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審決分類 |
審判 補正却下不服 図面(意匠の説明を含む) 取り消す E3 |
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管理番号 | 1079809 |
審判番号 | 補正2001-50114 |
総通号数 | 44 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-08-29 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 2001-10-24 |
確定日 | 2002-11-01 |
意匠に係る物品 | ゴルフクラブ用ヘッド |
事件の表示 | 平成11年意匠登録願第 15562号「ゴルフクラブ用ヘッド」において、平成13年5月8日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原決定を取り消す。 |
理由 |
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、平成11年6月14日の出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「ゴルフクラブ用ヘッド」とし、形態を願書の記載及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものである(別紙第一参照)。 これに対し、原審は、「この意匠登録出願の意匠は、意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分の境界が特定したものとして表されていませんので、意匠登録を受けようとする部分の形状が特定せず、具体的な意匠を表したものと認められません。」として、本願意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない旨の拒絶理由を通知した。 そこで、出願人は、平成13年5月8日付の手続補正書を提出して、「正面図」、「背面図」、「底面図」及び「参考斜視図」各々を補正した。(別紙第二参照)。 しかし、この手続補正書に対し、原審は、『上記手続補正書により願書の正面・背面・底面・参考斜視図の「意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分の境界」について補正されましたが、これらの補正は、この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて出願当初の願書の記載及び添付図面を総合して判断しても特定できなかった意匠の要旨を特定するものです。したがって、上記手続補正書による補正は、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の要旨を変更するものと認められます。』との理由により意匠法第17条の2第1項の規定に基づき補正の却下の決定をした。 原決定に対し、請求人は、『本出願人は、「意匠の説明」の欄において、「実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界線である。すなわち、一点鎖線は、意匠登録を受けようとするゴルフクラブ用ヘッドのソ-ル部分とそれ以外の部分の境界線を表す」と記載し、意匠登録を受けようとする部分を特定いたしております。この記載からすれば、実線と一点鎖線とで囲まれた部分が、意匠登録を受けようとする部分の範囲であることは明白であります。』、「一点鎖線の記載につきましては、その記載不備を認めるものであります。すなわち、境界線の表現の方法を形式的に誤ったものと認めるものであります。」、「また、当該補正によっても、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分の範囲、位置および大きさ、並びに形態は実質的に変更されておらず、その結果、補正前の出願に係る意匠と補正後の出願に係る意匠とは、その同一性が担保されているものと思料いたします。」と述べ、上記の理由により、審査官の認定および決定には妥当性がないので、補正の却下の決定は、取り消されるべきである旨主張した。 そこで、この原決定の当否について検討する。 出願当初の正面図・背面図・底面図・参考斜視図の各図においては、意匠登録を受けようとするゴルフクラブ用ヘッドのソ-ル部分とそれ以外の部分の境界を表すため、上下位置に対向する2本の実線と、該各実線の左右両端と接する左右位置に対向する2本の一点鎖線とで四方を囲み、さらに、該各一点鎖線の上下両端が、実線と一点鎖線とによる囲み部分を越えて上下方向にやや延長しているのに対して、当該補正した図面は、その延長部分を削除したものである。 出願当初、一点鎖線を、実線と一点鎖線とによる囲み部分を越えて形態内のその他の部分にも表した態様は、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の記載を総合的に判断すれば、図面作成上の軽微な瑕疵に係るものにすぎず、「意匠登録を受けようとする部分」が実線と一点鎖線とによる一つの閉じられた領域部分であるとして、当然想定できるものであり、当該手続補正は、図面作成上の軽微な瑕疵を補正し、意匠登録を受けようとする部分の範囲についてより明確にしたものであり、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の記載を総合して導き出される意匠登録を受けようとする部分について、何ら変更しないものであるから、出願当初の願書に添付の図面の要旨を変更したものとすることはできない。 したがって、この手続補正書を意匠法第17条の2第1項の規定により却下すべきものとした原決定は妥当でない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2002-10-16 |
出願番号 | 意願平11-15562 |
審決分類 |
D
1
7・
1-
W
(E3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 敦 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
伊藤 晴子 木村 恭子 |
登録日 | 2003-04-18 |
登録番号 | 意匠登録第1175900号(D1175900) |
代理人 | 落合 稔 |