ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
不服200214189 | 審決 | 意匠 |
不服200217473 | 審決 | 意匠 |
不服200217472 | 審決 | 意匠 |
不服20029550 | 審決 | 意匠 |
不服20026541 | 審決 | 意匠 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 意48条1項3号非創作者無承継登録意匠 取り消して登録 G2 |
---|---|
管理番号 | 1093311 |
審判番号 | 不服2002-7059 |
総通号数 | 52 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-04-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-03-18 |
確定日 | 2004-03-15 |
意匠に係る物品 | 乗用自動車 |
事件の表示 | 平成11年意匠登録願第15872号「乗用自動車」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1.本願意匠 本願は、平成11年(1999)6月16日の部分意匠に係る意匠登録出願であって、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「乗用自動車」とし、形態は、願書の記載及び願書に添付された図面代用写真のとおりであり、意匠登録を受けようとする部分を朱線で囲い表したものである(本件審決書に添付の別紙第1参照)。 第2.引用意匠 原審において、拒絶の理由(意匠法第3条の2)として引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、平成9年(1997)10月9日に出願され、その後平成11年(1999)11月7日に発行の意匠公報に所載された意匠登録第1031393号の乗用自動車のヘッドライト部分の意匠であって、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「乗用自動車」とし、形態は、願書の記載及び願書に添付された図面代用写真のとおりである(本件審決書に添付の別紙第2参照)。 第3.両意匠の対比 両意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品、並びに、用途及び機能、位置、大きさ、範囲が共通し、形態については、主として、以下に示す共通点及び差異点がある。 すなわち、両意匠は、全体の基本的構成態様及び各部の具体的態様において、一部共通している点があるが、一方、全体の基本的構成態様のうち、全体の前方視外形状について、本願意匠は、概略平行四辺形状を呈しているのに対し、引用意匠は、概略三角形状を呈している点に差異があり、また、各部の具体的態様のうち、(1)ヘッドランプの前方視形状について、本願意匠は、円形の下部を切除した形状としているのに対し、引用意匠は、平行四辺形の上部を弧状とした形状としている点、(2)クリアランスランプの有無について、本願意匠は、ヘッドランプより中央側の下部に前方視小円形状のクリアランスランプを設けているのに対し、引用意匠は、そのクリアランスランプを設けていない点に差異がある。 そこで、両意匠の共通点及び差異点を総合して、両意匠を全体として検討する。 先ず、両意匠に共通するとした全体の基本的構成態様及び各部の具体的態様の一部については、この種物品の属する分野において、他にも見られる態様であり、格別看者の注意を引くものとはいい難いから、類否判断に及ぼす影響は微弱にすぎず、さらに、それらの共通点を纏めても、格別の共通感を奏するとはいい難いものであって、類否判断に及ぼす影響がなお微弱の域を超えないといわざるを得ない。 次に、全体の基本的構成態様のうち差異点とした、全体の前方視外形状については、本願意匠が概略平行四辺形状を呈し、引用意匠が概略三角形状を呈している点で、基本的な形状が異なるものであり、意匠の概観を表象する形態全体の基調を異にするものであって、看者の注意を際立って引くものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 また、各部の具体的態様のうち差異点とした、(1)のヘッドランプの前方視形状については、本願意匠が円形を強調するものとし、引用意匠が平行四辺形を強調するものとしている点で、主とする形状が異なるものであり、この種物品の一際目立つ部分における形態上の構成要素を異にするものであって、看者の注意を十分に引くものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。(2)のクリアランスランプの有無については、本願意匠が、小円形状のクリアランスランプを有する点で、クリアランスランプの無い引用意匠と比べると、評価に値する意匠的効果を生じるものであり、比較的看者の注意を引くものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 そうすると、前記の全体の基本的構成態様の差異点、及び、各部の具体的態様の(1)及び(2)の差異点は、何れも、両意匠に共通するとした態様を翻す程の印象を看者に与えるものであり、それらの差異点が相俟って、両意匠の醸し出す形態全体の印象を異にする程の差異感を奏するものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 したがって、本願意匠は、引用意匠と意匠に係る物品、並びに、用途及び機能、位置、大きさ、範囲は共通するが、形態において、両意匠の差異感は共通感を凌駕するものであり、類否判断を左右するという外ないから、両意匠は意匠全体として観察すると、類似する意匠とはいえない。 第4.むすび 本願は、原査定の拒絶理由によっては、拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審決日 | 2004-02-04 |
出願番号 | 意願平11-15872 |
審決分類 |
D
1
8・
16-
WY
(G2)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 前畑 さおり |
特許庁審判長 |
伊勢 孝俊 |
特許庁審判官 |
永芳 太郎 鍋田 和宣 |
登録日 | 2004-04-02 |
登録番号 | 意匠登録第1205774号(D1205774) |