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審決分類 審判 補正却下不服  図面(意匠の説明を含む) 取り消す E3
管理番号 1130893 
審判番号 補正2005-50009
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2006-03-31 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 2005-06-07 
確定日 2005-11-09 
意匠に係る物品 リカンベント型バイシクル 
事件の表示 意願2004- 12420「リカンベント型バイシクル」において、平成16年12月8日付けでした手続補正に対してされた補正却下決定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原決定を取り消す。
理由 1.本願の意匠
本願は、意匠法第10条の2第1項の規定による意匠登録出願(原出願は平成16年3月17日の意願2004-8115)であり、かつ、部分意匠の意匠登録を受けようとするものであって、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「リカンベント型バイシクル」とし、形態を願書の記載及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたもので、部分意匠については、願書の「意匠の説明」の欄に「実線で表した部分が部分意匠の意匠登録を受けようとする部分である。」との記載がある。
2.当該手続補正書
本願については、原審では起案日平成16年9月6日付で「本願の意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない。また、この出願は、通商産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとに出願されていないので、意匠法7条に規定する要件を満たしていない。」との拒絶理由が通知された。
出願人はこれに対し、平成16年12月8日付で意見書とともに手続補正書を提出し、願書の意匠に係る物品の記載及び願書に添付の図面の記載について補正するとした。
3.原審における補正の却下の決定
原審ではこの補正に対して、「当該手続補正書により、添付図面の全てを補正され、出願当初、(部分意匠につき)、二以上に及んでいた意匠登録を受けようとする部分を一つのみとするとともに、(A)意匠登録を受けようとする部分を、底面のビス等を除く前方ハンドル部と後方座部とをつなぐ底部の桟及び当該桟に接する前方ハンドル部と後方座部底部のコーナー部とされたが、二以上の意匠登録を受けようとする部分を一つのものとする補正は通常認められるところであるが、上記補正書により意匠登録を受けようとする部分は、出願当初、桟の端部に桟に対して垂直方向に設けられた前後の基台部や、基台部に接する前・後方のコーナー部、底面のビス等に及んでおり、上記補正書により表された意匠登録を受けようとする部分とその範囲が異なっており、また、(B)出願当初の添付図面に表された意匠登録を受けようとする部分は、桟底面の一部が破線で表され、各実線も途中で跡切れるなどしていることから、その範囲が不明確であったところであるが、上記補正書により、これを明確にする補正がされていることから、当該補正は、この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて出願当初の願書の記載及び添付図面を総合して判断しても特定できなかった意匠の要旨を特定するものである。したがって、当該手続補正書による補正は、出願当初の願書の記載及び添付図面の要旨を変更するものと認められる。」旨の理由により、起案日平成17年3月4日付で意匠法第17条の2第1項の規定により補正を却下すべきものと決定した。
4.請求人の同決定の取消理由
請求人はこれを不服とし、上記理由(A)の当該手続補正書により補正された意匠登録を受けようとする部分と出願当初に表されていた当該部分とは範囲が異なる点、理由(B)の当該手続補正書により表された意匠登録を受けようとする部分は出願当初においてその範囲が不明確であった点について、「当該手続補正書の図面において実線で表した部分(前後の基台部を繋ぐ桟及び該桟の両端部に設けられた両基台部の一部)は、出願当初の図面(特に斜視図と正面図)において比較的太い実線で描かれている部分に対応している。出願当初の図面は、本願の優先権の基礎となった米国出願に添付した図面と同じであり、補正書の図面と出願当初の図面とでは、当該部分の終端部が閉じた状態に描かれているか否かの違いがあるものの、終端部を閉じた状態に描くか否かは各国の意匠制度における作図実務上の軽微な差異にすぎない。したがって、当業者であれば、出願当初の特に斜視図及び正面図の記載に基づいて、上記補正書の図面において特定した部分が出願当初の図面において明確に表されていたこと、及び、両者の範囲が同一であることが理解できるから、当該手続補正書による補正は出願当初の願書に添付した図面の要旨を変更するものではない。」と主張して、同決定の取消しを求めたものである。
5.当審の判断
そこで、原決定の当否について検討する。
(1)まず、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の記載を子細に検討するに、願書の「意匠の説明」の欄では「実線で表した部分が部分意匠の意匠登録を受けようとする部分である。」としているが、願書に添付した実際の図面には、太い実線、細い実線、二点差線の3種類の線の記載が混在するとともに、一つの閉じられた範囲が明らかな部分と、境界線がなく閉じられた範囲が明らかなでない部分とが複数混在していることが認められるところである。 これらの図面の記載全体を総合すれば、部分意匠を請求する部分は、形態全体のうちの前方のハンドルと表示盤部分、後方の座部分、ペダル部分、基台部下部部分であると善解できなくもない。そうとすると、原審の拒絶理由のとおり、本願は、部分意匠につき、二以上の意匠登録を受けようとする部分を包含するものであって、意匠法7条に規定する要件を満たしていないこととなる。
(2)そこで出願人は、当該手続補正書を提出して、部分意匠につき、一つの意匠登録を受けようとする部分に限定するとともに、境界線を表示して閉じられた部分意匠の請求範囲を明らかにする図面の補正をしたところである。
当該補正図面には、前後の基台部下部部分を繋ぐ桟及び前方基台部と後方基台部の向かい合った内側の根本の立ち上げ端面から成る範囲が形状を表す実線と境界線を表す実線で囲まれ(底面図には桟の底面に横細長長方形の実線で閉じられた範囲が表されており、横細長長方形の中のビス等は点線で表されている。)、一つの閉じた部分意匠の請求範囲が表されており、それ以外は全体に及んで破線が表されている。
(3)以上の事実を踏まえて、当該手続補正書による補正、具体的には基台部下部部分における図面の記載についてした補正が、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の要旨を変更するものであるかどうかについて検討する。
部分意匠につき、二以上の意匠登録を受けようとする部分を包含する出願を基台部下部部分の一つに限定する補正については認められるところであるが、基台部下部部分における図面の記載につき、原審において補正の却下の決定における理由とされた理由(A)の当該手続補正書により補正された意匠登録を受けようとする部分と出願当初に表されていた当該部分とは範囲が異なる点については、出願当初の図面には当該補正図面より広範な範囲に及んで実線が表されているが(例えば、前後の基台部下部のT字状部分)、一方、その範囲の中の底面図には前方の基台部下部のT字状部分付近に二点差線が表されていたりすることからすれば、この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて出願当初の願書の記載及び添付図面を総合して判断したときに、後方の基台部下部のT字状部分付近に表されている実線の記載こそが誤記であるともいえ、この誤記を補ったにすぎない当該補正図面のものと出願当初の図面のものとは実質的には同じ範囲のものと善解できなくもなく、また、理由(B)の当該手続補正書により表された意匠登録を受けようとする部分は出願当初においてその範囲(境界線)が不明確であった点についても、出願当初の図面には一つの範囲が境界線を表す実線で閉じられていない不備があるが、この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて出願当初の願書の記載及び添付図面を総合して判断したときに、形状を表す実線(例えば、前後の基台部下部部分を繋ぐ桟及び前方基台部と後方基台部の向かい合った内側の根本の立ち上げ端面の形状を表す実線)の端と端とを境界線を表す実線で結ぶことを想定したものが当該補正図面に表された実線部分の範囲であると善解できなくもなく、そして、境界線の表示がない作図上の誤記を確認的に訂正した以外に実質的な記載の追加はないから、基台部下部部分における図面記載についてした補正が、(A)(B)の理由で出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の要旨を変更するものであるとするのは適当でない。
以上のとおりであって、当該手続補正書による補正は、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の要旨を変更するものと認める、との原審における補正の却下の決定は、補正についての認定を誤ったものであって、取消しを免れない。
よって、結論のとおり、審決する。
審決日 2005-10-26 
出願番号 意願2004-12420(D2004-12420) 
審決分類 D 1 7・ 1- W (E3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 下村 圭子 
特許庁審判長 森 則雄
特許庁審判官 伊藤 敦
市村 節子
登録日 2006-01-20 
登録番号 意匠登録第1264437号(D1264437) 
代理人 緒方 雅昭 
代理人 石橋 政幸 
代理人 岩田 慎一 
代理人 宮崎 昭夫 
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