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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D5
管理番号 1219785 
審判番号 不服2009-24644
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-14 
確定日 2010-06-21 
意匠に係る物品 浴室用手摺 
事件の表示 意願2008- 33050「浴室用手摺」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願は、平成20年(2008年)12月26日の意匠登録出願(意匠に係る物品「浴室用手摺」)であり、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり(別紙第1参照)、これに対して、原審は、拒絶の理由について、この意匠登録出願の意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である、特許庁総合情報館が2000年12月27日に受け入れたドイツ意匠公報(2000年9月25日発行)第5305頁所載(登録番号第40001358号)の建具用取手の意匠(以下、「引用意匠」という。別紙第2参照)に類似するものと認められ、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当し、同条の規定により意匠登録をすることができないものであるとしたものである。
そこで、原審が拒絶の理由とした意匠の類否判断について検討すると、両意匠の意匠に係る物品については、本願意匠は、浴槽だけでなく、浴室の壁にも取り付けられるもので、ともに、人が掴む持ち手として利用され、用途及び機能に共通性を有し、類似する。
しかし、両意匠の形状については、両意匠は、略丸棒状の握り部を左右両端寄りの略四角柱状の固定部で支える構成とした点で共通しているとしても、握り部を略丸棒状とすることは、人が掴み易くするための極ありふれた形状で、何ら特徴的なものではなく、その上、本願意匠が単なる丸棒状であるのに対して、引用意匠は、観者が注目すべき正面側にあって、横筋状に明暗調子の2層の明確なラインが見て取れ、このラインが、単なる陰によるものなのか、模様なのか、あるいは、異なる材質や溝の凹凸を伴った形状線なのか等不明であり、この相違点は類否判断に大きな影響を及ぼすものであり、ましてや、各固定部の略四角柱状が、本願意匠は、やや縦長直方体状の上面を、前方に向けて緩やかに立ち上げた傾斜面とし、下面を上面よりさらに強く立ち上げた傾斜面とし、側面視先細り状に前方斜め上方向へと延伸して、丸棒状の握り部の後面下半部とに接合するのに対して、引用意匠は、横長直方体状として、厚みを、斜視状態で正確な厚みは不明としても、握り部の径とほぼ同幅とし、前方へ水平状に延伸して、丸棒状の握り部の後面ほぼ全面に接合するものであり、この相違は、一概に略四角柱状と括れるものではなく、固定部が単なる後方に隠れる支持部材というわけでもなく、固定部と握り部とが一体となって手摺りが形作られるものであり、観者が固定部に十分注意を注ぐところであって、本願意匠のやや縦長直方体状の側面視先細り状に前方斜め上方向へ延伸して、握り部の下方を支えるものと、引用意匠の扁平な横長直方体状が前方へ水平状に延伸して、先端に握り部を取り付けたものとでは、その構成態様は異なるものというべきである。そして、これら相違点を総合してみると、両意匠の固定部の構成態様は異なるものであって、両意匠に異なる印象を与える上に、握り部の態様の相違を加味すれば、これら相違点の相俟って生じる視覚的効果は、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものと言わざるを得ない。
したがって、両意匠は、意匠に係る物品が類似するとしても、形状において、相違点が共通点を凌駕し、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。
以上のとおりであり、両意匠は類似しないものであるから、原審のした拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-06-01 
出願番号 意願2008-33050(D2008-33050) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D5)
最終処分 成立  
前審関与審査官 江塚 尚弘 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 杉山 太一
市村 節子
登録日 2010-07-09 
登録番号 意匠登録第1394160号(D1394160) 
代理人 中村 知公 

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