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審決分類 |
審判 査定不服 意9条先願 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1211343 |
審判番号 | 不服2009-15731 |
総通号数 | 123 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-26 |
確定日 | 2010-02-16 |
意匠に係る物品 | 床用コンセント |
事件の表示 | 意願2007- 6248「床用コンセント」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成19年3月12日に意匠登録出願されたものであって、意匠に係る物品が「床用コンセント」であり、その形態が願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原審において、意匠法第9条1項に該当するとして、拒絶の理由として引用された意匠は、特許庁発行の意匠公報掲載の意匠登録第1305939号「フロアコンセント」の意匠であって、その形態は同意匠公報に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の対比 両意匠を対比すると、いずれも床用のコンセントに係るものであるから、意匠に係る物品が共通し、形態については、主として以下の共通点及び差異点が認められる。 (1)共通点 全体は、床面に開口露出する略正方形の枠部(以下「床面枠部」という)より下方に、床下に埋め込む筐体部(以下「床下筐体部」という)を設けて、一対の対向する側面を上向き傾斜面とし、その一方の開口部にコンセント部を取り付けた態様が共通し、コンセント部の床下筐体部内側にプラグ受け部を左右2か所設け、床下筐体部のコンセント部の突出した部分を筐体状のカバー部で覆っている点が共通している。 (2)差異点 (a)床面枠部の開口部について、引用意匠は一辺を支点として開閉蓋を取り付け、支点と反対側の辺に沿って、コード引き出し孔を3箇所設けているのに対して、本願意匠は、開閉蓋を取り付けていない点、(b)床面枠部の上端露出面について、本願意匠は、ごく細幅であるのに対して、引用意匠は、やや広幅である点、(c)床下筐体部のコンセント部と対向する側面の態様について、本願意匠は、コンセント部を取り付けた側面と同様の傾斜とし、矩形状の開口部を形成しているのに対し、引用意匠は、コンセント部を取り付けた側面よりも急傾斜とし、矩形状の開口部を板状体で塞いでいる点、(d)コンセント取り付け部の態様について、コンセント部を取り付けた側面及びこれと対向する側面のそれぞれ下端より互いに反対側へ水平状に折り曲げた平面視略「コ」字形状の板状部を形成しているのに対し、引用意匠は、そのような部分を形成していない点、(e)モジュール着脱部の態様について、本願意匠は、板状部の両側の斜面に設けられているのに対して、引用意匠は、片側の側面に設けられている点、(f)コンセント部のプラグ差し込み口の態様について、本願意匠は、略扇面状に3か所設けているのに対して、引用意匠は、一対を略矩形状とし、略方円形状を1か所設けている点に差異が認められる。 4.類否判断 そこで検討するに、共通点の態様は、この種の床用コンセントの分野において従来から見受けられる態様であって、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず、それらの点のみをもって両意匠の類否判断を左右する共通点ということはできない。 これに対し、下記考察のとおり、差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、看者の注意を強く惹くものであるから、両意匠の類否判断を左右するものというべきである。 差異点(a)については、開閉蓋の有無という、大きな面積を占める目に付き易い部位における差異であって、両意匠の類否判断に影響があるといえ、差異点(b)については、枠部の部分的な態様の差異であるが、差異点(a)及び(c)に係る態様と相乗した場合には、両意匠の類否判断に影響があるといえ、特に差異点(c)における、コンセント部と対向する側面の態様についての差異は、本願意匠が必要に応じてコンセント部の位置を、対向する側面の側に変更することが可能なように設けたものであって、引用意匠には見られない本願意匠の特徴であって、両意匠の類否判断に影響があるといえ、また、差異点(d)に係る態様は、コンセントの使用時に目に触れることのない個所に係る差異であるが、両意匠を全体として対比すれば、その視覚的効果は大きいといわざるを得ず、両意匠の類否判断に影響があるといえ、さらに、差異点(e)乃至(f)に係る態様は、それのみでは両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、差異点(a)乃至(d)に係る態様と相俟って、類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、両意匠の類否判断を左右するに十分のものである。 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するものであるが、その形態において、差異点が共通点を凌駕し、意匠全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。 5.むすび したがって、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-01-29 |
出願番号 | 意願2007-6248(D2007-6248) |
審決分類 |
D
1
8・
4-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小林 裕和、原田 雅美 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
鍋田 和宣 樋田 敏恵 |
登録日 | 2010-02-26 |
登録番号 | 意匠登録第1383600号(D1383600) |