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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D5 |
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管理番号 | 1193774 |
審判番号 | 不服2008-19252 |
総通号数 | 112 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-07-30 |
確定日 | 2009-03-06 |
意匠に係る物品 | 洗面器付きカウンター |
事件の表示 | 意願2007- 4184「洗面器付きカウンター」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願意匠は、平成19年2月21日の意匠登録出願に係り、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「洗面器付きカウンター」とし、その形態は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである(別紙第1参照)。 一方、原審において、拒絶の理由に引用した意匠は、本願意匠の出願前に日本国内において頒布された刊行物である、日本国特許庁が平成15年(2003年)1月7日に発行した意匠公報所載、意匠登録第1162150号(意匠に係る物品、「取付用洗面器」。)の意匠であって、その形態は、当該公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 そこで、両意匠の類否を検討すると、両意匠は、意匠に係る物品が一致する。 また、両意匠の形態についてみると、共通点として、両意匠は、形態全体を、薄板により平面視略横長長方形状とし、中央に浅く凹んだ平面視略やや横長長方形状のボール部を形成し、その左右両側をカウンター部とし、それら後側にボール部の深さとほぼ同程度の高さに立ち上げたバックボード部を形成した点が認められる。しかし、この態様は、この種の洗面器の分野において広く知られた態様であり、観者の格別の注意を惹くものではない。 一方、差異点として、ボール部の内面態様について、本願意匠は、左右両側の斜面のカウンター面と底面との角部をそれぞれ角張らせ、前面側を中央縦断面視斜め略縦長「S」字状として上端面と底面と滑らかに連続したのに対して、引用意匠は、左右両側の斜面のカウンター面と底面との角部をやや大きな隅丸として、カウンター面と底面と滑らかに連続し、前面側を中央縦断面視斜面の上端面と底面との角部をそれぞれ角張らせたものとの差異が認められる。そして、この態様の差異については、本願意匠は、左右両側の斜面のカウンター面と底面との角部は殆ど丸みを帯びていない角張ったものと明確に視認され、左右両側の角部を強調するもので、ボール部の左右両側を箱状に切り落とし凹ませた印象を与えるのに対して、引用意匠は、視覚的に目立つ前面側の角部を強調するもので、ボール部の前面側を箱状に切り落とし手前に深みを持たせて凹ませた印象を与えるものであって、両意匠のボール部の構成態様が異なるものであり、かつ、両意匠に係る物品が、ボール部に水を張って洗面したり、水を流して手洗いするものであり、その使用の状態等を考慮すれば、この態様の差異は、観者が最も注意を惹くところの差異であり、両意匠の類否判断を左右し、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものと言うべきである。 したがって、両意匠は、意匠に係る物品が一致するが、意匠に係る物品の形態において差異点が共通点を凌駕し、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。 以上のとおりであり、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-02-23 |
出願番号 | 意願2007-4184(D2007-4184) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(D5)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 木村 恭子 |
特許庁審判長 |
瓜本 忠夫 |
特許庁審判官 |
杉山 太一 鍋田 和宣 |
登録日 | 2009-03-19 |
登録番号 | 意匠登録第1356562号(D1356562) |
代理人 | 山本 文夫 |
代理人 | 綿貫 達雄 |