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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20063114 | 審決 | 意匠 |
不服20039525 | 審決 | 意匠 |
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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 D2 |
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管理番号 | 1098210 |
審判番号 | 不服2003-24706 |
総通号数 | 55 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-22 |
確定日 | 2004-06-16 |
意匠に係る物品 | 机 |
事件の表示 | 意願2002- 27298「机」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願の意匠 本願は、平成14年10月4日の意匠登録出願であり、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「机」とし、形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 2.原審の拒絶理由 本願に対する原審の拒絶理由は、要旨以下のとおりである。 本願に係るテーブルの分野において、脚部を別の形状のものに置き換えることは本願出願前より極普通に行われているありふれた手法であり、本願の意匠は、本願出願前に公然知られたものと認められる机用甲板(意匠1)に、本願出願前に公然知られたものと認められる形状の脚部(意匠2)を配置したに過ぎないので、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められ、意匠法第3条第2項の規定に該当する。 [意匠1] 特許庁総合情報館が1994年3月28日に受け入れたアメリカ意匠公報:オフィシャルガゼット 1993年12月28日4号第2684頁所載 机用甲板の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH07015358号) [意匠2] 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第0919375号の意匠の脚部の意匠 3.請求人の主張 請求人は、要旨以下のとおり主張する。 公然知られた意匠であるかどうかは少なくともほぼ同一に近いものでなければならないところ、本願の意匠の甲板部分及び脚部分は、引用された机用甲板及び脚部と全く異なるデザイン特徴を有している。したがって、本願の意匠の甲板部分及び脚部分が公然知られたものであるとした原査定の認定は、明らかに事実を誤認したものである。また、本願の意匠の甲板に対して脚ベースを略ハの字状に設けた点は甲板のデザインと一体となったものであって、脚の形状はもとより、取付角度、位置も重要な意匠の構成要素であり、この点からも単なる置き換え、寄せ集めに過ぎないということは到底できない。 以上のとおりであるから、本願の意匠は意匠法第3条第2項に該当するとした原査定は理由がなく、本願の意匠は登録されるべきものである。 4.当審の判断 本願の意匠の創作容易性について検討する。 原審は、本願の意匠は、本願出願前に公然知られた机用甲板(意匠1:別紙第2参照)に、本願出願前に公然知られた脚部(意匠2:別紙第3参照)を配置したに過ぎないとしている。 そこで、まず、本願の意匠の甲板と意匠1の甲板を対比すると、両意匠の甲板は外縁と内縁が円弧状に形成されている点で共通するものの、本願の意匠の甲板は、外縁と内縁を一定の間隔で等しい曲率に形成し、両端部において外縁から内縁に向かって弧状に窄め、そのまま先端を小さな弧状に形成したものであるのに対して、意匠1の甲板は、外縁に比較して内縁の曲率はかなり小さく、外縁と内縁とは、中央の間隔が最も広く、左右に行くにしたがって狭くなっており、両端部を半円弧状に形成したものであり、両意匠の甲板は具体的な形状が大きく異なることから、本願の意匠の甲板は意匠1の甲板の同一性の範囲を優に超えるものと認められ、また、本願の意匠の甲板は意匠1の甲板に商慣習上通常なされる程度の変更を加えたにすぎないものとの原査定の認定は、理由がなく、当を得ないものといえる。 次に、本願の意匠の脚と意匠2の脚を対比すると、両意匠の脚は頂面が膨出した弧状のベースの中央に円柱を立設している点で共通するものの、本願の意匠の脚は、円柱断面を楕円形状とし、また、ベースをやや細い緩やかな弧状とし、その頂面を丸くしているのに対して、意匠2の脚は、円柱断面を正円形状とし、また、ベースをやや太い略半円弧状とし、その頂面を全長に稜線が走る尖ったものとしており、両意匠の脚は具体的な形状が大きく異なることから、本願の意匠の脚は意匠2の脚の同一性の範囲を優に超えるものと認められ、また、本願の意匠の脚は意匠2の脚に商慣習上通常なされる程度の変更を加えたにすぎないものとの原査定の認定は、理由がなく、当を得ないものといえる。 以上によれば、本願の意匠の甲板及び脚の形状は、本願の出願前に公然知られたものとは認められず、さらに、本願の意匠の脚の配置態様、すなわち、甲板に対してベースが略ハの字状に配置されていることも考慮すると、本願の意匠は本願出願前に公然知られた意匠1の甲板に本願出願前に公然知られた意匠2の脚を配置したに過ぎないものとは到底いえない。 5.むすび したがって、本願の意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとはいえず、意匠法第3条第2項の規定に該当しないから、原査定は取消しを免れない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2004-06-03 |
出願番号 | 意願2002-27298(D2002-27298) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(D2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山田 繁和 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
渡邊 久美 市村 節子 |
登録日 | 2004-07-02 |
登録番号 | 意匠登録第1214425号(D1214425) |