開特許公報所載の平成10年3月24日公開の平成10年特許出願公開第75835号の図1に記載された引き出し(抽斗)の前板の意匠(甲第2号証)、また、ALNO社が1997年(平成9年)に発行したカタログ「Zum Kennnelernenn」の第23頁上段の写真版で現された厨房台組込みのオーブン下方に配設された「引き出し」の「前板部分」の意匠(甲第3号証)に見られるもので、この種の物品の分野において、普通に知られているというべきであり、格別の特異性が認められず、その類否判断に及ぼす影響は、微弱なものといわざるを得ない。また、上板の正面側上方寄り中央に、略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け点も、本件登録意匠の出願前から普通に行われており(例えば、本件登録意匠の出願前、平成6年9月8日に特許庁が発行した意匠公報に記載の登録第906562号意匠に表れた取手部分、甲第5号証-1)、その類否判断に及ぼす影響は、微弱なものといわざるを得ない。
一方、差異点について、(イ)の前板部分について、本件登録意匠は、正面視につき、縦横比約1:5とする横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する正面視上板とほぼ同形、同大の下板から成りたっているのに対し、イ号意匠は、正面視につき、縦横比略1:8とする横長長方形状の上板とそれよりやや奥まったところに位置する正面視上板の略3分の2の高さを有する下板から成りたっている点であるが、いわば、上板及び下板のプロポーションの差異であり、この種の物品において、引き出しの前板については、多種多様の構成比のものがあることを考慮すると、その意匠的効果を類否判断の要素としてさほど評価できず、また、両意匠のものが普通に見られる態様のものであることを考慮すると、その類否判断に及ぼす影響は、微弱なものというべきである。
また、(ロ)の取手部について、本件登録意匠は、細長い丸棒の両端部を折り曲げて略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け、その取手の長さが、上板の横幅の2分の1弱のものであるのに対し、イ号意匠は、断面が紡錘状の細長い棒の両端部を折り曲げて略「コ」の字状に形成した取手を水平方向に取り付け、その取手の長さが、上板の横幅の略5分の4のものである点の差異であるが、この種の物品の分野において、両意匠のものは共に、ありふれた態様のものであり(例えば、株式会社ハーフェレ ジャパン発行の「カタログ」に記載された各種の取手の意匠、乙第10号証、ナスステンレス株式会社発行のカタログ「TWIN STOCKER」に所載された厨房台の引き出しに取り付けられた取手の意匠、乙第11号証)、その類否判断に及ぼす影響は、微弱なものといわざるを得ない。
しかしながら、両意匠の差異点(ハ)は、上板と下板との接合態様についての差異であるが、使用時において、引き出しを前方へ引いたときに、背面側の態様も上方又は側方から見えるものであり、特に、前板中央付近全体に段差を形成しているためにその部位は、看者の注意を惹くところと成ることを考慮すると、その接合部について、本件登録意匠は、側面視略クランク状に折曲した薄板材で接合しているのに対し、イ号意匠は、側面視略中空部を有する逆L字状の構造材で接合している点の差異は、その構造材にキャップが被さっていて、外観からは、それが中空部を有する構造材であると認識できないものであるとしても、本件登録意匠の薄板材とイ号意匠の厚みのある構造材との差異は顕著であり、両意匠を別異のものとするに十分の意匠的効果を有するといえ、その類否判断に及ぼす影響は、大きいというべきである。
この点について、口頭審理(平成14年3月19日開廷)においても、請求人が、本件登録意匠の要部は、「つなぎ部」にあると判断されるところ、イ号意匠の「つなぎ部」は、構造体を成しているのが特徴であると主張し、一方、被請求人は、「厨房台用の引き出し」は厨房台の下部に位置するので、この種の物品の需要者は、上から「俯瞰」した状態で見ることが多いのであるから、その状態での態様を要部とすべきであると主張するように、鋭く対立するところであって、両意匠の類否判断の主たる争点と認められるので、さらに検討する。
ところで、被請求人は、この種の物品において、その類否判断の主体を需要者とするが、具体的には、その需要者は、厨房台を購入する一般需要者とその取引者であり、一般需要者においては、「つなぎ部」について、キャップが被さった状態で観察するとしても、取引者においては、「つなぎ部」が構造体であり、その形態について、側面視略中空部を有する逆L字状の構造材であり、その逆L字状の前方突端部に、前板と同幅で略2分に1の高さの横長長方形状の上板接合部を形成し、逆L字状の前面部の下方略3分の2の部分に、下板(化粧パネル)を貼着する態様のものであることは即座に認識されるところであり、両意匠の類否判断の支配的要素というべきである。したがって、被請求人の「この種の物品の需要者は、上から俯瞰した状態で見ることが多いのであるから、その状態での態様を要部とすべきである」との主張を、全面的に採用することはできない。
そうして、差異点(ハ)が、さらに差異点(イ)及び(ロ)と相俟って、相乗効果を生じることを考慮すると、イ号意匠は、意匠全体として本件登録意匠にない意匠的効果を発揮し、その類否判断に及ぼす影響は、大きいというべきである。
以上のとおりであって、両意匠は、意匠に係る物品は一致しているものの、その形態について、両意匠の差異点は、その類否判断に大きな影響を及ぼすものと認められるのに対し、共通点は、その類否判断に及ぼす影響が、微弱なものであるから、結局、差異点が共通点を凌駕する両意匠は、類似するものということができない。

第6 むすび
したがって、イ号意匠は、本件登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属さない。
よって、結論のとおり判定する。
別掲
判定日 2002-04-15 
出願番号 意願平11-14935 
審決分類 D 1 2・ 1- ZA (D5)
最終処分 成立  
特許庁審判長 吉田 親司
特許庁審判官 伊藤 晴子
木村 恭子
登録日 2000-04-28 
登録番号 意匠登録第1078161号(D1078161) 
代理人 小川 順三 
代理人 中村 盛夫 
代理人 渡邉 知子 
代理人 日高 一樹 

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