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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D7
管理番号 1211329 
審判番号 不服2009-12049
総通号数 123 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-02 
確定日 2010-01-18 
意匠に係る物品 椅子用座 
事件の表示 意願2008- 8338「椅子用座」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願は、平成20年(2008年)4月1日の意匠登録出願であって、その意匠は、意匠に係る物品を「椅子用座」とし、形状を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)
これに対して、原審において、平成20年9月25日付拒絶理由通知書で拒絶の理由を通知し、すなわち、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠に類似するものと認められ、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当し、同法同条同項の規定により意匠登録を受けることができない旨の拒絶の理由を通知したものであり、その後、出願人の意見書の提出を受けた後、本願について拒絶の査定をした。

著者の氏名 タカラベルモント株式会社
表題 TAKARA BELMONT News
掲載箇所 ソファ型スタイリングチェア「スタイリン
グソファ」発売
媒体のタイプ [online]
掲載年月日 2005年10月25日
検索日 [2008年 9月24日]
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://www.tb-net.jp/press/051025.html
に掲載された理美容いす(真ん中の写真のもの、製品名:TYP
E B)の意匠の内、脚部及び足掛け部を除いたいす用座の意匠(
以下、引用意匠」という。別紙第2参照。)。

そこで、本願意匠と引用意匠との類否を検討すると、両意匠は、形状の主な共通点として、(A)全体を、やや肉厚の略矩形板状の底板部とそれに重なるほぼ同厚のクッション部とを、左右両側のやや肉厚の略矩形板状の垂直状とする手すり部と、背面側のやや肉厚の略矩形板状で、上方が後方へ傾く斜面状の、手すり部より手すり部高さの約半分程度高くした背もたれ部とで囲み込む構成態様とし、さらに、各部の具体的な態様について、(B)左右両側の手すり部の側壁について、内側側壁を、略垂直面状とし、外側側壁を、上方に従いやや外方向へと傾く斜面状としながら、その斜面状の上方を緩やかな湾曲面状として、手すり部の肉厚を上方従い肉厚とする態様が共通する。一方、主な相違点として、(ア)背もたれ部について、(ア-1)本願意匠は、上部背もたれ部と下方背もたれ部との2つの部材により構成され、上部背もたれ部が下方背もたれ部より分離して昇降可能とするものであり、かつ、背もたれ部全体が傾動可能であるのに対して、引用意匠は、上部背もたれ部が無く、1つの部材により構成され、かつ、背もたれ部が手すり部と一体となって固定されたものであり、(ア-2)本願意匠は、正面視、下方背もたれ部の上端を、左右両側の手すり部内側側壁上端から緩やかな略円弧状に上方に膨出させ、上部背もたれ部を、下方背もたれ部の上端に沿って、上部背もたれ部上端が手すり部上面ほぼ中央位置から、縦幅を背もたれ部縦幅の約1/3.5とする略扇形状としたのに対して、引用意匠は、背もたれ部の上端を、左右両側の手すり部上面のほぼ中央位置から、略台形状に上端の左右角部を隅丸として上方に膨出させ、(イ)左右両側の手すり部の上面を、本願意匠は、正面視、極僅かに湾曲面状の内側が低く傾く斜面状としながら、内側側壁面との角部を大きな隅丸、外側側壁面との角部を小さな隅丸としたのに対して、引用意匠は、断面略半円弧状とする湾曲面状とした態様において相違が認められる。
ところで、底板部、クッション部、背もたれ部、手すり部等は、椅子を構成する上で必然的な構成要素であって、この出願に係る椅子用座においても、底板部、クッション部、背もたれ部、手すり部等により構成され、まさに人が直接触れて腰掛ける椅子の座部分であり、クッション部等による座り心地等はもとより、底板部、背もたれ部、手すり部等が組み立てられてできる具体的な態様にも、看者の注意が十分注がれるものである。
そうした場合、共通点及び相違点を見ると、まず、共通点(A)の全体の構成態様は、直接人が腰掛けて座面となる底面部及びクッション部を中心として、腰掛ける人を抱え込むようにその周りを囲み支えるもので、この種椅子の分野においてありふれた態様であって、取り立てて看者の注意を惹くものではなく、両意匠の類否判断に及ぼす影響は殆ど無いものである。また、共通点(B)の左右両側の手すり部の側壁の態様は、外側側壁の斜面状も、やや外方向へ傾くだけで、それに伴う肉厚の変化も殆ど目立たず、また、斜面状上方を緩やかな湾曲面状とする態様も、下方からなだらかに緩やかな湾曲面状へと連続するもので、格別目立たず、かつ、本願意匠出願前において、例えば、意匠登録第658251号の類似2号公報、意匠登録第1008594号公報、意匠登録第1298128号公報に示すように公然知られた態様であり、両意匠のみの特徴的な態様とは言えず、看者の注意を惹くものではないことから、この共通点(B)の態様の両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱なものである。
一方、相違点(ア)背もたれ部の、(ア-1)部材の構成及び傾動可能か否かの相違については、部材の構成及び傾動可能か否かは、いずれも椅子の持つ技術的な構造上の違いによるものとも言えるが、単に腰掛けられるというだけでなく、本願意匠の上部背もたれ部は、腰掛ける人の肩をしっかり支えるように、横幅を広く取り、高さが調整できるものであり、また、本願意匠の背もたれ部が、傾動可能なリクライニング機構を備えるものであって、対する引用意匠の背もたれ部の、特に肩を支える部材も無い、リクライニング機構も無いものとでは、使用の目的、使用の状態等に大きな差異が生じることになり、この相違は、両意匠の類否判断に及ぼす影響が極めて大きいものである。そして、上記の相違を伴って具体的に表現された態様における相違点(ア-2)の態様の相違についても、本願意匠は、引用意匠には無い下方背もたれ部より分離して昇降可能とする独立した上部背もたれ部を持ち、その上部背もたれ部が、縦幅を背もたれ部縦幅の約1/3.5として、一定の広い範囲を占め、下方背もたれ部上端の緩やかな略円弧状に沿って、下方背もたれ部を跨ぐように左右両側の手すり部とに架け渡すものであるのに対して、引用意匠は、上部背もたれ部の有無の相違はもとより、背もたれ部上端の態様も略台形状とするものであるから、両意匠の構成態様は異なるものと言わざるを得ない。加えて、(イ)左右両側の手すり部の上面の相違は、他の相違と相まって、両意匠の相違感をより強めることとなる。そして、これらの相違点の相まって生じる意匠的効果は、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものである。
したがって、両意匠は、意匠に係る物品が同一で、形状において、相違点が共通点を凌駕し、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しない。
以上のとおりであり、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2009-12-22 
出願番号 意願2008-8338(D2008-8338) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 松尾 鷹久加藤 真珠 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 市村 節子
杉山 太一
登録日 2010-02-05 
登録番号 意匠登録第1381630号(D1381630) 
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