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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5
管理番号 1197091 
審判番号 不服2007-23689
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-08-29 
確定日 2009-04-20 
意匠に係る物品 ビールピッチャー 
事件の表示 意願2006- 19026「ビールピッチャー」拒絶査定不服審判事件についてした2008年(平成20年) 5月13日付けの審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成20年(行ケ)第10251号,平成20年12月25日判決言渡)があったので,更に審理した結果,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
1.本願は,2006年(平成18年) 7月19日の意匠登録出願であって,原審(審査)において,2007年(平成19年) 1月12日付けで拒絶の理由が通知され,同年 7月19日付けで拒絶査定がされた。

2.本件拒絶査定不服審判請求人(以下,「請求人」という。)は,この査定を不服として,2007年(平成19年) 8月29日に拒絶査定不服審判の請求をした。

3.原審(第一次審判)は,これを拒絶査定不服審判事件2007- 23689として審理し,2008年(平成20年) 5月13日付けで「本件審判の請求は成り立たない。」との審決をした。

4.これに対し,請求人は,2008年(平成20年) 7月30日に上記審決の取消を求める訴えを知的財産高等裁判所に提起し,同裁判所は,平成20年(行ケ)第10251号審決取消請求事件としてこれを審理し,2008年(平成20年)12月25日に「特許庁が不服2007-23689号事件について平成20年 5月13日にした審決を取り消す。」との判決を言い渡し,同判決は確定した。


第2.本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする2006年(平成18年) 7月19日の意匠登録出願であって,その意匠は,意匠に係る物品を「ビールピッチャー」とし,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」は,願書の記載ならびに願書に添付した図面および写真に現されたとおりのものであって,各図面において,実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり,各写真において,赤色で着色された部分以外の部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であるとしたものである(以下,「意匠登録を受けようとする部分」を「本願意匠」という。)。(別紙図面第1参照)


第3 引用意匠
原審(審査)において,本願意匠に類似するとして引用された意匠は,2003年(平成15年)10月14日発行の日本国特許庁意匠公報に記載された,意匠に係る物品を「ビール用ピッチャー」とする意匠登録第1187522号の意匠(別紙図面第2参照)のうちの本願意匠に対応する部分(以下,この部分を「引用意匠」という。)である。


第4 判決の理由の要点
同判決の理由とするところは,大要以下のとおりである。

「当裁判所は,本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえないので,本願意匠は意匠法3条1項3号に該当するとした審決の認定判断には誤りがあると判断する。その理由は,以下のとおりである。」

「審決が共通点として認定した事項は,認定の限りにおいて,誤りはない。」
「また,審決が差異点として認定した事項は,認定の限りにおいて誤りはない。」

「本願意匠と引用意匠の類否」について,
「両意匠の特徴的部分」としては,
「本願意匠は,」(i)「折り返し部について,正面視及び側面視において,いずれも(断面図上)直線形状からなる内側面,頂面及び外側面により構成されていること,」「(ii)本願意匠に係る物品が透明体であるため,折り返しの内側面も視認することができ,正面視において,下辺がやや長い横長の台形と上辺がやや長い横長の台形との双方を目視することができる構造となっていること,」(iii)「折り返し部の縦の長さは,内容器の全高の約5分の1であり,縦に長い形状であること,」(iv)「注ぎ口について,本願意匠に係る物品が透明体であるため,正面視において二重略V字形状を有し,それぞれが折り返し部上端の直線を底辺とする逆二等辺三角形を構成していること,」(v)「注ぎ口の側方視において,上端が水平状であり,折り返し部の上部横線の延長線上に位置し,突端を平面視やや角張って形成している点に特徴がある。」
「これに対し,引用意匠は,」(i)「折り返し部について,正面視及び側方視において,いずれも(断面図上)直線状の内側面,丸みを帯びた頭頂面,及び直線上の外側面から構成されており,全体として角張った印象を与えないこと,」(ii)「本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分に相当する部分の物品は,透明体ではないため,正面視において,折り返し部の内側面を視認することができないこと(視認することができる旨の図示はされていないこと),」(iii)「下辺がやや長い横長の台形形状の四隅はいずれも丸みを帯びており,その縦幅は内容器の全高の約7分の1であって,短く形成されていること,」(iv)「注ぎ口について,正面視において,内容器の折り返し部上端は,水平方向の直線を形成することはなく,緩やかな円弧状を呈しており,少なくとも,本願意匠にあるような直線的な外側面V字形状又は内側面V字形状を呈していないこと,」(v)「注ぎ口は,側方視において, 上端をやや下り傾斜状とし,中央の折り曲げ部の傾斜は(断面図)曲線を描いて「折り返し部内側面」に連なっていること,平面視において,注ぎ口は,手前から先端に進むに従い,曲率半径の小さい曲線,曲率半径の大きい緩やかな曲線,先端部の丸みを帯びた曲線へと変化し,直線が用いられてないこと等に特徴がある。」
「上記の認定に基づいて,本願意匠と引用意匠の類否を判断する。
本願意匠は,折り返し部及び注ぎ口ともに基本的に直線で形成され,全体の縦が長く,注ぎ口を大きくかつ深く,正面視において二重略V字形状を有し,これらの特徴を総合すると規則的であるが,シャープな印象を与える形状ということができる。
これに対して,引用意匠は,注ぎ口の側方視を除いて折り返し部及び注ぎ口ともに基本的に曲線で形成され,全体の縦の長さが横の長さに比して短く,注ぎ口が小さくかつ浅く,正面視において円弧形状を示し,平面視において,注ぎ口は,手前から先端に進むに従い,曲率半径を変化させ,曲線が多用され,これらの特徴を総合すると,不規則かつ複雑であるが,全体として柔軟で暖かな印象を与えるものといえる。」
「上記によれば,本願意匠と引用意匠とは,意匠に係る物品がいずれもビールピッチャーであり,いずれもその構造が内容器と外容器の二重構造を有するうちの内容器に関するものである他,注ぎ口及び折り返し部を有するという基本的な構成態様において共通する点を有するが,具体的な注ぎ口及び折り返し部の形状態様において,看者に異なる美感を与えているものというべきである。したがって,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。」


第5 むすび
したがって,上記判決は,行政事件訴訟法第33条第1項の規定により,当審を拘束するものであり,同判決の主文及び理由に基づき,本願意匠は,引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3項に掲げる意匠に該当するとはいえず,同法同条同項柱書の規定により,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-04-16 
結審通知日 2008-04-25 
審決日 2008-05-13 
出願番号 意願2006-19026(D2006-19026) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C5)
最終処分 成立 
前審関与審査官 本田 憲一 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 樋田 敏恵
並木 文子
登録日 2009-05-15 
登録番号 意匠登録第1362424号(D1362424) 
復代理人 片山 礼介 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
代理人 足立 泉 
代理人 青木 博通 
復代理人 片山 礼介 
代理人 青木 博通 
代理人 足立 泉 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 
代理人 足立 泉 
復代理人 片山 礼介 
代理人 柳生 征男 
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