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審決分類 審判 無効  1項2号刊行物記載(類似も含む) 無効とする F4
管理番号 1086623 
審判番号 無効2003-35037
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2003-12-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-02-04 
確定日 2003-11-05 
意匠に係る物品 包装用箱 
事件の表示 上記当事者間の登録第1158796号「包装用箱」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1158796号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1.請求人の申し立て及びその理由
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申し立て、その理由として、概略以下のとおり主張し、立証として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
登録第1158796号意匠(以下、「本件登録意匠」という。)は、甲第1号証(平成13年6月1日発行の雑誌「壮快」)に認められるとおり、その出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載されており、意匠法第3条第1項第2号の意匠に該当する。また、甲第2号証及び甲第3号証により、日本国内において公然と実施されていた意匠であり、意匠法第3条第1項第1号の意匠に該当する。更に、甲第4号証により、意匠法第5条第1項第2号の意匠に該当する。従って、意匠法第48条第1項第1号により無効とすべきである。

第2.被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、概略以下のように主張をした。
(1)甲第1号証について、雑誌の発行日は、雑誌に印刷がされているとおりの日付で頒布されるものではない。実際の頒布よりもかなり早い日付を発行日とするものであり、この「発行日」をもって実際に「頒布された」日とすることはできず、本件登録意匠が意匠法第3条第1項第2号に該当するとは直ちに認められない。
(2)甲第2号証について、本件登録意匠の出願前に作成され、販売がされたことを示すものはなにもなく、また甲第3号証の各書類は、いわば誰もが、いつでも、どのような内容でも作成が可能なものといえ、これらの証拠方法によって、本件登録意匠が意匠法第3条第1項第1号の意匠に該当するとは直ちにいえない。
(3)意匠法第5条第1項第2号は、新規な創作性のある意匠であっても、他人の著名な商標や商標的な性格を帯びるに至った意匠の利用により、他人の業務に係る物品と混同を生じるおそれがある場合にその意匠の登録を認めない趣旨で、同一の意匠が競合的に実施されていることだけで、直ちにこの規定が適用されるものではなく、根拠のない主張である。
(4)被請求人は、請求人会社の創設以前から当該ヤマブシタケに着目して研究開発をし、商品化に努めてきたものである。その経験と実績から本件登録意匠を自身で創作をし意匠登録出願をして本件意匠の意匠権を取得したものである。即ち被請求人は、正当な意匠の創作者であるから、本件意匠は意匠法第48条第1項第3号の無効原因には該当しない。
(5)以上のとおり、請求人の主張にはいずれも根拠がなく、意匠法第48条第1項の無効原因はなく、なお同条第3項の無効原因もない。
第3.当審の判断
(1)本件登録意匠
本件登録意匠は、平成13年7月24日の部分意匠の意匠登録出願に係るもので、平成14年10月4日に意匠権の設定の登録がなされたものであり、意匠に係る物品を「包装用箱」とし、その形態を願書及び願書に添付した見本のとおり(黒色で塗りつぶされていない部分)とするものである。(別紙第一参照)
(2)甲号意匠
請求人は、本件登録意匠の出願前に、本件登録意匠と同一の意匠が既に刊行物に記載されていた、として甲第1号証(別紙第二参照)を提出している。
甲第1号証は、裏表紙に、「平成13年6月1日発行」と記載された、雑誌「壮快」2001年6月号に掲載された「ヤマブシタケゴールド」の広告頁の写しであり、この広告頁の左上に、2つの包装用箱の意匠が掲載されている。
当審では、雑誌「壮快」2001年6月号の「ヤマブシタケゴールド」の広告頁において、左上に掲載された2つの包装用箱のうちの左側の包装用箱の意匠を「甲号意匠」として以下検討する。
(3)甲号意匠の公知性
被請求人は、甲号意匠掲載の雑誌「壮快」2001年6月号の頒布について、この種の雑誌は、実際の頒布よりもかなり早い日付を発行日とするものであり、この平成13年6月1日との発行日をもって実際に「頒布された」日とすることができない、と主張するところ、確かに刊行物によっては、記載の発行日と実際の頒布日とが一致しない場合があるとしても、この種の一般の人を対象とする、販売部数の極めて多い雑誌は、記載された発行日には販売が開始されることが普通で、遅くとも、該当月(6月)の末日には実際に販売が開始されていたとするのが自然で、少なくとも本件登録意匠の出願日である平成13年7月24日には日本国内において頒布されていたと認められるから、甲号意匠は、本件登録意匠の出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠と認められる。
ところで被請求人は、答弁書において、本件登録意匠は被請求人自身が創作をし、意匠登録出願をして意匠権を取得した正当な意匠の創作者である、と主張するので、当審では本件登録意匠の創作者について、請求人、被請求人の双方に、平成15年6月5日付の審尋で説明を求めた。
これに対し請求人からは、本件登録意匠が、株式会社ジェネシスプランニングの代表者である木村隆夫より依頼された池田バンダンこと池田幸哉が創作したものであることの主張、及びこれに関する資料の提出があり、一方被請求人からは、特に回答がなく、甲号意匠が意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して刊行物に記載されて意匠法第3条第1項第2号の意匠に至ったとする理由は特に見出せず、意匠法第3条第1項の規定の適用について、意匠法第4条第1項新規性の喪失の例外に関する規定の適用はないものと認める。
(4)両意匠の対比
そこで本件登録意匠と甲号意匠を対比するに、両意匠は意匠に係る物品を同じくし、その形態について、縦、横、奥行きが大略2対2対1の直方体状の箱体において、前面の上寄りに横長方形状の暗調子の枠取りを表して、枠取内の左下に、キノコの笠を寄せ集めた写真を明調子で表し、枠取内のその余に、横線及び文字列を表している点、枠取りを除く部分について、箱体の上寄り略1/3を横水平に細線で区画して全体を上下に分割し、下寄りの大きい区画について、地の調子より稍濃い調子で、アルファベット筆記様の文字列(Hcricium Erinaceum)を多数地模様のように表している点、箱体の前面の枠取り及び上面中央に配された文字列を除く箱体上面から前面下寄りにかけての幅中央に、等幅の帯模様を封印様に表している点、等からなる意匠であって、その態様は細部に至るまでほぼ一致しており、そして、この点については被請求人も特に反論はしておらず、本件本件登録意匠は、その出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載されたものと認められる。
(5)むすび
以上のとおりであるから、本件登録意匠は、その出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠と認められるから、意匠法第3条第1項第2号の意匠に該当するにもかかわらず意匠登録を受けたものであって、その登録を無効とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2003-09-04 
結審通知日 2003-09-09 
審決日 2003-09-24 
出願番号 意願2001-24978(D2001-24978) 
審決分類 D 1 11・ 113- Z (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 濱本 文子 
特許庁審判長 日比野 香
特許庁審判官 市村 節子
山崎 裕造
登録日 2002-10-04 
登録番号 意匠登録第1158796号(D1158796) 
代理人 梅村 莞爾 
代理人 唐木 浄治 
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