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審決分類 審判 補正却下不服  物品(物品の説明を含む) 取り消す H2
管理番号 1216228 
審判番号 補正2009-500003
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 2009-04-17 
確定日 2009-09-15 
意匠に係る物品 エックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機 
事件の表示 意願2007- 27867「エックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機」において、平成20年12月12日付けでした手続補正に対してされた補正却下決定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原決定を取り消す。
理由 1.本願意匠
本願は、平成19年10月11日の意匠登録出願に係り、願書及び願書添付の図面によれば、物品の部分について意匠登録を受けようとするものであって、意匠に係る物品が「エックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機」であり、その形態が願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである。

2.手続の経緯
原審において、審査官は本願について、願書の「意匠に係る物品の説明」によると、エックス線発生の制御機器、条件設定機器等の操作画像に関わるものと認められ、本物品自体の機能を発揮できる状態にするための操作の画像には相当せず、意匠法第2条第2項に規定する画像には該当しないので、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない、との拒絶の理由を通知したところ、出願人は平成20年12月12日付けで手続補正書を提出し、願書の「意匠に係る物品の説明」の欄を「この出願の意匠に係る物品『エックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機』は、エックス線透視撮影機におけるエックス線管に高電圧を供給するものである。このエックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機には、操作画像に示されるエックス線発生の制御機器、条件設定機器等が設置され、操作画像における各種操作ボタンからの信号を受けて機能を発揮し、高電圧をエックス線透視撮影機のエックス線管に供給するものである。」とする記載に補正をした。
この手続補正に対し、原審は、本願の意匠の画像図に表された画像が、本願の意匠に係る物品に設置される制御機器や条件設定機器の操作画像である旨の補正であると認められ、この補正後の記載は、この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて出願当初の願書の記載及び添付図面から総合的に判断しても導き出すことができず、また、当該欄の記載は、本願意匠の要旨の認定に大きく影響を及ぼすものであることから、この手続補正書による補正は、出願当初の願書の記載の要旨を変更するものと認められる旨の理由により、意匠法第17条の2第1項の規定によって、却下をすべきものと決定した。
請求人は、この決定を不服として、本件審判を請求したものである。

3.請求人の主張の要旨
本願意匠は「エックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機」なる物品に係るものである。「エックス線透視撮影」とは即ち被写体にエックス線を透過させてその透過像を撮影することにより医療診断用画像等を得ることを指しており、この撮影に使用するエックス線を実際に発生させるのはエックス線管である。エックス線透視撮影用のエックス線には、被写体毎に適した、あるいは撮影目的や必要精度に適した、即ち被写体の被爆量を最小限に抑え且つ目的画像を得るために適した強さのエックス線が知られており、この最適値に調整されたエックス線をエックス線管に発生させるために、目的に合うように調整された適切な高電圧をエックス線管に与える機械が本願意匠に係る「エックス線高電圧発生機」である。エックス線高電圧発生機が「エックス線発生の制御機器や条件設定機器等」を備えていることは、この物品が担う機能を発揮するための必須内蔵機器を備えていることに他ならず、「エックス線高電圧発生機」が必須構成として制御機器や条件設定機器等を備えていることは、当業者にとって当然に知られている程度の事項である。
本願意匠は、こうしたエックス線高電圧発生機の機能によって発揮される画面であって、画面上に表示されるボタン類を押下することにより、エックス線高電圧発生機に指示を与え、必要な高電圧を発生させる状態とするものである。本件意匠に係る画像は、エックス線高電圧発生機自体の機能によって発揮される画面であって、画面上に表示されるボタン類を押下することにより、エックス線高電圧発生機に指示を与え、必要な機能を発揮させる状態とするものであり、また、そのことは意匠に係る物品の説明の一文字補正によっても何ら変更されていないものと思量し、要旨変更に係る補正却下決定には理由がなく、取り消しを求める。

4.当審の判断
出願当初の意匠に係る物品の説明と補正後の同欄の記載は、文言のほとんどが一致し、単に「このエックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機は、」を「このエックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機には、」と補正したものである。
しかしながら、この補正によって、意匠に係る物品の使用目的、機能等を変更したものとは認められず、また、本願の意匠の画像図に表された画像について、本願の意匠に係る物品に設置される制御機器や条件設定機器の操作画像である旨変更したものであるとも認められない。一方、請求人の主張するようにエックス線透視撮影用エックス線高電圧発生機が制御機能を有するものであることは、この種の物品において、本願の出願以前から認められるものであって(例えば、公開特許公報2003-317997号、図1、図8、図9、別紙第1参照、公開特許公報平成10-83892号、図1、別紙第2参照)、格別不自然なものとも認められず、本願の意匠に係る物品の説明も、本願の意匠に係る物品が制御機能を有しているとの内容に何ら変更を加えたものでもないから、この補正は、出願当初の願書の記載の要旨を変更するものではない。

5.むすび
したがって、平成20年12月12日付けの手続補正書でなされた願書の記載は、出願当初の願書の記載の要旨を変更するまでのものとはいえず、この手続補正書による補正を意匠法第17条の2第1項の規定により却下すべきものとした原審の決定は理由がなく、取消しを免れない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2009-08-31 
出願番号 意願2007-27867(D2007-27867) 
審決分類 D 1 7・ 2- W (H2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 内藤 弘樹 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 鍋田 和宣
並木 文子
登録日 2010-04-23 
登録番号 意匠登録第1388489号(D1388489) 
代理人 喜多 俊文 
代理人 江口 裕之 
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