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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 D5
管理番号 1076612 
審判番号 不服2002-21749
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2003-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-11-08 
確定日 2003-04-16 
意匠に係る物品 衛生設備室用壁収納パネル 
事件の表示 意願2001- 38989「衛生設備室用壁収納パネル」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、平成13年12月28日の意匠登録出願であり、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「衛生設備室用壁収納パネル」とし、形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである。(別紙参照)
すなわち、衛生設備室用壁収納パネル全体は、斜視図の状態で見ると、奥行きの浅い正面視縦長長方形状のものであって、周側の枠体(上下左右の框)の内方背面側にパネル体を配置し、周側の枠体内方の上下略2分した箇所に横桟を配して、横桟の直下全幅にわたり、側面視略L字状の収納部を上下2段、それぞれ回動可能に設置したものであり、意匠登録を受けようとする部分は、実線で表した、上段の収納部における前扉部と底板部上面の部分(以下、「L字状収納部」という。)である。

2.経緯
これに対し、原審において通知した拒絶理由は、「本出願の意匠は出願前広く知られたL字形状板体を衛生設備室用壁収納パネルの部分意匠の形状とした容易な創作である」として、意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するというものである。
この拒絶理由に対して、出願人(請求人)は、意見書を提出し、「意匠審査基準」によると、部分意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するには、「『意匠登録を受けようとする部分』を当該物品全体の形態の中において、その位置、その大きさ、その範囲とすることが、当業者にとってありふれた手法であるか否かを判断することにより行わなければなら」ず、この点に関し審査段階での提示ができないとするならば、本願は創作容易には該当しないものと判断されるべきである旨主張したが、その後、原審は、「本願の部分意匠の形状は意匠法第3条第2項の規定に合致する広く知られた形状」であるとして、上記拒絶理由により、本願について拒絶査定をした。
請求人は、これを不服として、本件審判の請求をし、意見書とほぼ同旨を述べ、本願意匠は登録されるべきものである旨主張している。

3.創作容易性の判断
そこで、本願意匠の創作の容易性及び請求人の主張について検討すると、L字形状板体自体は広く知られたものであるとしても、衛生設備室用壁収納パネルの創作において、構成各部をどのように関連づけ、構成し、それらの結合により全体の形態についてどのように具現化するかの選択は多様にあると認められるところ、本願の意匠登録を受けようとするL字状収納部の形態については、1.本願意匠の項で述べたとおりのものであって、本願意匠の衛生設備室用壁収納パネルの中央横桟の直下に、回動可能に設けたL字状収納部の配置態様は、前記した創作の過程を経て、一連の創意工夫の結果表すに至った態様であり、この点について、当業者であれば容易に創作をすることができたとする証拠も認められない。
したがって、以上の点を総合すると、本願意匠は当業者が公然知られた形状、模様及び色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作できたものとすることはできない。

4.むすび
したがって、本願意匠は、意匠法第3条第2項に該当するとして本願を拒絶すべきものとした原査定は、当を得ないものであり、取消を免れ得ない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2003-03-26 
出願番号 意願2001-38989(D2001-38989) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (D5)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高野 善民 
特許庁審判長 遠藤 京子
特許庁審判官 伊藤 晴子
木村 恭子
登録日 2003-05-23 
登録番号 意匠登録第1179557号(D1179557) 
代理人 渡邉 知子 
代理人 日高 一樹 

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