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審決分類 審判 無効  1項2号刊行物記載(類似も含む) 無効とする G2
管理番号 1059719 
審判番号 無効2001-35353
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2002-07-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-08-10 
確定日 2002-05-17 
意匠に係る物品 自動車用エアサスペンション 
事件の表示 上記当事者間の登録第1090058号「自動車用エアサスペンション」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1090058号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1.請求人の申立及び請求の理由
請求人代理人は、結論同旨の審決を求めた。
1.利害関係の有無
本件登録意匠に係る意匠登録出願人である有限会社クルーズは、甲第4号証に示すとおり、平成13年4月17日付で本件無効審判請求人である株式会社アルテアに対し通告書を提示し、株式会社アルテアの製造販売行為が本件登録意匠に係る意匠権に抵触すると主張している。したがって、本件無効審判請求人は、被審判請求人と利害関係を有するものである。
2.請求の理由
本件登録意匠は、その意匠登録出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された甲号意匠(甲第5号証に係る意匠)と同一であるから、意匠法第3条第1項第2号の規定に該当するものである。
よって、本件登録意匠は、意匠法第48条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。
2-1.甲号意匠
この意匠は、株式会社ネコ・パブリッシングが発行した自動車雑誌「Daytona」1999年9月号の第75頁に写真掲載された意匠である。この雑誌の発売日は、雑誌新聞総かたろぐ(甲第7号証)の第1181頁に記載の如く、1999年8月6日であり、本件登録意匠の出願日である1999年8月27日より前である。「Daytona」第75頁最下部には、「発売元KROOZ INTERNATIONAL」と記載され、この発売元は、本件登録意匠の出願人に他ならない。何故なら、「KROOZ INTERNATIONAL」が発行しているパンフレット(甲第8号証)の裏表紙には、「KROOZ INTERNATIONAL」「6-7-4ITAZUKE HAKATA-KU FUKUOKA JAPAN TEL/FAX 092-542-7875」と記載されている。この住所は、出願人の住所に他ならないが、本件意匠登録出願人は、意匠法第4条第3項に規定する新規性喪失の例外適用を受けようとする申し出をしていない。
第2.被請求人の答弁
被請求人からの答弁書の提出はなかった。
第3.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、意匠登録原簿及び出願書類の記載によれば、平成11年8月27日の意匠登録出願に係り、同12年9月1日に設定登録がなされた登録第1090058号の意匠であって、意匠に係る物品を「自動車用エアサスペンション」とし、その形態は、別紙第1に示すとおりとしたものである。
2.甲号意匠
甲号意匠は、請求人が甲第5号証として提出した刊行物に記載された意匠に係り、本件登録意匠の出願前の平成11年(1999年)8月6日に、株式会社ネコ・パブリッシングが発行した自動車雑誌「Daytona」1999年9月号第75頁上段の写真図版の下側に「Canover」と表示して掲載されたものの意匠であって、同誌の記載内容によれば、意匠に係る物品は、「自動車用エアサスペンション」であり、その形態は、別紙第2に示すとおりとしたものである。
3.本件登録意匠と甲号意匠の対比
3-1.意匠に係る物品
両意匠は、意匠に係る物品が一致する。
3-2.形態についての共通点及び差異点
甲号意匠の形態については、本件登録意匠の図面と同様の向きに置き直して以下認定する。
形態の共通点として、形態全体は、やや太い略円筒状のシリンダ本体の下面中央の軸方向にシリンダ本体よりかなり細い円柱状のピストンロッドが突出し、上面の中央には略円形状の板状部(以下、「円形板状部」という。)をそれぞれ取り付けた態様のものである点、形態各部の態様において、シリンダ本体の上下両面にはその略全面を覆う薄い板状体を接合している点、ピストンロッドの下端部を、やや太い略短円柱状とし、その周面の上方寄りにはごくわずかな段差を、下端寄りにはごく細い溝状部をそれぞれ施している点、シリンダ本体はピストンロッドよりも長さがやや長い点、円形板状部は、シリンダ本体よりもやや径が大きく、周縁寄りの互いにやや離れた部位に小さなねじ状部をそれぞれ1か所突設している点、そして、円形板状部とシリンダ本体との間にすき間を設けている点、が認められる。
一方、形態の差異点として、(1)シリンダ本体の下面のピストンロッドに接する周縁の態様について、本件登録意匠は、細幅の浅い凹状に形成しているのに対し、甲号意匠は、細幅の低い凸状に形成している点、(2)円形板状部の中央部の態様について、本件登録意匠は、小突起状部を設けているのに対し、甲号意匠は、その態様が不明である点、が認められる。
4.本件登録意匠と甲号意匠の類否判断
両意匠の形態について、形態全体についての前記共通点は、形態全体の基本的な構成態様をなすものであるから、両意匠の類否判断に影響を与えるものであり、シリンダ本体、ピストンロッド及び円形板状部の各部は、形態の主要部を構成しているから、これら各部の態様における前記共通点は、形態の主要部を特徴づける要素であり、これら共通点が相俟って生じる意匠的な効果は、形態全体の基調を形成し、両意匠に共通する美感を生じさせていると認められ、形態全体に支配的な影響を及ぼしているから、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
一方、前記各差異点を検討すると、(1)については、ピストンロッドに接する周縁の細幅の部分を浅い凹状としたか低い凸状としたかの差異にとどまり、比較的目立たない限られた部位の態様についてのごくわずかな差異にすぎないもので、両意匠の類否判断に与える影響は極めて微弱である。(2)については、この種物品の取り付け及び交換のために必然的に構成される部位に係り、本件登録意匠の小突起状部は、当該部位のみを対比した場合には、多少の差異があるとしても、取り付け及び交換のために設けた端部のありふれた仕様にとどまり格別のものでもなく、意匠的には形態全体を特徴づけるほどの要素ともなり得ないものであるから、その差異が、両意匠の類否判断に与える影響は極めて微弱である。
そして、これら差異点をあわせても、両意匠の類否判断に与える影響は極めて微弱であって、実質的に同一の範囲に属するものというのが相当である。
以上のとおり、共通点が相俟って生じる意匠的な効果は、形態全体の基調を形成し、両意匠に共通する美感を生じさせ、形態全体に支配的な影響を及ぼしているのに対し、差異点を総合したとしても、両意匠の類否判断に与える影響は極めて微弱なものであり、両意匠は、実質的に同一の範囲に属するものであるから、意匠全体として実質的に同一であるというべきである。
5.むすび
したがって、本件登録意匠は、本件登録意匠の出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された甲号意匠と実質的に同一であるから、意匠法第3条第1項第2号に該当するにもかかわらず、同条同項同号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2002-03-14 
結審通知日 2002-03-19 
審決日 2002-04-05 
出願番号 意願平11-23043 
審決分類 D 1 11・ 113- Z (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 本多 誠一 
特許庁審判長 秋間 哲子
特許庁審判官 鍋田 和宣
伊勢 孝俊
登録日 2000-09-01 
登録番号 意匠登録第1090058号(D1090058) 
代理人 清原 義博 
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