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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 F2
管理番号 1198802 
審判番号 不服2008-19123
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-28 
確定日 2009-06-12 
意匠に係る物品 テープ印字機 
事件の表示 意願2007- 16744「テープ印字機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,意匠法第2条第2項に規定する画像について物品の部分として意匠登録を受けようとして,2007年(平成19年) 6月22日に出願されたものであり,その意匠は,願書および願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「テープ印字機」であり,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)」は,願書の記載および願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,「画像図」に表した画像は,本物品と同時に使用される表示機器に表示される操作用の画像を表すものであり,「画像図」は,印字内容の入力機能を発揮できる状態にするための画像であって,入力部に印字内容を入力し,完了ボタンを選択することにより決定を行うものであって,実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり,「画像図」を含めて,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を特定しており,「画像図」において,入力部を示す破線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり,「参考画像図」において,青色で着色を施した部分以外の部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であるとしたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠」という。)。(別紙第1参照)


第2 原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであり,具体的には,本願物品分野に限らず一般に,何らかの方向性を示すために記号となる図形を付すことは,例えば意匠1,意匠2,意匠3,意匠4,意匠5(別紙第2参照)に示すように本願出願前よりごく普通に行われているありふれた手法であり,また,操作画像を有する物品において,横長矩形状の文字入力エリアは意匠6(別紙第2参照)に示すように,本願出願前よりごく普通にみられるありふれた態様であって,本願意匠は,ありふれた横長矩形状文字入力エリアに単に印字方向を示す記号としてありふれた矩形図形を付して,テープ印字機の操作画像の一部としてあらわしたに過ぎず,容易に創作できたものと認められるというものである。


第3 請求人の主張
請求人は,拒絶査定を不服として,請求の趣旨「原査定を取り消す,本願は登録をすべきものであるとの審決を求める。」との審判を請求し,請求の理由として,概略次のように述べた。

意匠の説明に記載されているように,本意匠は,印字内容を入力する入力部と隣接してグレートーンを施した帯部が表示される点に特徴を有し,当該特徴により,テープの印字方向が示されるため,テープを印字する際の横書き,縦書きの選択の誤りを防止する効果を有する。
本物品である「テープ印字機」は,従来,使用者にとって横書き,縦書きの状態表示が分かりにくいという問題点があったが,本願意匠は文字による記載に頼ることなく,使用者に対し横書き,縦書きの区別を明確に伝える意匠であり,従来にはない新規性,創作性を備える意匠である。
拒絶理由通知において,「印字方向を示す記号としてありふれた矩形図形を付すは,ありふれた手法である」として,意匠1,意匠2,意匠3,意匠4,意匠5を例示として挙げられたが,これら例示が示す「ありふれた手法」と,本願意匠の手法は根本的に異なるものである。意匠1?5はいずれも,示したい方向を,方向を示すことの出来る記号(矢印,三角形,V字状図形)を用いて示している意匠である。
一方,本願意匠は,横書きであることを示すために,入力部に隣接するグレートーンを施した長方形状の帯部が表されている。通常,何らかの方向を示すため,長方形の図形を単独で配置することは行われておらず,それは意匠1?5にも採用されていないことからも明らかである。採用されない理由は,意匠1?5に用いられた,矢印,三角形,V字状図形を長方形に置き換えてみれば明らかである。長方形を用いた場合,方向を示す図形とは認識されない可能性が高く,使用者に必要な情報が伝わらない,非常にわかりにくいインターフェースとなるからである。
本願意匠におけるグレートーンを施した帯部は,テープを印字する際の横書き,縦書きの選択の誤りを防止する効果を有する。意匠1?5に表された方向性を示す記号(矢印,三角形,V字状図形)はいずれも小さなものであり,よく見ないと見落とすこともあり得る。本願の帯部に占める面積は,例示意匠の図形と比べ格段に大きく,使用者が見落とすことはあり得ない。その点からも横書き,縦書きの選択の誤りを防止する効果の高いものである。
従来は,入力部(入力エリア)のみを表示した場合,横書きなのか縦書きなのか非常に判りにくく,誤操作が多く,それを解消するため,従来は「横書き」または「縦書き」の文字を表示して,誤操作を防止するものしか無かった。
本願意匠は,文字表示に頼ることなく誤操作を防止できるユーザーインターフェイスとして,優れた意匠である。このような創作は決して容易に創作されるものではない。


第4 当審の判断
そこで検討するに,原審の拒絶の理由における意匠1?意匠5に示されるものは,その物品が送られる方向,挿入される方向を示すために単に記号が付されているだけであって,中でも意匠3?意匠5の表示画面をみても,記号が下位に展開する選択項目をもつことを示すものであり,いずれも本願意匠において,印字内容を入力する文字入力部に隣接するグレートーンを施した帯部が横書きか,縦書きかの,テープの印字方向を示すという使用の目的等,すなわち,用途と機能とがまったく異なるものである。
したがって,横長矩形状の文字入力部が本願出願前からありふれた態様であるとしても,文字入力部と隣接してグレートーンを施した帯部に前述の使用の目的等を持たせることがごく普通に行われていることを示すものではないから,本願意匠は,ありふれた横長矩形状文字入力部に単に印字方向を示す記号としてありふれた矩形図形を付して,テープ印字機の操作画像の一部としてあらわしたに過ぎず,容易に創作できたものであったということはできない。


第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しない。

また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2009-06-01 
出願番号 意願2007-16744(D2007-16744) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (F2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 智加 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 杉山 太一
淺野 雄一郎
登録日 2009-06-26 
登録番号 意匠登録第1365674号(D1365674) 
代理人 渡邉 知子 
代理人 日高 一樹 
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