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審決分類 |
審判 補正却下不服 図面(意匠の説明を含む) 取り消す D2 |
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管理番号 | 1088190 |
審判番号 | 補正2001-50063 |
総通号数 | 49 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-01-30 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 2001-07-25 |
確定日 | 2001-10-09 |
意匠に係る物品 | 間仕切り収納棚 |
事件の表示 | 意願2000- 22687「間仕切り収納棚」において、平成13年6月26日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原決定を取り消す。 |
理由 |
本願は、平成12年8月18日の意匠登録出願であり、意匠に係る物品を「間仕切り収納棚」とし、出願当初、願書に「部分意匠」の欄を設け、願書に添付の各図面(参考図を除いた図面)は、それぞれ、一部分を実線で描き、その余の部分を破線で描いたものである。 これについて、出願人は、平成13年6月26日付の手続補正書を提出して、願書の「意匠の説明」の欄の記載に、『「A-A断面図」、「B-B断面図」、「C-C断面図」、「ドアを開けてスライド扉を戸袋に収納した状態のC-C断面図」および「ドア引き手部を示す横断面図」の実線を含め、実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を特定している。』を新たに追加して補正した。 しかし、原審では、この補正に対して、「出願人は、上記手続補正により意匠を特定しようとしているが、この意匠登録出願の出願当初の願書には、意匠登録を受けようとする部分を特定する方法が記載されておらず、意匠を特定することができないものであるから、上記手続補正は要旨を変更するものである。」旨の理由により意匠法第17条の2第1項の規定に基づき補正の却下の決定をした。 これに対して、請求人は、これを不服として、概ね、『「意匠登録を受けようとする部分を実線で描き、その他の部分を破線で描く」という部分意匠の特定方法は、意匠法施行規則においてこの方法のみに特定されている方法ではない。しかしながら当該特定方法は、施行規則に記載されている唯一の方法であり、かつ、特許庁発行の「平成10年改正意匠法 意匠審査の運用基準」及び「平成10年改正意匠法 意匠登録出願のガイドライン-願書及び図面の記載について-」に見られるように、最も一般的な方法として例示されていることからすれば(逆にそれ以外の方法について施行規則を含め、運用基準、ガイドラインに例示されたものは無い。)、本願の出願当初の願書には、意匠法施行規則のとおり、部分意匠の欄が設けられており、かつ出願当初の図面は、実線と破線により描かれ、出願意匠の実線部分と破線部分は明確に特定されていることから、本願の意匠は意匠登録を受けようとする部分を実線で描き、その他の部分を破線で描いていることは自明であると言わざるを得ない。従って本補正は何ら要旨を変更するものではない。』旨主張している。 そこで、原決定の当否について検討する。 本願は、出願当初、願書の「意匠の説明」の欄に意匠登録を受けようとする部分を特定する方法の記載をしていなかったものである。 しかしながら、本願は、前記のとおり、出願当初の願書の記載によると、「部分意匠」の欄を設けており、物品の部分について意匠登録を受けようとする出願であることが明らかなものと言える。 そして、出願当初の願書に添付の各図面(参考図を除いた図面)の記載によると、それぞれには、実線で描いた部分と破線で描いた部分とが明確に示されており、この事実と、本願が上記のとおり物品の部分について意匠登録を受けようとする出願である事実とを勘案すると、少なくとも、実線で描いた部分と破線で描いた部分のどちらかが意匠登録を受けようとする部分であると言える。 さらに、そもそも、図面により意匠登録を受けようとする部分を特定するためには、その部分を明瞭に表す必要があり、そうすると、破線で描くよりは実線で描く方がより明瞭に表す方法であることから、意匠登録を受けようとする部分は破線ではなく実線で描いた部分であると解することが自然であると言える。 また、意匠法施行規則においても、図面により意匠登録を受けようとする部分を特定する方法として、「意匠登録を受けようとする部分を実線で描き、その他の部分を破線で描く」方法を唯一例示していることからも、意匠登録を受けようとする部分を破線ではなく実線で描くことがむしろ一般的であり、この点によっても、上記のとおり、意匠登録を受けようとする部分は破線ではなく実線で描いた部分であると解することが首肯できる。 以上のとおり、出願当初の願書及び願書に添付の図面の記載を総合的に判断すると、本願は、出願当初の願書及び願書に添付の図面の記載の範囲で、意匠登録を受けようとする部分を導き出すことが可能であり、本願は、出願当初、願書の「意匠の説明」の欄に意匠登録を受けようとする部分を特定する方法の記載をしていなかったものであるとしても、これにより、意匠を特定することができないとする原審の判断には無理がある。 そして、当該手続補正は、この出願当初の願書及び願書に添付の図面の記載を総合して当然に導き出される意匠登録を受けようとする部分について、それを特定する方法を具体的に説明したものであるから、出願当初の願書及び願書に添付の図面の記載から当然想定できる範囲内の適正なものとみるのが相当であり、要旨を変更したものとすることはできない。 従って、原決定は、その理由において不当なものであって、取消しを免れない。 よって、結論のとおり、審決する。 |
審決日 | 2001-09-13 |
出願番号 | 意願2000-22687(D2000-22687) |
審決分類 |
D
1
7・
1-
W
(D2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 公明 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
市村 節子 橘 崇生 |
登録日 | 2001-12-07 |
登録番号 | 意匠登録第1133184号(D1133184) |
代理人 | 渡邉 知子 |
代理人 | 日高 一樹 |