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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J3
管理番号 1216251 
審判番号 不服2009-22643
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-19 
確定日 2010-05-11 
意匠に係る物品 監視用カメラ 
事件の表示 意願2009-3674「監視用カメラ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成21年2月23日の意匠登録出願であって,その意匠は,意匠に係る物品を「監視用カメラ」とし,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下,「本願意匠の当該部分」という。)を実線で示したものであって,その形状を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

2.原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定において,意匠法第3条第1項第3号に該当するとして引用された意匠は,その出願前に日本国内または外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,下記の意匠である(別紙第2参照)。


(1)電気通信回線の種類
インターネット
(2)掲載確認日(公知日)
2007年3月17日
(3)受入日
特許庁意匠課受入2007年4月13日
(4)掲載者
松下電器産業株式会社
(5)掲載ページのアドレス
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070209-1/jn070209-1-1.jpg
に掲載された「監視用カメラ」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ18034244号)

なお,この拒絶理由通知書において,主な類否判断の対象となるのは,引用意匠における,本願の実線で示した部分に相当する部分(以下,「引用意匠の相当部分」という。)である旨が明記されていないが,この点は,拒絶理由通知書に書かれている対比内容から,本願意匠の当該部分と引用意匠の相当部分を対比していることは明らかであって,単純な誤記である。

3.両意匠の対比
両意匠を対比すると,意匠に係る物品については,共に「監視用カメラ」であって同一であり,また,本願意匠の当該部分と引用意匠の相当部分(以下,「両意匠の部分」という。)は,監視用カメラの本体部分であるから,その用途と機能は共通し,なおかつ,位置,大きさ,及び範囲は一致し,その形態については,主として以下の一致点と相違点がある。
(1)一致点
(A)両意匠の部分である本体部分は,前後に長い略直方体であって,正面中央にレンズ(実線で示された部分でない)を設けるもの,という基本的構成態様と,
(B)本体が,角丸の略コ字状を成した上下ケースから成り,そこに正面パネルを設けている点,及び背面がわの下方を削り上げたような形状とした点,という具体的構成態様が一致する。
(2)相違点
両意匠の部分は,具体的構成態様において,
(a)正面視において,本願意匠は,上方の左右角部は大きな湾曲した面で形成し,下方の左右角部は極小の曲面で形成しているのに対し,引用意匠は,上方の角部と下方の角部は,本願意匠の上方角部より小さな湾曲面で,略同一となるように形成した態様としている点,
(b)側面視において,本願意匠は,本体の正面側下方の角部に曲面を形成し,本体背面側下方の角部を本体全高の約2分の1の大きさの湾曲として背面は垂直面とし,本体上方の前方と後方の角部は極小の曲面を形成しているのに対し,引用意匠は,本体正面側の上下の角部を略同一となる曲面で形成し,背面側の上下の角部は,正面視の上下角部と略同じ大きさの曲面とし,背面は,上下ケースのつなぎ目部分で角ができるように略くの字状としている点,
(c)背面について,本願意匠は,内側に奥まった位置に背面が形成してあり,略J字状の側面庇と奥行きのある上面庇に囲まれているのに対し,引用意匠は,不明な点,が相違する。

4.類否判断
両意匠の部分における一致する基本的構成態様(A)は,意匠全体の骨格をなすが,従来より普通に見られる態様であるので,類否判断に与える影響はほとんど無く,一致する具体的構成態様(B)については,この本体ケースの構成に共通感が認められるも,従来より見られる構成でもあり,直ちに類否判断を決するものではい。
対する,相違点について,相違点(a)と(b)から,直方体のすべての辺において形状が異なることが明らかで,全体として異なるまとまり感を需要者に与え,類否判断に大きな影響を与えると認められる。
相違点(c)は,不明である引用意匠の背面が,本願意匠と同様の奥まった位置にあると仮定しても,その側面庇は略くの字状になり,そこにつながる上面庇の奥行きは短いものと容易に想定でき,側面から上面にかけて全体に奥行きがあって広い面積の庇を持つ本願意匠とは,別異な印象が強く,さらに,庇を形成せず,側面視で略くの字状の二平面で構成している場合は,本願意匠と全く異なる美感を与えるものであり,類否判断に影響を与えると認められる。
以上を総合すると,相違点による視覚効果は一致点による効果を圧しており,両意匠は,美感が相違し,類似しないものである。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものではなく,原査定の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-04-23 
出願番号 意願2009-3674(D2009-3674) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 伊藤 宏幸 
特許庁審判長 関口 剛
特許庁審判官 橘 崇生
樋田 敏恵
登録日 2010-05-28 
登録番号 意匠登録第1391254号(D1391254) 
代理人 ポレール特許業務法人 

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