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審決分類 |
審判 無効 2項容易に創作 無効とする C6 |
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管理番号 | 1079869 |
審判番号 | 無効2001-35488 |
総通号数 | 44 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-08-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2001-11-01 |
確定日 | 2003-06-19 |
意匠に係る物品 | 飲料用ストロー |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1031917号「飲料用ストロー」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第1031917号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1.請求人の申立及び理由 請求人は、登録第1031917号意匠(以下、「本件登録意匠」という。)の登録を無効とする、との審決を求める、と申し立て、その理由として、本件登録意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第1号証ないし甲第3号証の刊行物に記載された意匠、又は、その意匠に類似する意匠であり、意匠法第3条第1項第2号又は第3号の規定に該当して登録を受けることができないものであって、その登録は同法第48条第1項第1号の規定に該当し、無効とすべきである旨主張し、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 第2.被請求人の答弁及び理由 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、本件登録意匠は、甲第1号証ないし甲第3号証のいずれの意匠とも同一でないし、類似でもないことは明らかである旨主張し、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 第3.無効の理由の通知 これに対し、当審は、本件登録意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において広く知られた態様に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであり、意匠法第3条第2項の規定に該当し、本件の意匠登録は、同法同条同項の規定に違反してなされたものであるので同法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきである旨の無効の理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人及び被請求人からは何らの応答もない。 第4.当審の判断 1.本件登録意匠 本件登録意匠は、平成9年3月24日に意匠登録出願をし、平成10年11月27日に意匠権の設定の登録がなされた登録第1031917号意匠であり、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「飲料用ストロー」とし、その形態を、願書及び願書に添付の図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 すなわち、その形態は、(1)外管に一回り小径の内管を摺動自在に嵌挿して成るものであって、飲料を飲むとき、外管から内管を引き出し、ストロー全体を伸長して使用するものとし、外管につき、中間部近傍のやや後端寄りには、周回りの断面略三角山状の突条を多数連設して成る蛇腹状の可撓部を形成し、前端側には、内管後端側(大径部)係合用の傾斜段部を介し縮径して、内管揺れ防止用の細径部を形成し、後端側には、漸次内方にやや湾曲して、内管抜け落ち防止用の縮径部を形成したものとし、また、内管につき、その先端(前端)を斜め切り落とし状の尖鋭なものとし、その他、(2)外管の下半部には、通気用の細長い凹溝を軸方向に沿って一筋形成し、(3)外管の傾斜段部のやや後方(凹溝の前方)の周面対向位置には、内管戻り防止用の小さな窪み一対を周方向に沿って形成した態様としたものである。 2.本件登録意匠の創作容易性について 本件登録意匠の創作容易性については、当審が通知した無効の理由のとおり、(1)の態様は、例えば、甲第3号証(大韓民国特許庁発行の公開実用新案公報:公開番号94-26097の第4図ないし第6図。別紙第2参照)、実用新案出願公開平7-1867号公報の図2ないし図8(別紙第3参照)、特許出願公開平7-204074号公報の図1ないし図3(別紙第4参照)等に見られるように、この種飲料用ストローの分野において本件登録意匠の出願前に広く知られた態様であり、そして、(2)の態様は、例えば、甲第1号証(大韓民国特許庁発行の公開実用新案公報:公開番号92-20804の第1図。別紙第5参照)、特許出願公開平7-163450号公報の図1及び図2(別紙第6参照)、特許出願公開平7-222664号公報の図1及び図2(別紙第7参照)等に見られるように、この種飲料用ストローの分野において本件登録意匠の出願前に広く知られた態様であり、また、(1)の態様に係る蛇腹状の可撓部を有する外管に(2)の態様を組み合わせた態様も、甲第1号証に見られるように、本件登録意匠の出願前に既に見られるところであり、(3)の態様も、例えば、特許出願公開昭63-89325号公報の第12図及び第13図(別紙第8参照)、実用新案出願公開昭64-39074号公報の第1図ないし第3図(別紙第9参照)等に見られるように、この種飲料用ストローの分野において本件登録意匠の出願前に広く知られた態様であり、以上の点を総合して判断すると、本件登録意匠は、飲料用ストローの形態につき、前記(1)の広く知られた態様に、前記(2)と(3)の広く知られた態様を組み合わせた程度にすぎないものであって、当業者であってみれば、これらの態様を組み合わせることについて格別の創意を要さず、容易に想到できるものである。 したがって、本件登録意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において広く知られた態様に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであり、当審の無効の理由は妥当なものである。 3.結び 以上のとおりであって、本件登録意匠は、意匠法第3条第2項の規定に該当し、本件意匠登録は、同法同条同項の規定に違反してなされたものであるので同法第48条第1項第1号に該当し、他の請求の理由を審理するまでもなく、無効とすべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2003-01-22 |
結審通知日 | 2003-01-27 |
審決日 | 2003-02-07 |
出願番号 | 意願平9-8016 |
審決分類 |
D
1
11・
121-
Z
(C6)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 樋田 敏恵、竹下 寛 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
木村 恭子 伊藤 晴子 |
登録日 | 1998-11-27 |
登録番号 | 意匠登録第1031917号(D1031917) |
代理人 | 平山 洲光 |
代理人 | 菊池 武胤 |
代理人 | 飯田 伸行 |